氷菓 第7話「正体見たり」 感想!
バス酔いが残ってたのかもな。そんな馬鹿なw
思春期ホータロー
バス酔いが残っていた、というのもそりゃあ一因の一つだっただろうけど、視聴者の目からは折木の湯当たりの原因が明らかすぎますねw
ただまぁ、こんなので湯当たりできたらむしろ幸せだろう!ってのがオタク的な考えなのですが、折木はやっぱり灰色なので、そう簡単にポジティブに考えられないのが不運ですかね。知らないうちに薔薇色の妄想をしてしまって、色違いによる拒絶反応も湯当たりの一因かも知れない。
とまぁ、この拒絶反応のことを人は「思春期」と呼ぶのですけどねw
原作を読んでいる時は、折木があまりにも灰色すぎて冷酷な印象すら受けたものですが、アニメの折木はなんとも可愛い。脳みそでは対処できない事態にいちいちあたふたしてくれる様がなんともツボにはまります。
となると、まず間違いなく映像化されるであろうあのエピソードがとても楽しみなわけで。
原作既読者にしか通じない話をするようで恐縮なのですが、アニメ効果で原作がバカ売れしているとのことで、きっと「もす!」を訪れてくれる人も原作既読者が大いに違いない!(ブロガーも既読者増えてるし!)ということでネタバレ伏せて話すのですが、元旦のあれです。あれは絶対に解釈がアニメ仕様になるはずなので、今からニヤニヤが止まらないところです。
正体見たり
兄弟とは、必ずしもいいものではない。
確かにその通りです。僕の周りにいる兄弟を持つ友達は、見事なくらいに兄弟と仲の悪いやつばっか。いや、大学の後輩には「仲良しだ」って言ってるやつがいたかな。それでも「まったく口を利かない」っていうやつもいて、兄弟も千変万化なんだなぁ、と思ってしまうものです。
なぜそう思ってしまうのかというと、僕は妹が一人いるのですが、とても仲良しなのです。
よく面倒を見てあげるし、面倒をかけてもいます。なんというか、妹なんだけど、立場的には向こうの方が姉のような感じもして、年の差はそんなに感じない、友達みたいな妹ですかね。
二人で買い物にも行きますよ。おごったりおごられたりもしばしば。共通の趣味も多いです。
とまぁ、兄弟、特に兄と妹というカテゴリで仲良し全国選手権とかあったら、かなりの上位に食い込むのではないかというくらい僕と妹は仲がいいわけです。
だから原作でこの話を読んだ時は、なかなかに悲しい気分になったものです。幽霊の正体見たり、枯れ尾花。一人っ子からすれば憧れの的である兄弟も、実際にはそんないいものではないんだぜ。
恐らく原作者の米澤穂信が、あまりよい兄弟関係になかったのではないかと僕は予想しています。
でも、確かに世の中にはお互いを憎み合い殺し合う兄弟もいるけど(王家の世襲とかね)、冤罪で捕まった兄のために弁護士になって見事白星を勝ち取った妹もいます。その後この妹は、このエピソードが広まって依頼が激増したそうだけど、兄の公判以来弁護士の仕事はしていないそうです。
仲のいい兄弟もいれば、仲の悪い兄弟もいる。兄弟と呼ばれる関係にある人たちなんて、世の中に何十億人といるのです。千変万化ですよ。
だから原作のこのエピソードは、確かにすごく面白かったけど、考え方的には納得しかねるものでした。善名姉妹や折木姉弟は確かに仲良しでないかも知れないけど、そうじゃない兄弟だっているのに。
しかし、アニメはいいですね。最後、坂を上った先の善名姉妹の一幕は、アニメオリジナルでした。
浴衣を貸してと言えない関係……であることには間違いがないのだろうけど、それは梨絵が自分の持ち物に対して少し潔癖で、嘉代があまり強く言えない性格であることの結果にすぎない。しかもこれは、一面的な見方でしかないわけです。
兄弟だって、親子だって、友達だって、恋人だって、ある一面では嫌だと思っている部分の一つや二つはあるものです。B'zの「イチブとゼンブ」は本当にいい曲ですね。愛し抜けるポイントが一つありゃいいのに。
善名姉妹も、お姉ちゃんは妹が足をひねったら(鼻緒が切れた?)優しく助ける。折木が思っているような枯れ尾花ではないのかも知れません。
所詮はこれも、可能性の一つ。実際にはどれくらい仲がよくてどれくらい仲が悪いのかなんて分かりませんが、いろんな解釈を持たせることのできるアニメの終わり方はすごく好きです。たった一晩一緒にいたくらいでその人のことを知った気になるのは傲慢というものだ、慎むべし慎むべし。
今回のお話
夏休みを利用して古典部が合宿へ行くお話でした。
部活動の合宿というものは、普段の活動時間では足りない部分を補うために一日のうち長時間を確保するために敢行するものであって、ただ遊びに行くだけのものは合宿とは言わな……
ああいえ、なんでもないです。
里志が「温泉とは何度も入るもの」と言っていましたが、正確には違いますね。
宿に着いて荷物を置いてすぐの一回、晩ご飯を食べたあとの一回、朝風呂の一回、つまり、一泊で計三回入るのが温泉の正しい入り方です。だから温泉マークの湯気っぽいのは三本なのですね。
折木たちは二泊っぽい? 二泊だと何回入るんだろう。やっぱり六回になるのかな。
今回の制作担当は、京都アニメーションではなくてアニメーションDo。絵コンテ・演出、作画監督、そして恐らく原画の全員がDoの人たちでした。
絵コンテ・演出は内海紘子、『けいおん!!』で演出デビューして、なんと『けいおん!!』の演出回数が単独最多という出世株。初演出回の第7話「お茶会!」では、僕はあまりいい演出だとは思わなかったのですが、その後の演出回では神回を連発、京アニで今最も注目すべき演出家です。いやまぁ、Doの所属ですけど。
今回はまさしく『けいおん!!』の彼女の担当回を彷彿とさせるような演出の連続でした。アバンのてんとう虫なんか分かりやすいですね。何話だったかな、『けいおん!!』の夏祭り回でカエルを使った演出が話題になったことがありました。動物が好きなのかも知れない。
今回は、特に前半がかなりせわしない感じでしたが、それでも内容把握には苦労しない、見事な演出でした。これは『けいおん!!』19話「ロミジュリ!」を彷彿とさせます。大量の登場人物を見事にさばき切った、素晴らしい回でした。あとりっちゃんが超絶可愛かった。
作画監督は門脇未来。待ってましたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 二回目だけど!
ほんと彼女の作画は可愛いですね。もともと目が小さめにデザインされている『氷菓』ですが、門脇未来の作画はキャラの目が小さくなることに特徴があり、相乗効果でやたら小さくなります。いや、小さいというよりは丸い? だがしかしそのおかげ?で安定感がものすごい!
特に(折木妄想の)入浴中の千反田。
実にフェティシムズ溢れるよい映像でしたが、気持ちよさそうに目を細めている千反田のカットがエロ可愛い!
いやぁいいものを見せてもらった。門脇未来さん一生ついていきます。
今回は上記部分含め、千反田がいつも以上にやたら可愛かったです。さまざまな髪型が見られたのもよかった。首筋あたりでまとめるアレいいね! 門脇未来のデザインなのかしら!
摩耶花も、出番少ないなりに全体的によかったし、今回は特に善名嘉代ちゃんが可愛かった。
絵作りという意味では、『フルメタル・パニック? ふもっふ』の風呂回を彷彿とさせる局部隠しが面白かったです。まぁ『ふもっふ』ではかなめや大佐だったものが、こっちでは折木でしたが。
奇しくも、『ふもっふ』のその回の絵コンテ担当は『氷菓』監督の武本康弘。狙ってやらせたか……?w
今回もすげぇ面白かったです。内海紘子、門脇未来はほんといいなぁ。
次回ではないですが、第9話は山田尚子と植野千世子が演出・作監。注目でございます。いつもよりグリグリ動くかも知れない。
次回からは長編「愚者のエンドロール」編に突入!
京アニにヤマカンが残っていたらヤマカンが絵コンテ・演出を担当したに違いない。朝比奈みくるの冒険的に。
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(6月6日1時22分)アニプレッション「こんなにも面白い『氷菓』の世界 第7話」投稿しました。
合わせてどうぞ。
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つぶやき
妹「部屋を片付けろ!」
僕「分かった!」 以下ループ。
こんな兄ですみません。野郎の部屋は汚いものさ!(開き直り
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