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禁書目録原作

『新約とある魔術の禁書目録3』/鎌池和馬 感想!

口絵をパラッと開いて、思わず「サーニャ」って呼んでしまったのは内緒。記事内にネタバレあり

 
 
今回はF.C.Eの演出の都合により、今までとはだいぶ違う雰囲気になりましたね。
あとがきにも書いてあったけど、こんな強引な演出が出来るのはファンが買い支えているからでしょう。デビューしたての新人作家が「こんな演出していいですか?」って言ったら担当さんに折檻されるに違いない。

つまり何が言いたいのかというと、僕は今回のカメラ演出、はっきり言って失敗だと思っているw

どういう事かというと、一番の理由はかまちーがこういう特殊演出を見事にかじ取り出来る文章力を持っていないから。
どこからどう見ても、自ら敷いた演出に引っ張られて文章が残念な事になっています。具体的に言うとセリフがやたら多い。いや、セリフ量はいつもの通りだ。多少ヘヴィーオブジェクトの説明しい文章に引っ張られてセリフ量ちょっと増えてるけど、まぁ誤差の範囲内。
地の文が減ってるんですね。明らかに。最初の方は意図的に減らしているのかとも思ったけど、どうも不自然に減りすぎてる。

それによりいろいろ弊害出てるけど、一番の問題は、セリフが誰のものかが分からなくなってるw
禁書はセリフ自体に特徴づけをして、地の文で説明しなくても誰がしゃべったか分かるようにはなっているけど、それでも最低限の説明は必要。それがなくなった今回は、いくつかの場面で本気で誰がしゃべっているのかが分からなくなっていました。
主に上条と浜面が一緒にいる時。この二人セリフの特徴ないから本当に判別がつきません。ついでに大統領も、ガールとかミスターとか言う以外は普通の口調だから判別つきづらいし。

アクセラレータのセリフで一ヶ所「もちろン」とか無理矢理カタカナになってたところがあって吹いたけどね。
「あれ? これ誰がしゃべってんだ?」と思ったら「もちろン」ってあってアクセラレータって分かった。そんな小細工するくらいなら地の文で一言入れればいいのに。

……とまぁ、不満タイムはここまでにして、ここからはいつも通りにいくとしましょう。

上条当麻
今回のパーティでは一騎当千の怪物が四人くらいいるので実質活躍の場は少なかった上条さん。
彼を美琴とかと一緒にすると完全に一般人カテゴリーになってしまうんだね。おまけにグレムリンも上条さんに対しては魔術攻撃してこないし。状況に応じてパーティを分断するシナリオはそんな上条さん(及び浜面)を効果的に活躍させるためのいいシナリオ。

今回の上条さんの敵はサローニャさん。
ロシアの妖精さんですが可愛すぎて焦った。ビジュアルが。何アレほんとに可愛い! はいむらさんGJすぎる!
でも性格は全然可愛くなかったw

彼女の使う魔術はまぁシリーズ史上一番ややこしかったですね。一応全部読んだ今でも半分くらいしか理解出来てません。飛び地として自分のテリトリー作って、そこにいる植物と動物の関係を使って「植物の生殖を邪魔したら罰」という攻撃方法で……まぁいいやw
要となる苗を上条さんがひっつかむ事によって術式が解除される事さえ分かればいい気がする。
最後の戦いの時に何故銃を使わなかったん、という作劇上のミスはまぁ見逃すとして(ぇー

敵がこんな感じだから今回の上条さんの活躍に派手さはなかったね。
新約1巻で黒夜の最後の一撃を無効化した時とか、フィアンマを打ち破った時とかの派手さがなかった。
肉弾戦に関しては上条さんの方が圧倒的に格上だったのが理由かな。

まぁ、今回はグレムリン側から仕掛けた戦闘。上条さんの右手を警戒している以上、こっちから攻勢に出ない限り上条さんに関しては派手な戦闘は見られないでしょう。
その辺は、まだ3巻だからいいとして……まぁ、実質27巻ですが……

上条さんがダークサイドに堕ち始めている……!
やばい! これはやばい!
いや、ダークサイドと言うには少し違うけど、まずい精神状態になっちゃった!
これまでも上条さんが何かしらに思い悩む描写はあったけど、このレベルまで来てしまったか。こりゃあ「新約」は、ナンバリングを一新して主人公三人を一ヶ所に集めただけじゃなくて、作劇の仕方も変えてきてるなぁ。問題を上条さん自身にまで向けてきた。
まぁ、上条さんが「イマジンブレイカーの事を知りたい」と言っている(己の事を知りたい)以上、こういう描写が出てくるのは当然とも言えるけど。

問題なのは、せっかく上条さんの隣に居座っている美琴センセーを次巻くらいには置いてけぼりにしそうなところ(ぇー
これ以上美琴の出番を奪う事は上条さんにだって許されないのだ。……いや、まぁそう簡単に出番減らないだろうけどさ。

アクセラレータ
今回はサポート的な活躍に収まってしまいましたね。というか今回は活躍する人数が多くて一人ひとりの尺が短い。少しくらいメインメンバーを絞ってもいいと思うの。

今回はあまり、アクセラレータ的圧倒もなかったなぁ。いや、行く先々で雑魚を蹴散らしまくってたんだけど、雑魚しか蹴散らしていないというw
今回の主な敵はサローニャにサンドリヨンの二人。対する主人公パーティは七人。サローニャは上条さん、サンドリヨンはバードウェイ、となると他メンバーには雑魚しか回ってこないわな。

バードウェイが奇襲された時も、僕はてっきりアクセラレータがスーパーヒーローしちゃったのかと思ったのだけど、しばらく反応出来てませんでしたね。バードウェイ自身が油断していたというのもあるかもだけど、今回アクセラレータはいいところがあまりなし。
というか一回派手にやられたし。わざと魔術を使わされるとか、対アクセラレータとしては効果的すぎるからアクセラレータを責める事も出来ないw

さて、今後の展開についてだけど、上条さんはひとまず美琴をどこかで振り切っちゃうよね。美琴は当然探すだろうけど、その間上条さんは一人。

そこで上条さんの隣にはアクセラレータがいる、なんて腐女子大興奮な展開にならないかなぁ、なんて思ってます。
脈絡ないのであり得ないかもだけど、せっかく新約になって主人公三人にパーティ組ませたんだ。すぐに解散ってのは勿体なさすぎるし、学園都市の危機(ってほどでもないかもだけど)とあらばアクセラレータだって黙ってはいないはず。

上「ついてくんなっつたろ!」
ア「目的地が同じなンだよ」
上「これは俺一人でケリをつける」
ア「オマエ一人でどうにか出来ると思ってンのか、ぁア?」
浜「(どうしよう俺場違い)」

ないか。
ないよなぁ……

よくよく考えたら、上条さんとアクセラレータが一緒にいたら上条さんの出番がなさすぎる。
パーティは分断した方がいいのかもね。
上条さんとアクセラレータが仲良くしてる未来を妄想して鼻血が止まらない僕としては悩ましいところだけど、まぁシリーズはまだまだ続くだろうし、長い目で待つ事にしよう。

浜面仕上
今回はっきり思った。浜面と滝壺を離してはいけない……!

いや、今回も素晴らしいガジェット使いっぷりで(主にアッシーとして)活躍してたけど、周りが優秀すぎるから上条さん同様かすんじゃうんだよね、どうしても。
浜面は本気で別行動の方がいい。
いや、上条さんと一緒ならまだ問題ないか。まぁそうだとしても、やはり滝壺の存在が重要だ。

メインヒロイン三人が非戦闘員ってのが一番の問題だけど、滝壺は「遠ざけて守る」ヒロインじゃなくて「一緒にいて力を発揮する」ヒロインだと思うの。
だって、滝壺を守るために奮闘した19巻の浜面を思い出してみろよ。おしっこ漏れるくらいかっこよかっただろ? ああいう浜面を見たいんだ!

まぁ、あれだけじゃあ長いシリーズで浜面を上手く使えないから、今回あえてパーティに組み込んだんだろうけどね。
新約っていうくらいだし、上条さんともども、新たな可能性を模索してもいいと思うんだ。いつまでも運ちゃんじゃあ浜面可哀想。

御坂美琴
美琴って四人目の主人公だと思う。
なんというか、ヒロインってよりはヒーロー扱いされている気がする。

やぁまぁヒロインなんだけど、インデックス、ラストオーダー、滝壺ってみんな非戦闘員じゃん?
実際は戦う事も出来るけど、基本的には守られる側。美琴は守られるガラじゃないというか、上条さんと共に闘う側。まぁ、バードウェイが空港で大爆発起こした時は上条さんが美琴守ってたけど。
上条さんのヒロインとしてのゴールはまずインデックスだろうから、じゃあ美琴はヒーローにしちゃえ!みたいな。レベル5だし。

という訳で、活躍の質的にはアクセラレータと同じ感じでしたね。
雑魚の始末担当。おまけに美琴はバードウェイについてきたってよりは上条さんについてきてるので、なし崩し的に魔術に関わった感じで、若干まだ蚊帳の外な雰囲気もあったり。
輸送機でのアクロバットすぎる活躍は超人すぎて口あんぐりでしたが。足引っかけるのはいいとして、片手で約90kgを中空で持ち続けるって一体どんな筋力やねん。

気になるのは、アクセラレータとどうオトシマエをつけるのかという点でしたが……
軽口放り合うだけで終わったw まぁ、こんなものだとは思っていましたけどね。上条さんがアクセラレータを警戒していない時点で、アクセラレータが再びシスターズの脅威になるとは思えないから、美琴視点で見ても今さら糾弾する事でもないとは思うのだけど、もう少し腰を据えての話し合いがあってもよかったね。
今回はこれを代表して、日常会話パートがあまりにも少なすぎた。ハワイ到着からは常に電撃戦のような展開だったけど、もう少し何かあってもよかった。

アクセラレータの言い分は、これはゲーム版のアクセラレータルートにもあったやつだね。
まぁいいか。まったく何もない訳じゃなかったし。

番外個体
この子はブレなさすぎて安心する。
でもアクセラレータとの絡みがもっと欲しかったなぁ。美琴や黒夜いじってくれるのもいいけど、口悪い同士のやり取りが見たい。

あと上条さんへの警戒心はどこへ。今回、分断中に二人が同じパーティにいる事はなかったけど、何かあってもいいよね。まぁこれに関しては先に何かありそうだけども。

黒夜海鳥
サローニャもそうだけど、なんだかそのまま上条勢力に加算されそうなw
「そのまま学園都市に置いておきたくない」って理屈でハワイに連れて来てる理由は納得した。ワーストや美琴や上条さんがいる限り悪い事出来ないって状況も上手い。

なし崩し的に戦わされてたけど、なんかそのまま懐柔されそうだ。それはそれで面白い。

レイヴィニア=バードウェイ
いやー、冒頭で「地の文が減った!」って文句書いたけど、さらに今回はセリフの質も落ちていると感じているんだよね。
どういう事かというと、キャラの言っている事が理解出来ない。どういう事を意味しているのかが分からない。

という訳で、終章でかなりビックリはしたんだけど、結局バードウェイってなんなの?w
グレムリンではない……のかなぁ。何かいろいろ言ってたけど、結局判別出来なかった。一体どういう事になってるの。

という疑問がありはするけど、基本的にバードウェイかっこよかったぜ。
何アレ超強いんですけどw 空港での一幕は本当にビリビリきたぜ。タイプ的には、ステイルと同じ拠点戦術タイプかな。くるくる変化する武器を見る限り、ステイルよりは汎用性が高そうだ。
口絵見て「今回の敵はこいつか!」って思ってたサンドリヨンを序盤でいきなり撃破して焦ったよ。バードウェイ強い。ちょっと怖いw

初登場はステイルSSだったはずだけど、結局最後の方を読んでいないせいで内容がスッパリです。ステイルSS含めて、外伝をまとめたやつが出てたよね。あれも買わなきゃ。
それ言ったら、神裂SSも美琴SS2も読んでない。せっかくDVD買ってるのに。むぅ……

ロベルト=カッツェ
忘れてはいけない今回のゲストパーティ。
英国王室が出てきたと思ったら、今度はアメリカ大統領ときましたか。禁書ほんとワールドワイドになりましたなぁ。ウィーセーブワールドってなんじゃい。そういや4巻のエンゼルフォール時に黒子が大統領になってたけど、あの時すでにこの人だったんだろうな。あれから20巻以上経ってるけど、まだ数ヶ月しか経ってないんだもんなぁ……

しかし大変面白い人物だった。
日本に足りないのはこういう為政者なんだ! ……いや、日本でこんなのがいたら不味いか。
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