考察シリーズ22 アニメ化考察
このシリーズでは、俺が日ごろ思った事感じた事をつらつらと書き連ねていきます。
コメントなどして管理人と語り合おう!
視聴者は何故原作通りの展開を求めるのか、それでも何故作り手はオリジナルに走るのか。
最初に身も蓋もない事を言ってしまうと、俺は何でオリジナル展開を嫌うの?と思っています。
まぁこれは俺個人の意見なので、今は放っておきましょう。
というか「アニプレッション!!」というブログ(→右カラム参照)を始めてから、考察系というか普通の感想記事以外はみんなそっちに書いてしまって、考察シリーズじゃないにしろ、「もす!」に感想記事以外の記事を書く事がなくなっていました。
なので、意地でも何か書きたかったw
他にも語りたい事はいろいろとあるので、「もす!」にも「アニプレッション!!」にも投稿していきますよ。
視聴者は何故原作通りの展開を求めるのか?
もしかしたらネットの声がでかいだけかも、という前提がついて回りますが、基本的にアニメが原作とは違う展開になった場合、叩かれる傾向にあります。
オタクと呼ばれる人達に限らず、一般層もそうです。ワンピースやブリーチなどが原作とは違うエピソードになると、とたんに叩かれます。原作に追いついてしまうからオリジナル展開で尺を取らないといけない、という制約を理解しつつも、視聴者は受け入れられないようです。
一般層も、とは書きましたが、この傾向はやはりアニヲタに強い。
何故オリジナル展開にしたがるのかという文言を見ると、たいていの人が「そうだそうだ」と納得するのでは?
統計を取った訳ではないので、断言はできませんが。
この傾向の成否はとりあえず置いといて、何故こういう傾向があるのかを考えてみました。
一つ確実に言えるのは、原作通りの展開だと安心出来るという点ですね。
その原作のファンであるなら、当然そのストーリー・キャラクター・展開等が大なり小なり好きである訳で、アニメが原作通りに展開すると、嫌う要素がありません。
この場合、悪い意味でハラハラする必要がなく、また事前に「原作通りに展開する」事が発表されている場合、原作ファンはものすごく安心して視聴に臨みます。「とある魔術の禁書目録」が顕著な例でしょう。かくいう俺も、安心した一人ではあります。
この場合だと、「好きな展開を二度楽しむ事が出来る」という利点が生まれます。
これは強いですよね。アニメ制作側としては、原作ファンを敵に回す事はありませんから。
また、作る方にも利点があります。アニメ化に踏み込める原作ならばある程度評価されているという事であり、何も考えずその展開に沿うだけで、そこそこのものを作る事が出来る訳ですから。もちろん、何も考えず制作している事はないとは思いますが。
二つ目の理由としては、オリジナル展開にすると大抵つまらないという事が挙げられるでしょうか。
正確には、「オリジナル展開にすると面白くなくなると思っている」になりますかね。
経験として、オリジナル展開のアニメをいくつか見てきてそれらを「つまらなかった」と感じている場合、新たにオリジナル展開のアニメが来ると反射で否定してしまいます。
これは、危機察知能力とでも呼びましょうか、人間に備わっているアラート能力が働いている結果ですね。熱いヤカンに手を触れると意思に反して手が飛び退くのと、原理は一緒です。
しかしこれを考えようとすると、「反射だから仕方がない」の言葉で議論が終わってしまいます。
なので、そもそも何故そのような経験が積まれていくのかを考えてみます。
まず当然の心理として、原作ファンは原作の展開を面白いと思っているので、別の要素が入り混じると、まずは疑念を持ちます。
結果、オリジナル展開の優劣に関わらず、無意識下で拒絶してしまうという事が、起こりうると言えます。
また、「望んでいたものと違う」「思っていたものと違う」という事もあるでしょう。
メディアミックスと原作の関係性としては、どうしても原作が上位の存在であるので、下位の存在であるアニメは最初から部が悪い。
「大抵の作品は原作の方が面白い」なんて言われる所以ですね。
もう一つ別アプローチからの理由として、単純に作り手が下手という事が挙げられます。
原作の展開とオリジナル展開を見比べた際、出来に明らかな差がある事は、まぁ当然あるでしょう。
オリジナル展開を嫌う人達は、ほぼ間違いなくこの理由を持ってきますね。「一人の秀才が作った秀作を複数の凡人が凡作にする」という言葉を見た事があります。上手く言ったものです。
これらの理由から、視聴者は原作通りの展開を求めるのでしょう。
この考察が当たっていれば、かなり納得のいく理由だと思います。
何故作り手はオリジナルに走るのか?
ネット全盛期ですし、かのヤマカンが「00年代はネットに屈した時代」と言ったように、上記のような視聴者の意見は当然作り手にも届いているはずです。
少し前から作り手がブログをやる事が増えていますし、最近はツイッターが大流行(このツイッターが俺は大嫌いでしょうがないのだけど、その事についてはまたの機会に)。視聴者の意見が作り手に伝わる機会は、確実に増えています。
それにも関わらず、オリジナル展開に走るアニメは作られますよね。
そういうアニメを作る人達はネットの意見を見ていない、というピンポイントな話は恐らくないでしょう。というかそんな偶然があったらこの記事の存在意義がなくなるw
余談として、ここ最近は、原作重視の流れが出来てきている感じはしますけどね。
ハガレンがリメイクされたし、To LOVEるも原作準拠でリメイクされます。紅も、夜桜四重奏もそう。
閑話休題。
では何故作り手はオリジナルに走るのかというと、これは実際にインタビューをした事がないので想像するしかないですが、自分が作る側になると想像すれば、分かってくるのではないでしょうか?
例えば俺は、趣味で小説を書いていますが、もしある漫画を持って来られて「これを小説にしてくれ」と頼まれるとします。
この場合、原作通りに作れなんて言われたら俺は絶対に断ります。だって書いててつまらないんだもの。
原作の内容に沿うのだとしても、スピンオフを書きたいです。実際漫画やアニメが小説にメディアミックスする際、スピンオフが多いのではないでしょうか?
また、どうせやるなら、原作とは別解釈で書いてみたいと俺は思います。だってその方が書いてて面白いから。
小説を書くのとアニメを作るのでは勝手が違うでしょうが、似たような感情をアニメの作り手も持っているのではないでしょうか?
商業作品を作る際、受け手の求めているものを作る事が大事ではありますが、じゃあ作り手の作りたいものが蔑ろにされていいのかと言われれば、これはノーでしょう。
もし僕がアニメ制作に関わって、原作とは違う解釈・展開を提供し、頭ごなしに「原作通りに作れやカス」なんて言われたら、反省の前に怒りが湧いてきます。
少し感情論になってしまったけど、まぁ、作り手の気持ちとしてはこんな感じなのでしょう。
この感情がプロデューサー、監督、脚本陣などの間でコンセンサスが得られた場合、アニメがオリジナル展開に走るものと思われます。
オリジナル展開に利点はあるのか?
背理法を使えば、利点がない事をわざわざする訳がないので、当然ある訳ですが、それは何なのか。
原作通りのアニメを作る事に対する反論として、原作と同じだったら原作を読めばいいじゃないというものがあります。
もちろん、絵が動いてキャラクターがしゃべるというだけでアニメには利点がありますが、特にアニメそのものが好きという訳でなければ、原作を読めばいい、というのは一つの真理たり得る事でしょう。
オリジナル展開を用意すると、どうなるか。
同じ作品でありながら、二つの展開を楽しめるという事にはならないでしょうか。この辺はほとんど好みの問題になってくるとは思うのだけど、少なくとも俺は、同じ基盤で二つの展開があると二通りの楽しみ方があるという事になるので、楽しめます。
これがどうしても生理的に受け付けない、という事になれば、俺は反論する事が出来ません。
アニメを楽しみたいなら受け入れられる努力をしろ、無理そうなら諦めろ。そう言うしかありません。
また、「生徒会の一存」に出てくる「メディアの違いを理解せよ!」という名言(迷言?)がありますが、これを俺は的を射ている言葉だと思っていて、原作をそのままアニメ化しようとすると、どう考えても劣化してしまう場合というものは存在するのです。アニメーションとして映える展開・ストーリー・演出がある場合はそっちを選択する方が絶対にスマートで、この選択のセンスによってアニメの出来が左右されるのだと俺は思っています。
具体的例を上げると、「化物語」。
本筋はしっかりと原作通りのようですが、ギャグシーンをほとんどカットしてしまうという改変をしています。
アニメ作りの選択肢としてはシリアスシーンをカットしてしまうという選択もあったはずですが、そうはしなかった。その結果化物語は大ヒットしました。
もう一つ挙げると、「とある魔術の禁書目録」。
四巻の「エンゼルフォール」のストーリーをアニメ化する際、神裂火織というキャラとミーシャ=クロイツェフというキャラの戦闘シーンが原作通りに再現されましたが、映像の迫力はあったものの、明らかに原作よりスペックダウンしてしまっています。
これは原作を読んでいれば分かりますがどうしたって「しょうがなかった」と言える部分であり、オリジナル展開にする事によって、もしかしたら回避出来たかも知れない部分でした。
何でオリジナル展開を嫌うの?
ここからは結論というか、俺の意見になっちゃいますが。
オリジナル展開であるという事で嫌われているアニメと言えば、「ゼロの使い魔」と「灼眼のシャナ」を連想します。
意見を聞いて回った訳ではないけど、原作を読んだ事があるという人で、アニメを評価している人に、俺は会った事がありません。
別にアニメが好きという訳でもない人からも、「ゼロ魔は原作の方がいい」と言われた事があります。
まぁその人はだんだんとアニメに染まっていっているイメージがあるので、アニメ好きではないという表現は正しくないかも知れないけど。
俺はゼロ魔を二期まで、シャナをTVシリーズと劇場版まで視聴していますが、めっちゃ面白いと思っています。
特にシャナは、二期になってからのストーリーがほんと好きで、明らかに尻上がりにすごくなっていく戦闘作画も相まって大好きな作品です。
もしかしたらこれは、原作を読んでいないからかも知れません。俺ももし原作を読んだら、「なんだ原作の方が面白いじゃないか」と思うかも知れません。
でもこれは可能性の一つで、俺は原作を読んでもアニメを好きなままでいると思っています。
だって、二つの別のストーリーを楽しめるなんて、とてもいい事じゃない。
この二作品に限らず、感情の部分で、俺は「何でオリジナル展開を楽しめないの?」と思ってしまうのです。
ここで結論としてしまうにはあまりにも弱い文章になってしまいましたが、なんかまとめ切る自信がなくなってきたのでこの辺で投げますw
もっと上手く論を展開する技術が欲しいなぁ、と日々思うところ。
ここまで読んでくれた方には、感謝です。
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