ギルティクラウン phase16「王国 -tyrant-」 キャプ付き感想!
追い詰めるアンチボディズ、追いつめられる集。
差別か区別か
どちらなんだと問われたら、これは区別だと僕は思います。
というのも、14話で谷尋がヴォイドランク制を言い出した時点で、僕はヴォイドランク制それ自体はいい考えだと思っていました。
個々人に優先順位をつける事で、団体の生き残る確率は飛躍的に上昇するからです。ランクの高い者は前線に立たせ、低い者は下働きをさせる。そうする事で団体は組織としてきちんと回るようになる。
ヴォイドは明確にその強さが分かりますから、ランク制が本当にうってつけです。
前回「王になる」と宣言した集はヴォイドランク制を敷きました。今回、実際に現状が描かれましたが、確かにちゃんと機能しています。
APウィルスを発症した者を働かせるという、一見非道な行いも見られましたが、これも現状ワクチンが足りないのですから、当然の帰結と言えます。足りないのなら、優秀な者に優先してワクチンを配る。低ランクの彼らにも、別に与えないという訳ではなく、ノルマを達成すれば与えるのですから、一概に差別とは言えません。
だから、差別か区別かで言うのなら、区別。
しかしまぁ、14話の時点でも感想記事で書きましたが、このヴォイドランク制が本当の意味できちんと機能するのは軍隊などの組織。ただの生徒の集まりでしかない学校でこんな事やっても、不満がつのるだけ。
実際、反発もありましたね。
差別じゃなくて区別だったらいい、という事ではありません。
今回ヴォイドに関する新たな危険も見付かり、上手く回っているように見えて、いつでも瓦解しそうな集の体制。どうなるのでしょうね。
集の気持ち
今回いのりに向けて、集の心情が吐露されました。
本当に心から、王として君臨するつもりではないようです。少しでも多くの人を助けるには、ヴォイドランク制を敷いて王として君臨するしかない。
ハレが死んだ事で辿り着いた集の結論はこれでしたか。きちんと統制を敷かないと、またハレのような死人が出てしまう。そうなってしまうと、ハレの死から何も学ばなかった事になる。
実際その通りだし、集もハレの死を一応ちゃんと受け止め、実際にそれで少しでも多くの人が助かる体制にはなっていると思うのですが……
悲しいです。集は本来、みんなと手を取り合って助け合って前に進んでいくタイプのリーダー。本来の自分を押し殺して王を演じる集は見ていられません。ときどき苦しい表情も見せていました。
「みんなには僕が横暴で、自分勝手に見えるだろうね」というセリフが印象的。
そのあと「辛いの?」と集を気遣ういのりもいい味出しています。
物語は拡散を続け、次回かその次くらいには収束が始まるはず。集が最終的にどうなるのか、本当に楽しみでなりません。
気になるカット
ギルクラ、パッケージがかなり売れているようで結構結構。
僕も買いたかったわぁ。新しいパソコンを買うために今は我慢や……
ちなみに、P4の脚本家が「あんな脚本で売れるとか……」みたいに文句言って問題になったようですが、パッケージが売れる理由って割と映像面が強いですよね。綺麗な映像を綺麗なBDで見たいからパッケージを買う、という人が多いんじゃないかと。僕もそうですし。
という訳でギルクラの映像美は16話でも健在。

何気に左のタイツの子が可愛い。モブのレベルが高いって素晴らしいですよね。13話の時が一番モブのレベルが高かったなぁ。

マフラー集さんかっけぇ。

いのりちゃんもお着替え。これは……いったいどういう服なんだ?w
とりあえず女王っぽい。ふつくしいです。
ここではアルゴに「集の言いなりか」と言われ、「私が選んだ」と答えています。たぶん、何があっても私だけは集の味方でいよう、と考えているのでしょう。前期OPの歌詞がまさにそんな感じでした。
まだまだ集自身についての描写が続くので、いのりちゃんの描写はなかなか増えません。

「ずいぶん簡単に人の心が分かるんだね」
酷いセリフですが、けっこう的を射ているセリフだと思いました。
これは割と僕も日常生活で感じているところで、「気持ちは分かるけど」とか言われても、本当に分かっているとは到底思えないのです。まぁそれで主に母とすれ違っている訳ですが、僕の話はどうでもいいか。
ともかく、ヴォイドゲノムの力で人の心の一端に触れてきた集ならではのセリフと言えます。このシーンの綾瀬は、集の事をなんにも分かっていなかった。今のところ、集に対して正しい態度を取っているのはいのりちゃんだけと言えます。

まぁそれでも、綾瀬が集の事をちゃんと気遣っていたのは間違いがない訳で。
悲しそうな表情です。せっかく気遣ったのに無下にされて傷ついてしまった感じでしょうか。
もしみんながいる前だったら、例え君がSランクだとしても処分しなくてはならなくなった、というセリフもめちゃくちゃ酷いですが、むしろこれは集が綾瀬の事をちゃんと仲間だと思っている証左になりそう。処分しなくて済んでよかった、と安心しているんでしょう。綾瀬にまったく伝わっていませんが。

何このふつくしい空間
よくわかんないけど美しいからいいや。

向き合って座るこの姿勢がいいですね。なんとなくこちらも安心してしまいます。
このままちゅーでもしてしまえよー!とか思っていたのですが、なんといのりちゃんの口から「いいの?私で」という楽しそうなセリフが。なるほどこれは、マナがまだいのりちゃんの中に生きているという事なんですね。しぶといお方だ。

鉄骨が落ちてきて、女の子を助ける集。
このシーンから、集が本当にみんなの事を考えてやっているんだという事が伝わってきます。仲間は死なせない。颯太の事は、なかば見捨てようとしましたが……
鉄骨がヴォイドに当たってヴォイドが壊れ、女の子は一気にキャンサー化して死亡。ハレの死もこれが原因でしたか。キャンサー化はあくまでAPウィルスに感染した結果で、ヴォイドは全員が持っているものだから、その線はないと思っていたのですが。つまりあれかな、APウィルスは全員がそのうちに秘めているヴォイドを暴走させる作用がある、という事かな。んで、18歳以下はそのヴォイドを外に取り出す事が出来る、と。

えっ、ちょっ、アリサさん死んじゃったん!?
マジすか!?
生きててほしいところですが……
これはあれですよね、いのりちゃんがやったんじゃなくて、中にいるマナがやったんですよね。
そうなると、葬儀社狩りの時に男子生徒を殺したのもマナだった、という事になるのかな。
「いいの?私で」と言ったシーンで、いのりちゃんは自分の口から出た言葉を認識していないようでしたから、マナが乗っ取っている間の記憶は恐らくないでしょう。だから「誰にも会わなかった」と集に言っていた。
そうだとして、なんでアリサさんを殺そうとしたのかなぁ。マユゲの言っていた「マナの欠片を集めている」というのも気になりますし。
というか銃とか構えていませんでしたよね。どうやって攻撃したんだ。

まぁ、マナのクローンが作れたくらいですから、技術的には出来ますよね……
でも予想していなかったなぁ。
いのりちゃんがマナの記憶を持っている訳じゃない事を考えると、この涯はあの涯ではないのでしょう。どういう波乱をもたらすのか。
次回予告
見てきました。
サブタイは「革命 -exodus-」
exodusの意味が分からなかったので調べてみると、「集団大移動」と訳せるようです。
次回はレッドライン外へ脱出するために、ついに作戦に打って出るようです。次回予告でわざわざ作戦内容を説明してくれました。
まぁ、そうあっさり作戦が成功する訳はないでしょうけどね。
阿鼻叫喚の地獄絵図が想像出来て怖い。
革命というからには、何かしら革新的な事が起こるのでしょうが……
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