THE IDOLM@STER 第二十四話「夢」 感想!
これは泣いてもいいと思うんだ。
登場人物
酒原(さけはら): 誤植から生まれた謎の生物。主にツッコミ役を担当する。どこかのあとがきに生息するアイツに似ているとの噂だが気のせいである。「パクリじゃなくてオマージュだよ!(本人談)」
神酒原(みきはら): このブログの書き手。小学生の頃の夢は「宇宙博士」で、将来は宇宙の事をいろいろ研究したいと思っていた。人間なんて米粒にも満たない広大な宇宙の世界に魅せられていたのだろう。そのおかげか、文系人間に育ちはしたが何故か地学だけは成績がよかった。
神酒原 「アイマスは何回神回を叩き込めば気が済むのぉぉぉぉぉぉぉ!」
酒原 「二十五回かな」
神酒原 「そんなにないかな」
酒原 「おいテメェ」
神酒原 「でもここ最近は神回ばかりだ。そして常に最新話が前回を上回っている。最高だ! これぞエンターテインメントだ!」
酒原 「最近のお前はそればかりだからな。説得力あまりないから具体的にいろいろ話せ」
神酒原 「言われるまでもないよワトソンくん!」
酒原 「助手になった覚えはないわ!」
神酒原 「アイマスは注目度高いし、いろんなブロガーさんたちがいろんな事語るだろうからね。僕は要点を絞るよ。今回は二点だ」
酒原 「お? 今回もいろいろあったのに、二点にまで絞るか。サマライズのやり方を身につけてきたようだな」
神酒原 「サマライズなんて僕の最強苦手分野だからね。ここで克服するよ」
酒原 「さて、まずは一点目。どこだ?」
神酒原 「まずはシナリオだね。シナリオっつっても、今回見所はいっぱいあった訳だけど、僕は登場人物たちのベクトルに注目したい」
酒原 「さて意味が分からないぞ。自分言葉使ってないでちゃんと解説しろ」
神酒原 「もちろん。前回の時点では、「春香」が描かれていたんだよね。個々の仕事も大事だが、みんなとの仕事も大事にしたい。でもクリスマスの時のように都合よくはいかない。そうした苦悩を徹底的に描いて、最後はプロデューサーが春香をかばって奈落に落ちる、という駄目押しだ」
酒原 「だったな。お前自身も、「今までは全員だったが、最後になって主人公の春香に話が収束してきた」と言って褒めていた」
神酒原 「ああ。実際その通りだったし、今も前回を褒める気持ちは変わっていないけど、少し違ったんだ!」
酒原 「違った?」
神酒原 「ああ。話は春香に収束していたけど、春香「だけ」に収束していたんじゃない。765プロの全員、一人ひとりに収束していってたんだ」
酒原 「まだ分からないぞ」
神酒原 「つまりだ。春香は前回、「みんなとの時間」を優先したいあまり、ドツボにはまっていった。春香にとっての命題は、「みんなとの仕事も大事だが、それに引っ張られてそれぞれの仕事に集中出来ないようでは駄目だし、その事を受け入れた上で、前に進むべき」というものだ。なかば、春香のスタンスが悪い、という描き方でもあった」
酒原 「ほむほむ」
神酒原 「しかし今回、千早がファインプレーを見せてくれた。春香だけじゃない、みんなも分かっていなかったんだよ。みんなは春香とは逆で、「それぞれの仕事」を優先しすぎていた」
酒原 「なるほど。みんなは、春香が必死に招集をかけていたのは、単に練習しなければ、というものだと思っていたそうだしな」
神酒原 「そう。春香の気持ちにまでは考えが回っていなかったんだ。もちろん気にかけてはいただろうけど、もう一歩足りなかった。いや、今までの一歩では足りない距離まで、みんなが来てしまっていたんだ。さらに大きな一歩が必要だった」
酒原 「ほむ。つまり、その大きな一歩をすでに持っていた千早は、結局春香に背中を押されたけど海外行きを一度諦め、一歩では戻れないところまで進みかけていた美希は、帰るべき場所にいつでも帰れる距離を保つため、新番組の単独MCを断った」
神酒原 「そうそう。ほどほどがいい、という事じゃない。それぞれの仕事もみんなとの仕事も、等しく全力で。そういう気持ちがあれば、なんだって出来るんだ。そしてベクトルの話に戻るけど、つまり、この2話は「春香がみんなのところに戻る」でも「みんなが春香のところに行く」でもなく、「少し離れてしまってたみんなが、中心に戻っていく」話だったんだ。全員が動いている。その証拠として、みんなが春香を迎え入れる場所に選んだのが765プロ事務所。……とんでもないシナリオだ。シリーズ構成の錦織監督に待田堂子、そして今回の脚本の土屋理敬に感服だよ」
酒原 「なるほど分かった。よし、サマライズするならすぐ次にいくぞ。二点目はなんだ?」
神酒原 「ズバリ、映像演出。僕は叫ぼう。高雄統子サイコォォォォォォォォ!!」
酒原 「シュージィィィィィィィン!」
神酒原 「その返しは違うと思う」
酒原 「そうか」
神酒原 「アイマスのシリーズ演出の高雄統子、今までもとんでもない絵作りを連発してきたすげぇコンテマンだけど、今回の演出は並外れている。今まで高雄統子の最強演出回は『CLANNAD』の未放送番外編「もうひとつの世界 智代編」だと思っていたんだけど、今回で塗り替えられた。この人ほんとすごい。京アニを飛び出してなお進化を続ける。ヤマカンとは大違い」
酒原 「最後いらなくないか」
神酒原 「僕は京アニ抜けてからのヤマカンの演出方針転換があまり気に入っていないからね。強がらずに自分色出せばよかったのに」
酒原 「彼は自分を無色だと思っているそうだが」
神酒原 「いや、今はヤマカンの話じゃない。高雄統子だよ」
酒原 「そうだそうだ。お前が高雄統子大好きすぎる事はよく分かったが、具体的に言ってくれないとだいたいの読者は「はぁ……」くらいの反応しかしないぞ」
神酒原 「望むところだ。さすがに全ての演出を解説するキャパシティなんてないので本当に要点だけになってしまうけどね。一つはやはり、キャラの演技、特にポージングだ」
酒原 「これはお前が常々言っている点だな。高雄統子の演出はポージングが最大の魅力」
神酒原 「ああ。今回も遺憾なく発揮されていた。例えば、電車で春香がメールを見ているシーン。うつむいているというか、膝に顔をつけているというか、ともかくうなだれているイメージの演技を春香にさせていた。顔をケータイにぐんと近づけている点もポイントだ。こういう絵作りはなかなか見られない」
酒原 「確かに。効果的だし、ビビッとくるな」
神酒原 「ポージング以外でも、さりげない演技のさせ方が他とは段違い。彼女の映像にどっぷり浸かるとびっくりするくらい気持ちいいんだ」
酒原 「一つって言ったな。他にもあるのか?」
神酒原 「あるぜ。今回は「舞台演出」を意識した演出が目立った。今回の演出は、むしろこっちが肝だな」
酒原 「アバンだと分かりやすいな。小さい頃の春香と今の春香が舞台上でシンクロしていた」
神酒原 「分かりやすいのはそこだね。他にも、小さい子たちが765プロの仲間たちに見えたり、いないはずの小さい春香が春香を先導したり、みんなで歌って踊って輝いていた頃の春香が今の春香にキャラメルを渡したり。実際にはあり得ない現象だけど、わざと現実から外れる演出を盛り込む事により、演出的説得力を増す。アニメならではの表現で、そしてその表現を今回はこれでもかと活用していた。脚本の時点でこういう映像は想定していただろうけど、高雄統子は120点の演出を叩き出してきたよ。セリフと映像をわざとずらしたり、映像も短いタイムラインであちこちに飛んだりと、時間の組み方も圧倒的だった。この辺は京アニ的とも言えそう」
酒原 「作画に支えられたところも大きいと思うが」
神酒原 「もちろんだ。ハイクオリティな作画がなければ、演出もここまで活きる事はなかった。このレベルの作画はなかなか見られない。僕はもう幸せだよ」
酒原 「なるほど。以上の二点な訳だ」
神酒原 「ああ。今回僕が特に言いたいのは、以上の二点だ」
酒原 「ではこの辺で記事を終わるとしよう。最後に一言どうぞ」
神酒原 「次の最終回はライブ! 恐らく錦織監督がコンテを切る! 最高のライブを楽しむぜ!」
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