Another #1「Rough sketch -素描-」 感想!
もうひとつ。
感想
ネームバリュー……というか、制作スタッフを見て期待度の指針を振り切らせて視聴に至りました。水島務の前々作『BLOOD C』は見ていないですが、水島務大好きだし、何より制作がP.A.WORKSというのがもうね。期待しちゃいますよね。
そして早速魅せてくれました!
背景美術の圧倒的素晴らしさ!
これだけでもうお腹いっぱいになりましたよ。『花咲くいろは』でも綺麗すぎる背景美術に魅せられて、一度はBDを買う決心をつけたほどでした。しかしお金が用意出来ずに断念。僕には禁書目録IIをマラソンするだけで精一杯だったんです……
この『Another』も、花いろに負けずとも劣らない美麗さで、もう画面に夢中です。
しかも花いろと違って、ただ綺麗なだけじゃなくて退廃感まですごい。アバンは男女二人の会話で進行しましたが、その間に挟まれる絵一枚一枚に興奮しまくりです。言ってる事はこちらの肝を冷やしにかかっているのですけどねw
アバンの内容は、どういう事でしょうか。彼らが話題に挙げていた「ミサキ」は、今作のヒロインの見崎鳴の事かな?
同じ名前のキャラが都合よくいるとも思えないので、たぶんそうでしょう。あのアバンは物語の結末を示唆する内容と見ていいでしょうね。26年前って言ってたけど、それが今作の舞台である時代から26年前なのか、それとも今作の26年後に話しているのか……って、そう考えたら前者だよなぁ。ミサキって誰じゃ。
ミステリー&ホラーという事で、似合いもしないのにあれこれ考えてしまいましたw
鳴はどういう子なんでしょうね。恒一が病院で出会った時は「半身が」どうたらこうたら言いながら、霊安室に向かうというめちゃくちゃ怪しい行動を取っていました。普通に考えれば見崎鳴はすでに死んでいて、今目の前にいるのは幽霊である……となるんでしょうが、普通に考えて正解に辿り着くような描写は1話には入れないよねぇ。大穴で、実は霊安室ではなくてボイラー室に向かっていたとか。ないかw
まぁ、僕はこの手の謎解きはすげぇ苦手なので、あまり考えずに答え合わせを待つとします。たまに一生懸命考えたりもするのだけど、考えれば考えるほど正解から遠ざかるというケースが多いものでw
というかね、怖い演出がとてつもなく面白い!
実際に怖いかと言われると、実はまだそんなに怖い話になってないので言うほど怖くないのですが、不安と恐怖を煽る演出が見事すぎるほどにキマっていて最強にブルブル震えました。怖くて震えたんじゃなくて、面白くて震えたw
まず挙げられるのは音響ですよね。
効果的に配置された音楽と、非効率的に配置された音楽とが混ざり合ってとんでもないノイズになっています。すげぇと思ったのはクラスの代表三人がお見舞いに来たシーン、ここはコンテの力も大きいのだけど、越してきてすぐ入院してしまった転入生のためにお見舞いに来るという心温まるはずのシーンなのに、何故かBGMはおどろおどろしい。心はまったく温まりません。考えるまでもなくこれはおかしな演出で、本来はあり得ない音響なのですよね。しかし、字面だけ見たら心温まるシーンを音楽の力でまったく不安しか残らないシーンに仕立て上げた、ギャップ(落差)の激しい面白いシーンです。
病室に入ってくる描写を入れず、突然壁際に行儀よく並んでいる三人の図や、単調すぎる喋り口、不穏すぎる会話内容も際立っていますね。脚本もコンテも音響も素晴らしく、最高のケミストリーを起こしたシーンでした。
初めて鳴と出会った時や、屋上での鳴との会話では定石通りのBGMを流していました。この定石通りもまた気持ちよくて、いや、聞いてたらむしろ気持ち悪くなるのですが、とにかくすごい。ここは音楽自体がいいのもありますね。
そしてコンテ。
今回は監督である水島務がコンテ・演出を務めていましたが(←ダジャレではない)、フィックスをここまで非効率的に使った演出が過去あっただろうか!
フィックスとはカメラ固定の事で、長時間同じ場面を映してその中であれやこれやと描写を入れ込む演出です。京アニの木上益治(三好一郎)、京アニ時代のヤマカン、あおきえい、吉岡忍などが多用する演出ですね。押井守も、よく使うかは知りませんが使っていました。
この演出は画面の中でどうキャラに演技をさせるか、カメラの切り替えがない中でどう効果的に画面を動かすかが肝になる……はずなのですが、水島務はフィックスした上で特に何もしなかった!
上述の三人が見舞いに来るシーン、それから屋上での会話シーンなどでフィックスが使われていましたが、ほとんど動いていないのですよね。びっくりするほど止まっています。ときどき、脚本上必要最低限の動きをするくらいで、フィックスをまったく活用していません。いや、活用する気がないのでしょう。その必要最低限の動きだって、脚本のト書き(脚本上で指定するキャラの動き)で書いてあるもののはずで、コンテで新たに指定した動きは皆無と言っていいのでは。
コンテで特に動きを指定する事がない時、画面のマンネリを避けるために普通はカメラを切り替えるものです。しゃべっているキャラの顔を移す、とかね。
しかし今回はそういった「普通はこうやる」というものを根底から覆すフィックス演出でした。これがもうたまらなく素晴らしかった!
画面が必要以上に動かないので、不気味なのですよね。この不気味感がたまらない! メリハリのメリの部分しかありません。むしろハリをBGMで補っているくらいです。ああもうなんて作品を作りやがったんだ!
フィックスだけではなく、画面をせわしなく切り替えるシーンもあったりして、注目すべき演出を語ろうとするととても語り切れない。
……ふう。興奮してしまったようだ。本来は肝を冷やしながら見るアニメだというのにw
ストーリー上の事は、まぁまだなんとも言えませんよね。すげぇ面白そうなので超期待です。
ところで僕は目が隠れている女の子が好きです。アニメでそういう子が出てくる時はたいてい髪の毛が片方にかかっている事が多いですね。
という訳で見崎鳴、眼帯ヒロインなのですげぇ期待してたんですが、内容怖いのでちっとも萌えなかったw
今にも死にそうな顔も(もう死んでるかもだけど)、見方を変えれば儚げで萌え要素に転換できそうなものですが、今のところそんな余裕はないです。萌えたいなー。いや、ホラー&ミステリーで萌えるってのもどうかと思うけど、あのミニスカはちょっとエロいんだよなぁ。
眼帯ヒロインと言えば、京アニでアニメ化が決まっている『中二病でも恋がしたい!』……、って、一般流通してないから一体何人が読んでいるのやらw
参考までに。
『Another』のタイトルの意味
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