夏色キセキ 第3話「下田ではトキドキ少女は空をとぶ」 対話感想!
1話と2話を下地に敷いたいいお話。
登場人物
酒原(さけはら):誤植から生まれた謎の人物。すっかりこのブログに住み着いて進行を務める。趣味は神酒原いじり。最近の悩みは酒豪だと勘違いされる事らしい。でも少しずつ飲めるようになったらしい。
神酒原(みきはら):このブログの書き手。新しいものを取り入れるというよりは、伝統を守る派。だからという訳ではないが、整骨院のお姉さんに「日本の空手は流派をいちいち気にするから勝てない」と言われてムッとして、次回の診療もあったが違う医院に移ってやった。そもそもが勝ち負けの概念から、空手にはいらないものなのに(←これもまた伝統を守る考え方だけど)
神酒原 「いやぁ尻上がりに面白いね!」
酒原 「まだほんの頭だぞ」
神酒原 「あーもうなんでそういうこと言うかな興が殺がれた帰る」
酒原 「気を付けて帰れよ」
神酒原 「……」
酒原 「……」
神酒原 「…………」
酒原 「…………」
神酒原 「少しはフォローしてよ」
酒原 「なんでよ。ほら、感想言いたいなら言えよ早く。ほらほら」
神酒原 「言われなくてもそうするよこのすっとこどっこい」
酒原 「んで? 尻上がりに面白いんだって?」
神酒原 「右肩上がりに面白いんだよ」
酒原 「お、上手いこと逃げたな」
神酒原 「僕をなめるな。……まぁ、実際どっちが面白かったかと言われたら、2話なんだけどね」
酒原 「おい、さっきと言ってることが違うぞ」
神酒原 「甘いなぁワトソンくん」
酒原 「なんだいシェリングフォード」
神酒原 「……その呼び名はちょっと嫌だな。まぁ説明すると、右肩上がりってのは、この3話が1話と2話を下敷きにしたものだったからさ」
酒原 「下敷きを敷いたら字がよく書けるな」
神酒原 「そういうことを言ってるんじゃない。……と思う。まぁとにかく、連続したお話でないにも関わらず、無関係でもない、むしろ一続きになっている、というところがすごくよかったんだ。夏海と紗季の喧嘩を経て、次は弟くんたちの喧嘩に発展する。作品の掘り下げだね」
酒原 「ところでお前、ここ最近下敷きって使ってないんじゃね?」
神酒原 「そうだね、そういやそうだ。持ってるかどうかも怪しい。……って、なぜ話をそらした?」
酒原 「特に意味は」
神酒原 「…………。まぁあれだ、弟くんたちも無事に仲直りできてよかったね、ということだ」
酒原 「弟くんや祐介くんの心理描写が上手かったな」
神酒原 「ああそうそう、それが言いたかったんだ! 先に言われた!」
酒原 「続きをどうぞ」
神酒原 「そうそう、心理描写が上手かったんだよ。ひいては、「誰も悪くない」状況を作るのが上手かった。今回の件は紗季の時とは違って、誰も悪くなかったんだよね。しつこく問い質す祐介くんは確かにうざかったけど、でも彼の身になってみるとそれも無理からぬことだ。空飛ぶ女子中学生を目撃したら、そりゃあ僕だって気になって仕方がない」
酒原 「さすがに自分の目は疑えないもんな」
神酒原 「ああ。だから、紗季にはぐらかされて「白昼夢だったのか」と落ち込む祐介くんの気持ちが理解できて、「この状況どうにかならないものか」と本気で憂えたのだ」
酒原 「白昼夢だなんて言ってなかったぞ」
神酒原 「そんな感じだったろ?」
酒原 「まぁそうだけど。んで、夏海たち4人は見事妥協点を見つけ出した」
神酒原 「ああ、いい落としどころだと思ったね。実は僕もその案はだいぶ最初から考え付いていたんだ。でも、「祐介くんが周りに言い触らさないか」という点がネックだと思っていた。頭がよさそうとはいえ、小学生だし好奇心が人一倍あるようだし、口が堅いようには見えなかったからね。でも紗季たちが彼のことを信じるというのなら話は別だ」
酒原 「信じるならそれも責任ってことか?」
神酒原 「違うよ。誠意を見せることがここでは大事なんだ。誰も悪くないしょうがない事態とはいえ、これはどうにかしないといけない。こちらが祐介くんを信じてあげれば、祐介くんもきっと信じてくれる。そして約束を守ってくれる」
酒原 「それは誠意っていうより……まぁ、これ以上野暮は言うまい。だがしかし、御石様は願いを叶えてはくれなかった」
神酒原 「夏海たちにはそこが誤算だった。もっとも、僕を含む視聴者のほとんどはそんな気がしていただろうけどね」
酒原 「物語の流れ的に?」
神酒原 「それもそうだけどね。御石様が願いを叶えてくれる条件が、僕にはなんとなく見えているんだ」
酒原 「それは重要だな。教えろ」
神酒原 「簡単さ。御石様は、本当に願っていることしか叶えない。今回何も反応しなかったのは、夏海たちの目的が空を飛ぶことではなかったからだ。弟くんと祐介くんが仲直りして欲しい、その手段として空を飛びたがった。そもそも、みんなもう空なんて飛びたくなかったはずだ。優花と凜子はどうだか分からないけど」
酒原 「作中では「一度お願いしたことはもう叶わない、お願いの取り消しは無効」って言われてたぞ」
神酒原 「そんなの鵜呑みにしちゃあ駄目だ。夏海たちの視点からは答えが出るはずがない、ただの憶測だよ」
酒原 「では、同じ願いごとでも二度叶い、本当に願えば取り消しも叶うと」
神酒原 「恐らくね」
酒原 「でもそうすると、Aパートはどうする? 夏海と紗季の目的は「仕返し」だったはずだぞ」
神酒原 「これは、「一つになりますように」という願いが本当だったからじゃないかな。優香と凜子が何気なく願ったように、友だちにはずっと仲良くしていてもらいたいものだ。「離れろ」という願いが叶わなかったのも、二人は離れたいなんて思っていないからだね。特に凜子は、前回の反応を見るに今回くっついたことをそんなに嫌がっていないはずだ。なんという百合っ子。もしくは」
酒原 「もしくは?」
神酒原 「本当に御石様が気まぐれさん」
酒原 「おいてめぇ」
神酒原 「まぁいいじゃない、御石様にも人格があるのだと仮定すれば、ルールに従って願いを叶えるというのが変な話になるんだ。人格がないのなら逆だけど」
酒原 「……ふん、まぁいいさ。結局は、紗季の誠意が通じて仲直りは成ったわけだ」
神酒原 「紗季の誠意が通じた結果というには、少し弱いけどね。騙せなかった時点で紗季の誠意は失敗だ。ただ、まったくの無駄だったということはない。仲直りのきっかけは作れたよね」
酒原 「それにしてもあっさり仲直りしたな」
神酒原 「小学生男子の喧嘩なんてそんなものさ。これは僕の話ではないんだけど」
酒原 「ほう?」
神酒原 「僕は小学生のころ、学童クラブに通っていたんだ」
酒原 「お前の話じゃねぇか」
神酒原 「話は最後まで聞けよ! ……その学童クラブで、二つ下に仲のいい男子二人組がいた。ちなみに二人は下の名前が同じだった」
酒原 「その情報いらないよな」
神酒原 「まぁいいじゃないか。しかしこの二人、片方はからかい癖があって、片方は泣き虫だった。だからよく、からかいが過ぎて泣かされている光景を目にした」
酒原 「まぁありがちだな」
神酒原 「しかしまぁ泣き虫な方は意外とタフなやつで、しばらく泣いたなぁと思ったらおもむろに「○○、遊ぼう」とついさっき自分を泣かしたそいつを誘うんだ」
酒原 「すげぇな、というか、それはだいぶ特例なんじゃ」
神酒原 「まぁでもいいじゃん、弟くんと祐介くんが仲直りできて」
酒原 「それはそうだけどな。ちなみに弟くんはどう自分の中で落としどころをつけたんだろうな」
神酒原 「優香の言った通りに納得したんだろう。僕は幽霊の存在を信じないけど、それは自分が見たことないからってだけで、幽霊を信じる人や霊媒師なんかを馬鹿にしたりはしない。たぶんそんな感じだ」
酒原 「分かりやすいような、そうでもないような」
神酒原 「大人になれば割と誰でもできる納得方法だね。小学生には難しいだろう。それができた弟くんは大したやつだよ」
酒原 「「皆勤賞が欲しい年でもないだろ」と姉貴を冷静に分析したりもしてたな」
神酒原 「ちょっと大人びてるよね。「どうやって飛んでいるように見せるつもりだったんだ」ってセリフが好きだ。でも絵日記は真面目に書くところは可愛い」
酒原 「いつのまにか弟談義だ」
神酒原 「しまった、しかも書きすぎてるじゃないか。そろそろ記事を終わろう」
酒原 「今回は語るところが多かったということで。お前にとってはよかったじゃないか」
神酒原 「ああ、よかった。これは本当にいいアニメだよ。次回は鶴来民子さんのお話かい?」
酒原 「つっこみはなしだからな。ではまた次回」


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