とある科学の超電磁砲OVA #EX「御坂さんはいま注目の的ですから」 感想!
購入しました! 久々の超電磁砲。本編内容のネタバレを含みます。
TVシリーズが終了して半年、禁書目録の二期の放送開始に発売を合わせてくるという商売上手っぷりですが、ちょっと懐かしい感じのする超電磁砲でございます。
やはり監督と脚本家が違うからか、作り方が禁書目録とまったく違いますねぇ。
では要所要所で見て行きましょう。
OP/ED
OVAだけど、しっかり曲と映像がついております。豪華だなぁ、得した気分だよ。
主題歌担当はTVシリーズと同じくfripsideにELISA、どちらもいい感じの曲です。特にOPの「future gazer」は、かっこよさはTVシリーズの2曲に劣りますが、今回の作風を考えるとかなり妥当な作曲・編曲。雰囲気重視で耳に心地よいです。
さて映像ですが、俺は禁書目録二期において、「なんでOPのコンテを橘さんが担当していないのー!」とすっげぇ自分勝手な不満を漏らしておりますが、ふと考えた事、こっちのOPをやっているから手離せなかったのかな?みたいな。
まぁそんな事は特になく、普通に「ドラゴンクライシス!」の監督業が大変なのでしょう。1月からだっけ? 期待です。
そんな訳でOPのコンテ担当は長井監督が自ら!
橘さんの演出が大好きな俺ですが、長井さんの演出も大好物であります。特に彼のOPのセンスはとても良く、アイドルマスターゼノグラシアや、とらドラ!などでそのセンスを爆発させています。とらドラ!前期OPはアニメファンの人気も高いですねぇ。
という訳で今回のOPですがすんんんんばらしいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!
一番最初の8ミリカメラ?からビデオを見る美琴のカットまでの時点で、これはもう素晴らしいOPである事をなかば確信したのですが、こんなところで満足してはいけなかった。
4人でビデオを撮り合いっこしようぜ……というコンセプトの中、ポーズを合わせたり衣装をチェンジしたり初春の花をみんなでやったりとお遊びしながら展開していく映像はどれもこれもが見事で引き込まれてしまいました。オーディオコメンタリーで4人の中の人たちもしきりに叫んでいたけど、いやほんと可愛いw 4人が可愛いだけでなく、雰囲気がもう可愛いですよね。
これは長井監督の大勝利。
そもそも長井監督は、バトル描写よりも日常描写の方が上手いと個人的に思っていまして(バトル描写が下手という事ではない)、その真価が一番発揮されていたのがとらドラ!だったと思っています。OP/EDの映像もそうですが、バトルらしいバトルが一切ない本編の仕上がりまで、とてつもなく素晴らしいものだった。
その特性を生かして、TVシリーズではEDのコンテを担当していたのでしょう(後期EDは違いましたが)。
OPはバトル描写の演出センスが冴えわたる橘秀樹さんに。
今回のOVAのお話はバトル的要素がほとんどなく、事件性はバッチリですがあくまで4人の日常・活躍を描く内容。人選的にも、橘秀樹さんを引っ張って来るより監督自らコンテを切った方が正解であったはずで、まさしくその通り素晴らしいものが出来上がってきました。もう何度ループしたのやらw
OVAという事で、OPには力を入れましたがEDは無難にまとめ。これが少し前までのアニメのスタイルですね。最近はEDまで凝るアニメが増えてきた、これは間違いなく京アニの影響でしょうなぁ。
閑話休題
EDは既存の絵を長井演出によってキレイにまとめた感じ。手抜きではありますが不満は何も出てこない、上手いEDでした。ゆったりした曲ともぴったり。
本編映像
OP/EDについて語りすぎましたが、ここからが大事ですよね。OP良くても本編が駄目なら意味がない。
制作期間もしっかり取れるOVAで期待度も高く、さて見るぞぉーとTVの前に座ったところアバンからいきなりかっこよくてびっくりしたw
テレポートしながらどこかの現場に急行する黒子ですが、公園からどんどん遠ざかっていくカットはテレポートの特性をよく表していて実に好印象、その後ビルの手すりに着地してそのまま落ちるところはTVシリーズの後期OPの落下する美琴と黒子を彷彿とさせてとてつもなくカッコイイ。
そんな本編のコンテ担当もこれまた長井監督、TVシリーズではなく一発モノのOVAだと監督自らコンテを切るのが常識なのでしょうね、たぶん。OVA全盛期のアニメ界を知らず、また最近でもOVAはあまり見る事のない俺はこの辺の事情は良く分からんとです。
いちいち全ての場面を解説しながらでもいいのですが、それだと記事がとんでもない長さになるのでそれはやめといて……
このかっくいいアバンから始まり、監督自らの映像は本当に素晴らしくて涙すら出てきますよ!
ワンカットワンカットに魂が込められている。長井龍雪さんは俺の最も尊敬する演出家の一人であると良く豪語している俺ですが、このOVAはもう嬉しすぎて大変w
あと、最後の方でレールガンをぶっ放すところがありましたが、この辺がまさに長井監督でした。若干下のアングルにカメラを据え、レールガンの軌道よりも「レールガンを撃つ美琴」を強調する絵作りはTVシリーズ第1話と同じ。
かっこよかったなぁ。バトルがメインでないお話でもこういうところで魅せてくれる、長井監督は本当に素晴らしい人です。次の監督作品って決まってるのかなぁ、某TSUTAYAが超電磁砲二期決定!みたいな変な情報を出してしまっているそうですが、本当にそうだったらすげぇ。
作画の方もハイレベルなクオリティで最高でした。
もともと作画のすごさに定評のあるシリーズですが、OVAという事でやはり制作期間に余裕とかあったんだろね、顔や服装、髪の毛の描き込みが恐ろしいレベルでした。表情の豊かさも健在、この辺は本当に強みですねぇ。みんな可愛い。
そういや総作画監督が中村直人さんだったけど、俺の記憶が正しければこの人たしか禁書目録二期の4話でも総作監をやっていたような。すげぇなぁ。
本編内容
映像面ばかり話しても仕方ないよねw
本編も楽しかったです。
まさしくOVA的な内容で、TVシリーズの後日談的、単発エピソードとして相応しい内容でした。学校に行っている描写があったので、時系列としては夏休み明けているのかな? まぁアニメ超電磁砲はパラレルワールドの体を取っているので、禁書目録本編とのリンクは気にしても仕方ないところでしょう。
「誰かが見てる」という都市伝説に美琴が巻き込まれてしまい、他の3人がこれを案じて、見事解決する……という内容でしたが、事件の作りがまず面白い。発電系能力者のみが被害に遭っているという真相にびっくり、これもまたある一人の独りよがりな実験のせいでした。
長点常軌学園(やべ、漢字合ってるかな?w)の名前を出してきたところがニクいなぁw
劇中で能力開発のトップエリート校である事が説明されましたが、かのアクセラレータの所属高校ですね。この辺は原作ファンに向けたサービス、ニヤリとさせられます。
また美琴は一人で突っ込んで成長しない……とも言われそうですが、今回はさすがに自分が被害に遭っていますからねぇ。恐怖にも打ち勝たないといけないし、その美琴を3人が助ける、という内容は素直に感動しました。
中でもTVシリーズの時に散々言われていた美琴と佐天さん、この二人が一緒にいるところが多かったのはニヤニヤしたぜ。
上条さん登場は完全にファンサービスですなぁw
彼自身が高い人気を誇っているのに加え、上条さんと絡むと美琴がとたんに可愛くところがアニメファンに受ける訳です。正直今回の話に上条さんなんて必要なく、アニメ超電磁砲のコンセプトを守るためなら出さない方が正解なんですが、まぁこの辺は文句を言うところではない。素直に美琴の可愛さを楽しみましょう。
というか美琴が空飛んでマジびっくりしたw
まぁ磁力で壁に張り付く事が出来るのだから、磁力で反発させて空飛ぶ事は確かに可能ですけどね。映像として見るとビックリするぜ。空飛ぶというよりは、どちらかというと浮遊しているという感じになるのかな?
ともあれ、大満足の内容でした。もし二期があるなら全力で楽しみにしたい。
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