アクセル・ワールド 第2話「Transformation;変移」 感想!
これは典型的ながらもいいラノベアニメ。
前回の感想を回っての雑感
前回、感想ブログを回ってみたところ思うところが少しあったので、今回の感想を書く前にちょろんと書いておきます。できるだけ手短に。
気になった一つ目は、感想記事に「専門用語」という言葉が多く見られた事。
第1話であまり好評でなかった点に、「専門用語の説明がなかった」というものがありました。少し分かりづらいとみなさん感じたようで。
別に「いやいやおかしいだろ」と思う訳ではなく、僕は純粋に不思議になりました。というのも、僕は第1話で専門用語を聞いた記憶がなかったのです。
何故だろうと考え、答えが出ました。僕は英語学習者、横文字に対しては水準以上の知識を持っています(自慢ではなくて、学習者としてそうでなくては困るという感じ)。
そしてこの『アクセル・ワールド』、みなさんが専門用語と言っている言葉の数々、わりとただの英語なのですよね。もっと言えば和製英語、さらに言えば創作英語。余談ですが、「ブログ(blog)」なんかも創作英語です。
ニューロリンカー。ブレインバースト。グローバルネットワーク。ダイレクトリンク。こんなところでしょうか。
グローバルネットワークはまぁ分かりやすいとして、ニューロリンカーも字面で意味がだいたい分かります。ニューロン=神経、リンカー=接続端末。英語として考えると「ン」を省略するのはあり得ないですが、まぁさしたる問題ではありません。
ダイレクトリンクもなんとなくで分かりますね。
この中では一番厄介そうなブレインバーストも、やはりなんとなくで分かるんじゃないでしょうか。バーストとは「破裂する、爆発する」の意味の動詞ですが、この意味が分からなくても「速くなる」という説明があるので、なんとなく脳の処理をどうにかしているんだなというのが分かるはずです。
専門用語というのは、『とある魔術の禁書目録』の必要悪の教会(ネセサリウス)だとか、『灼眼のシャナ』の封絶だとか、そういうのを指すんじゃないでしょうか。アクセルワールドの用語は、字面でなんとなくの意味が分かるので、少し考えてみれば特に説明はいらないはずです。まぁあるに越した事はないのでしょうけど、これはアニメですからね、必要でないセリフはカットしちゃっていいでしょう。
何が言いたいのかというと、前回の感想、主に既読者と思われるブロガーさんたちから「未読者に不親切」という評価が下されていました。しかし、未読者の一人である僕はまったく不親切には思いませんでしたし、他の未読者のブロガーたちもさほど不自由しているようには見えませんでした。
つまり、けっこうアニメって既読者が思ってるほど不親切には作られていないのです。
もう一つ気になった事。ハルユキについて、ハルユキがチユのサンドイッチをぶちまけてしまったシーンに対して、「クソ主人公」という意見を書いているブロガーがいました。一人だけかなぁと思ったら、僕が確認できただけで二人。
僕は人より食事に対してよく考えているつもりで、中学生時代から数えて出された料理を残した事はありません。そこから転じて、アニメ(やドラマ)でよく登場人物が落ち込んでいる事を表現するのに「もう(ごはん)いらない」と言って食事を残して自室などへ去っていくシーンがありますが、こういうシーンを嫌悪しています。いやいや食えよと。これは作り手が食事を軽んじて考えているものだと僕は考えていて、常々嘆いています。落ち込んでいるのを表現するなら他にもいっぱい方法はあるというのに。
だけど、前回のハルユキをして「クズ」だとか責めるのは筋違いです。
一つ、そもそもハルユキはわざとぶちまけた訳じゃない。
一つ、チユの方も少し強引な、言ってしまえば有難迷惑な優しさだった。
一つ、謝れなかった事を後悔している。
一つ、そのあと謝れる機会があったとして、頭では分かっていても人間というのはなかなかこういう話題を切り出せないもの。
まぁ結局はハルユキが悪いんですが、この行為を「クズ」と言うのは、さすがに言い過ぎというもの。もう少しキャラの心情に立って物語を見るべきだと僕は思います。
感想
少し長くなりすぎましたね。さて今回の感想です。
いやぁなるほど、1話と2話で第1話、といった感じの内容でした。ハルユキがどうにかして初戦を勝利で収める過程がもう素晴らしくて、燃えまくりましたよ。非常に分かりやすくて、ともすれば子ども騙し的とも言えますが、世界観が独特な分、これくらいシンプルな方が頭使わず楽しめるというものです。
前回も書いたのですけど、やはり音響演出がよすぎる。今回は特に、メリハリのつけ方が抜群に上手かったです。
今回説明シーンがありましたが、夕焼け色が綺麗だったというだけで、このシーンは特筆する事がないのですよね。「なるほど理解した」という言葉しか出てこなくて、アニメとしては致命的とも言えるくらいあまり面白味のないシーンだった。
しかしこれも、メリハリのメリをつけるためでした。
学校を出て、加速し、アッシュローラーを探すところでかかるかっこいいBGM。いやぁこれはテンションが突き上がる。不意打ちのライダーキック(しかもライダー相手に)が見事に決まって気持ちもよく、この緩急のつけ方は本当に面白いです。ちょっと『モーレツ宇宙海賊』の緩急と似てますかね。
そのあとの作戦も、まぁ「ズコー」という感じではありましたが、面白かったです。黒雪さんの分析は正しかったし、確かに初心者であるハルユキにとって、ヒット&アウェイは基本戦術。不意打ちを決めたらひたすら逃げろ。
しかしそこで思いもしない事が起こるのが少年漫画的熱さですよね。アッシュローラーは朝の戦闘でレベルアップしていたという誤算のせいで、逃げ回るのが困難な状況に。
唯一の頼みの頭突きも命中しない。
さぁどうする。
後輪を上げて動きを止めるとは、これはなかなかいいアイディアですね。ターンする時の遠心力を耐えきれば、あとは減速したバイクを持ち上げてジ・エンド。怒った本体が無謀にも飛び出してきたところを、外しようのない至近距離から頭突きで迎撃する。
ハルユキの「勝った」というドヤ顔が清々しかったです。いやぁ、お手本のような、それでいて大変面白い本当のデビュー戦でした。
バトルもよかったけど、やはり黒雪さんがいい味出しています。
つまるところ、私が彼に告白して、彼が私を振ったのだ、でしたっけ。同学年らしき子が「この殿方」とすげぇ物腰柔らかなのも面白さを引き立てています。
あと、加速世界でさりげなくハルユキを見守っていましたが、年相応の爽やかなノースリーブワンピース(しかしブラック)を着ていましたね。可愛いからいいんだけど、何故その姿だったんだろう。まぁ可愛いからいいけど。
初勝利を挙げて祝杯にでも洒落込むか、といったところで
もう爆発すればいいのに。
しかしまぁ、黒雪さんが「綺麗」を追求したデザインなのに対して、チユは「可愛らしさ」重視ですね。いい住み分けです。これぞ正しいヒロインアニメ。
今回、EDが公開されました。待ちに待ちましたよ!
絵コンテは小原監督。OPより好きです。OPもかっこいいけど、椛島洋介のOPは基本的にせわしないw
曲はKOTOKOの「→unfinished→」、意味は「まだ終わっていない」ですね。have not finishedを一語に縮めた感じでしょうか。
とにかく素晴らしかった! 期待以上の曲でしたよ。八木沼悟志のサウンドは相変わらず僕好みすぎるし、KOTOKOの歌声もやはり素晴らしい。KOTOKOが作詞という事で、詞にも期待大です。今度じっくり聞くとしよう。
追記:
今回の感想をある程度回ると、「不意打ちで蹴り飛ばした時にそのままフルボッコにすればよかったんじゃね」というツッコミがたくさんありました。いやいやそれは違う、とは思ったもののスルーするつもりでいたのですが、刹那的虹色世界の月詠さんが追記で反論を書かれていたので、それに便乗します。
一つ目は春雪が精神的にそこまでの余裕がなかったこと。
四つ目は春雪は黒雪姫が与えてくれた指示(作戦)通りに動くことを前提としていたため、追撃と言う発想そのものがなかったこと。
月詠さんが「それは違うんじゃない」と思った理由のうち二つ。これについて、四つ目を細く補足したいと思います。
ハルユキに関しては四つ目の理由でそのまま逃げたという事でいいでしょうが、さて仮にそのままフルボッコしようとした場合、ストレートで勝つ事ができたか。
これはまずできないでしょう。アッシュ・ローラーは強さのポイント?をすべてバイクにつぎ込んでいて本体は弱い、という事でしたが、ここにおける弱いとは、ハルユキの頭突きが非常に使い勝手の悪い技であるのと同じです。あの頭突きは大変当てにくいですが(恐らく現実世界で普通に頭突きするより当てにくい)、当たればとてつもないダメージを与えられますね。そういう、あくまで「設定上の弱さ」。
アッシュ・ローラーは単純にハルユキよりレベルが高く、そして好戦的。単純な白兵戦を仕掛けて、ハルユキが勝てる訳がありません。当たれば強いこっちの攻撃は当たらず、当たっても特に痛くはない相手の攻撃をちまちまと受け続けて負けていたでしょう。このゲームはボタンを押せばキャラが動くゲームとは違い、あくまで自分自身の体で戦っている訳ですから。
最後に頭突きを当てて勝てたのは、相手の冷静さを欠かせる事に成功したから。飛んで火にいる夏の虫に頭突きを当てるのは簡単です。逆に、不意打ちで蹴り飛ばしたあとにさらに襲うとなるとイーブンからの戦いとなり、頭突きはおろかパンチの一つも当たるまい。
つぶやき
コナン見に行ってきまーす。


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