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機動戦士ガンダムAGE

機動戦士ガンダムAGE グルーデック艦長を擁護してみる(第9話)

僕もそんなにいい出来だとは思っていないガンダムエイジですが、あまりにも酷い言われようなので、グルーデック艦長を擁護します。エイジスタッフを擁護する訳ではないです。

 
 
批判のし方
実際にグルーデックの話に入る前に、あまりにも酷い感想記事の書き方に少し喝を入れます。

9話「秘密のモビルスーツ」の感想記事を書いているブログをいくつか回らせていただきましたが、半分くらいはただ作品を馬鹿にするだけで、視聴者としてのモラルに欠けていると感じました。ブログは2chじゃないでしょうに。

例を挙げますと、グルーデックがUEの本拠地を叩くと言い出した件について、「戦力ないだろ」というツッコミをしているであろう記事がありました。素直に「UEに対抗出来る戦力が二機しかないのに突撃に踏み切る描写はおかしい」と批判すればいいのに、グルーデックは考えなしの馬鹿だ、という書き方をしていました。
これは批判でも文句でもなく、ただの嘲り。作り手が見た時、批判であれば真摯に聞き入れる姿勢も作れるでしょうが、こう馬鹿にされるとはらわたが煮えるだけです。ファンが読んだ時にいちじるしく気分を害すのは言うまでもありません。ファンでも何でもない、むしろ珍しく文句をたくさんつけている僕が読んでもイライラしました。

馬鹿にする書き方は何も生みません。馬鹿にするという事は、つまりは面白い作品を見たいという事でしょ? しっかりした批判を書けば、スタッフは反省を活かして次に面白いものを作るかも知れません。生産的な批判を書きましょう。

グルーデックが告白したシーンの批判ポイント
「ディーバはUEの本拠地を叩く」と言ったシーンにあれやこれやと文句がつけられていましたが、半分くらいはただのやっかみです。
僕も自分の感想記事でこのシーンにツッコミを入れたので、紹介します。

このシーンのプロットは、「グルーデックがUEへの反撃を宣言し、フリットたちが擁護し、クルーが(一人を除いて)一つになる」というものでした。
クルーを説得するのにグルーデックの恨みを使う、というのはいい手です。私怨じゃねぇかと突っ込まれていましたが、この時点でそう突っ込むのは早計。人を動かす感情は善意などの美しいものだけじゃありませんから。

しかし、恨みというマイナス感情を使う際、本人側から言わせてはいけません。こういうのはアクシデント的にクルーにバレるのがセオリー。
今回はグルーデックが直接言った訳じゃないですが、最初からグルーデックにある程度同調しているフリットやエミリーが言ってしまっています。
まぁ、フリットたちが言ってしまうのはまだいいのですが、その場合は、アクシデントを演出するためにグルーデックに「余計な事を……」くらいの一言をしゃべらせるべきでした。

グルーデックの私怨にクルー達が続々とつき従うのはおかしいか
ここからグルーデックの擁護です。

このシーンに対し、「グルーデックの私怨のためにクルーたちがあっさり同調するのは説得力がない」という批判や嘲りがたくさん加えられました。
しかし、本当におかしいでしょうか。描写を一つひとつ見ながら検証します。

まずはそもそも、グルーデックが私怨で動いているのか。これは違います。家族を殺された恨みからUEに復讐したいと考えているのは事実ですが、これは動機を加速させているだけで、動機そのものではありません。
グルーデックは「こうやって人々を苦しめるUEを放っておく事は出来ない」という事を言っています。こちらが動機でしょう。その証拠に、「造反したくない者は船を下りて構わない」と言っています。「結局はつき従うように強制する言い方だ」という批判がありそうですが、それは今回では大多数がつき従ったため、結果論です。この事についてさらなる考証を入れる事も出来ますが、長くなるので割愛します。

そしてさらにそもそも、私怨で動いてはいけないのでしょうか。大切な家族を殺されたのだから、復讐したいと考えるのはまぁ当然の心理ですし、グルーデックがその事を告白して、「手伝ってやりたい」と思うのも不思議ではありません。加えて、グルーデックはただの艦長のなりすましではなく、クルーに信頼される働きをしている(コロニー崩壊時しかり、その後の戦闘しかり)。クルーもUEは潰したいと思っていますから、UEを倒す強い意志を持っていて実力もあるグルーデックに同調する流れは何もおかしくありません。

ディーバクルーはただの造反集団か
犯罪者にあっさりつき従って犯罪者集団になってしまった、というツッコミもありました。果たしてそうでしょうか。同じように検証します。

まず、グルーデックが犯罪に手を染めた理由について。まさか彼も、罪を犯したくて犯した訳ではありません。今の連邦軍は無能であり、戦力として使う事が出来ないから、こういった手段に頼ったのです。

そうなると、本当に連邦が無能であるのかが描写されていなければなりません。
そして、その点もクリアです。ファーデーンでザラムとエウバが争い続けているのにそれを鎮圧しようともしていない点から明らかです。加えて、UEのMSがあまりにもあっさりファーデーン内に侵入出来ている点について僕は前から疑問に思っていたのですが、これはエデンの民?なる集団がファーデーンの連邦軍を押さえてしまっているからでしょう。これならUEも侵入し放題です。エデンの民?とUEがつながっている事を知っているのは視聴者側だけですが、ディーバから見ても、何度もUEの侵入を許す連邦を信用する訳にはいかないでしょう。

この事はグルーデックだけではなく、クルー全員が考えている事でしょうから、ブラックな手法ながらも戦力を揃え、確固たる意志でUEを撃破しようとするグルーデックにクルーが従うのを「犯罪者集団」と揶揄する事は出来ません。UEを叩く事に関しては、各地を火の海に変えているので、議論する余地は今のところないでしょう。UE側の視点がないのが気になりますが、これは今後描かれる可能性があります。
このように、流れとしてはちゃんと出来ていますので、「目的のために手段を正当化していいのか」という批判も今のところ通りません。作中でそういうテーマは扱っていないですし、UEは今のところ絶対倒さねばならない敵ですから、造反してでも倒す必要があるでしょう。

ここで残念なのは、グルーデックが連邦を無能だと考えている描写があるのはいいのですが、クルーの方の描写がない事です。状況から見てクルーも連邦を信用していないのは明らかなのですが、その描写がないと説得力が生まれません。

また、戦力が整っている描写がない事も問題です。ザラム艦二隻、エウバ艦二隻を仲間につけたのはいいのですが、今のところ彼らが使えるとはとても思えないからです。心を入れ替えて共同戦線を張ったあとも、UEのMSにまったく歯が立っていませんから。まぁ、艦上からの砲撃ならば先制攻撃くらいにはなるでしょうが、今のところの描写では戦力は実質ガンダムとGエグゼスの二機のみです。

フリットとグルーデックの戦う理由は不当か
「結局は私怨で動いてるじゃねぇか、ザラム編なんだったんだよ」というツッコミがありました。

ザラム編で描いたのは、過去の事に囚われて不毛な争いを続けるのはよくない、という事でした。
ザラムとエウバは過去の戦争を引きずり、未だに縄張り争いを続けていました。この事にフリットが文句をつけたのは、この争いにより今も人々が苦しめられているからです。同じコロニーに住むもの達同士、手を取り合っていけばいいのに、自分達とは関係ない先人達の戦いを続けて何の意味があるのかと。

それに対して、ドンはフリットが家族を殺されたからUEを恨んでいる事を引き合いに出して、お前さんも過去を引きずっているじゃないか、と言っています。しかしフリットは、家族を殺された以上に今もなお多くの人がUEの脅威にさらされている事を案じ、UEを倒すべき、と思っています。UEと何の意思疎通も取れない以上、被害を増やすなら止めないといけません。フリットの戦う理由は「私怨<今」なのです。また、グルーデックも同じでしょう。その証拠に、フリットをただの子どもじゃなく一人の人間として扱っていますし、ドンがフリットに文句を言った時に「フリットとお前らを一緒にするな」と独り言を言っています。コロニーからの脱出ミッションなどではしっかり働くくせに黒い動きも見せていて真意が見えませんでしたが、誰に聞かせた訳でもないこの独り言は彼の本当の気持ちが出ているでしょう。

クルーを説得するシーンでは、どうも恨みの部分を強調してしまっていて(一応「今UEを止めないと被害が広がる」という事も言っていますが)、視聴者には悪い印象を与える結果になっていますね。この辺は批判ポイントと言えそうです。
しかし、家族を殺されている恨みがあるからこそ、自分達と同じ気持ちになる人達が増えるのを案ずる事が出来ます。二人の戦う理由としては、十分説得力があると思うのですが、どうでしょうか。
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