Another #06「Face to face -二人-」 キャプ付き感想!
この作品は私たちを殺す気や。
最強のギャップ
という訳で死にそうです。萌え死にってきっと存在するんだと思います。
いやね?
なかば分かっていた事なんですよ。今回がラブコメ展開になってしまう事なんて。ラブコメ展開にならずとも、多少なりともは鳴ちゃんを普通の女の子として可愛く描いてくるだろうって。
次回予告であんなの見せられたらね、誰だって予想しますよ。ええ。
しかしこれは、予想の遥か斜め上すぎです。見事に死角から入り込んできましたよ。迎撃準備なんて間に合いませんよ。脳天に直撃ですよ。
今までは徹底的にミステリアスな少女として描き、幽霊疑惑まで持たせ、視聴者をドキドキさせる一因を担っていたはずの鳴ちゃんが、そのからくりが判明したとたんどこにでもいるような、でもとてつもなく可愛い姿を見せてくれる事によって、その落差はすさまじい事になっています。
「ギャップ萌え」という言葉は、若干古いでしょうか。スラングの興亡は激しいです。
しかし、これをギャップ萌えと言わずしてなんと言う。最強のギャップ萌えですよ。
たぶんAnotherをアニメ化しようと言い出したのは角川の偉い人なのだろうけど(角川映画で実写映画化もするし)、わざわざラノベでもない本格派ミステリーをアニメ化しようとした意図がなんとなく分かりました。鳴ちゃんが可愛すぎるからだ。
原作既読者の感想記事を読んでも、「原作読んでいる時は見崎鳴の登場シーンが楽しみだった」という意見もあって、その存在感は前々からひしひしと感じていました。なるほどこの鳴ちゃんの可愛さは、偶然か意図的かは分かりませんが、アニメ向きです。橋本愛ちゃんには悪いけどきっと実写映画版はアニメ版に勝てない。
どんどん明らかになるが、その分さらに分からなくなる
鳴ちゃんの魅力についてはのちほど改めて触れるとして、ストーリーの方も少々。
前回から種明かしが進み、いろいろな情報が恒一にも視聴者にも開示されていきますが、肝心なところは綺麗にすっぽり隠されたままです。意図的に隠されているのが分かるので少々気持ち悪いですが、この気持ち悪さがミステリーの醍醐味。……だと思うw
本格的なミステリーにほとんど触れた事のない僕ですが、全ての謎が解明された時、この気持ち悪さが一気に解放されて、とてつもない気持ちよさに変換されるのでしょう。
Anotherもそんな結末を期待しています。バッドエンドの可能性もありますけどね。
さて、いろいろな事が分かりましたが、一番気になるのは「止める方法があるらしい」という事。
僕は前回、恒一を「いない者」にして「いない者」を二人に増やしても意味がないだろう、と書きました。
それは、すでに始まってしまっているのだから、今さら「いない者」の数を増やしたところで数合わせにはならないからです。誰も死なないために、増えた一人分を減らすために行うのが「いない者」制度。このおまじないが効力を発揮するのは、誰かが死ぬ前に一人を減らしているからでしょう。そうなると、今さら「いない者」を二人にしたところで数合わせは成り立たないので、呪い……いや、現象が止まるはずがないのです。
今のところ犠牲者(?)は4人ですから、さらに2人を「いない者」にすればあるいは、と思うんですけどね。
しかし、どうやら千曳先生曰く止まった年があり、そしてどうやらそれは怜子さんの年だったらしい。止める方法があるのなら、僕の↑の考えは少し弱い考えになりますね。
恒一がその方法を知りたがっているので(まぁ当然ですね)、とりあえずはその止まった原因を追及する事になるのでしょうが、例えばその方法が今年の場合でも実行可能だとしても、それは対処療法でしかないので、物語の落とし所にはならないでしょうね。
でも気になります。解決へのヒントになるのはまず間違いがないだろうから。
「記憶やデータが改竄される」という事のからくりも明らかになりました。
「刹那的虹色世界」の月詠さんが前回考察されていて、僕と同じ考えだったのでニヤリとしてしまったのですが、前回の時点ではこれは明らかにおかしな事でした。「死者は必ず紛れ込んでいて、しかしその死者は自分が死者だという事を自覚していない」「記録も記憶も全て改竄されているから誰も気付かない」という事象は、千曳先生や鳴ちゃんはもちろん、登場人物の誰しもが認識できるはずがないのです。
だって、この二つの情報は絶対に漏れようがないのですから。知らない事を人に伝える事はできません。誰も知らないはずの事を、何故鳴ちゃんが、そして千曳先生が知っているのか。
スタンドアローンのコンピュータから情報が漏れる事はあり得ない。しかしそれでも情報が漏れた場合、犯人は直接コンピュータに触れる身内にいる事になります。Anotherもそんな感じで、まだ僕たち視聴者に知らされていない第三者が情報の漏えいを行っているのだと、とりあえず前回の僕は考えていました。
今回明らかになったそのからくりは、「改竄されていた情報が、その年が終わるともとに戻る」というもの。なるほど、それだと確かに「あれはおかしな事だったのか」と認識する事ができ、しかしその当時は疑問を抱く事すらない。机と椅子が一つずつ足りない事を不思議がるしかない。
しかしまぁ、千曳先生も言っていたようにメカニズムまでは分かってないですね。あまりにも「考えられている」現象なので、まず誰かの意図が絡んでいる(自然発生の現象ではない)と思うのですが……
月詠さんはこの先まで考察しているだろうか。
気になるカット
今回は気になるどころの話ではないカット目白押しですけどね。

アバンのカット。そこそこの尺がありましたが、アバンは学校を映すカットとこれの2カットだけでした。
カメラを固定しているのでこれはフィックスという演出ですが、Anotherではこのようなフィックスの使い方が1話でもされていました。フィックスは本来、カメラを固定してその中でキャラの演技を細かく見せる演出。しかしAnotherの1話では、フィックスした上でキャラがほとんど動かないという、斬新すぎる演出をしてのけました。
僕はこの演出にいたく感動し、しかし1話以来なりを潜めてしまったので寂しかったのですが、今回はアバンに始まりこの演出が多用されました。という訳で「水島務監督の絵コンテか!?」と思ったのだけど、室井ふみえという方でした。作画上がりで演出経験はそんなにないよう?だけど、『ちゅーぶら!!』のEDのディレクターだったぜよ。おっぱいぽよよん。
ちなみに、「嫌です。と言ったらやめてもらえるんですか」と言っていたので、やはり嫌だったのですね。当たり前か。

ソファに座って話をしていたのに、何故か床へ移動する二人。意味が分かりませんが、たぶんこれは親密度が増した、という事を表しているのでしょう。ソファや椅子ならいいけど、他人の家の床に座ろうとはなかなか思えないものです。「接客」のパターンを外れ、二人の親密度が増している事を強調するために、二人を床に座らせたのでしょう。
それに、この段差の方がソファより低いので、足が曲がって鳴ちゃんがより女の子らしく映る。「床に移動」なんて不自然すぎる動きを文章で表現するとは思えないので、これは原作からあるものではなくてアニメオリジナルの演出でしょうね。室井ふみえグッジョブすぎる。

これも、アバンのフィックスに近い演出。首などが動いているので同種ではないですが、何回か繰り返しこのレイアウトに戻っているので、近い演出でしょう。アニメではしばしば、作画コストを抑えるために同じレイアウトを使い回したりしますが、このカットからは「わざと繰り返した」という感じが伝わってきます。
ちなみに、鳴ちゃんは自分の大事なところはわざとはぐらかしていますね。まだまだ恒一に全てを許してくれた訳ではないようです。

突然逆上がりをし出す鳴ちゃん。
この5話までで彼女が最も動いたシーンは前回お茶の缶を恒一に運んだシーンで、いきなり逆上がりというアグレッシブな動きを見せたので驚きました。
しかしいいくびれだ。思わず抱きしめたくなるな。

逆上がりを見事成功させたあと、「はぁ」とため息をつく鳴ちゃん。直前に「みんなと一緒になって誰かを無視するくらいなら、自分が切り離された方がいい」と言っているので、これは強がりですね。「自分が切り離された方がいい」というのは優しくて強い考え方ですが、その直後にため息をついていては世話ありません。逆上がりしたのも、辛いと感じている弱い自分を吹き飛ばしたいためだったのかも知れませんね。

この作品はよく、鳴ちゃんの顔を左から映しますね。眼帯で目が隠れているので、表情が綺麗に隠れる面白い構図になりますが、これを連発する事により鳴ちゃんの真意がなかなか見えないです。右から映していたら、何か分かるかも知れないのに、というシーンが多い。

そしてこのるんるん笑顔である。
死ぬのはどこまでも一人きり、生きていても一人きり、なんて言ったあとに「明日から同類だよね。よろしくね、榊原くん」と思わせぶりに言ったかと思いきや手を後ろに組んでステップ踏みながら帰るとか可愛すぎでしょう。

( Д ) ゜ ゜

だだだdだだだだれですかこの美少女!?

なんだ、僕はあの夏で待ってるを見ていたのか。
いやぁ本気で驚きましたよ。ともすれば、桜木さんが死んだ時より、水野さんが死んだ時より衝撃を受けました。突然違うアニメになるんだもの。
このシーンが終わったあとにふと思ったのが、BGM。突き抜けて明るいBGMが流れましたが、音楽作った大谷幸は不思議だっただろうなぁと。AnotherのBGMを作っているはずが、こんな明るい曲のBGMの依頼が来るとは思ってなかっただろうに。

アバンと同じフィックス演出が使われたところですね。屋上での二人の様子を映していたはずが、会話の後半はずっとこのカットでした。
いろいろな事を約束し合う二人が恋人同士にしか見えなくて「クソッ!クソッ!」状態ですが、二つ目くらいまでは気にならなかったものの、話すものはすべて「いつかね」。
「いつか」の話をここまでされると不安になってくるものです。視聴者としてはその「いつか」が来ないような気がしてきて。「いつか」じゃなくて、明日にでもそうする約束をしろよ、とやきもきしてしまいます。


クソッ!クソッ!

水遊びする鳴ちゃんが可愛すぎてどうにかなりそうです。その様子を後ろから眺める恒一、という構図も微笑ましくてたまらない。
学校にいてもしょうがないからってねぇ、二人してサボったりしてねぇ。ラブコメしすぎでしょう。恒一がかっこいいから許せるのであって、そうでなかったら「恒一そこ代われぇぇぇ!」でしたよ。いや、3年3組は嫌だから「そこ代われぇぇぇぇ!」にはならないか。


もうお前ら付き合ってるよ……!
ただ、あまりにもこう仲良くされると、鳴ちゃん可愛すぎて眼福なところもあるものの、不安にもなってくるもので。このささやかな幸せがいつ瓦解するものか……
この楽しい時間だって、不幸が積み重なった結果に成り立っているもので。

当たり前だけど、無視していく赤沢さんたち。
無視しているとはいえ、視界には入っている訳で、考えないようにはしているだろうけど、まぁ人間完全なシカトなんて出来ないもの。イチャイチャラブラブキャッキャフフフしている二人を見て彼女らが何を思っているのかが気になる。自分たちが除け者にしてしまった二人が仲良くしているのを見て安心しているのか、それとも「私たちが神経ぴりぴりさせているのにイチャつきやがって……!」なのか。前者の方が心があったまるけど、後者の方が面白いな。

授業中、目配せした恒一に気付いて微笑みを返す鳴ちゃん。もうどれだけラブラブっぷりを見せつければ気が済むんだよ、という感じですが、まだまだ終わらないのでした。

美術室に入ると、鳴ちゃんは歓迎されていました。ここも本気でびっくりした。3年3組内だけのルールだという事は一応分かっていたけど、場所が変われば扱いも変わるものね。それでもこの落差は驚く。にしても可愛いな後輩ちゃんたち。
直後の望月くんは冗談抜きで可哀想だった。まぁ恒一も鳴ちゃんも自分たちの扱いに表面上でしか納得していないのだとしても、少しくらい気を使ってあげてもいいじゃない。

もうお前らそのままAしちゃえよー!

千曳先生が見せてくれた資料。二年前のクラスに赤沢くんがいて、しかも死んでいますね。どう見ても赤沢さんのお兄さんです。いろいろとつながってきそうでまだつながらないっ!

次回予告より。綾野さんは必ず怖がる役だなぁ……
ついに先生がプレッシャーに耐え切れずに暴走してしまいました。二年前の「いない者」が「いない者は嫌だ!」と主張したように、こういう暴走は当然起こりえますね。
サブタイトルが「変調」ですが、暴走を起こすのが生徒ではなく先生というところに何か意味があるような気がしています。変調というのは音楽において音階のレベルを変える事(←説明ベタ)、つまり、何かしらストーリーが次の段階へ進むという事でしょうか。
ちなみに先生は包丁を取り出したようですが、カバンにはまだまだ何か仕込んでいますね。包丁で切りつけたくらいで↑のように血が飛び散る訳もないので、何かあるのは間違いないのですが。
というか誰か殺すのかな。それとも自分が死ぬのかな。どちらにしても嫌過ぎる。次回予告の時点で七月の犠牲者が出る事が発覚、恒一を「いない者」にする作戦は失敗という事になりますね。


赤い画面。赤は危険を示す色。
ここまで仰々しく赤くするという事は、とんでもなくヤバい事になるという事なのでしょう。
怖いけど楽しみです。がんばれ恒一!
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