アクセル・ワールド 第3話「Investigation;探索」 感想!
誰しもハリーのようには上手くいかない。
3人の関係
幼馴染み男女3人組で、主人公以外が恋仲と言えば思い出されるのは『ハリー・ポッター』です。いや、少なくとも僕は。
まぁ、各々の性格を考えると別段相通じるものがあるというわけでもないのですけどね。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはすごいです。何がすごいかって、ロンとハーマイオニーが恋仲になっても特に動じることのないハリーもすごいですが、その状態でも3人が大親友のままでいられるというところがね。最終巻、クライマックスが全て終わったあとのハリーの行動が3人の絆をよく表しています(映画では若干カット)。とはいっても、こいつらときどき大喧嘩するのですけどね。
えーと、チユとタクが恋仲だというのは確定でいいのかな?
最初はハルユキが被害妄想的な思考回路で勝手に二人を恋仲だと判断しているのかなぁ、とも思っていたのですが、チユの反応を見るにどうもそういうことではないようです。直結は恋人同士がするもの、という1話でのハルユキの言及がここに来て活きてきましたね。地味に上手い。
となると、前回まで僕が考えていた以上に、ハルユキにとって今の状態はきつい。
1話で3人一緒に歩くシーンがありましたが、あの時のハルユキの明るい口調はいくらかは空元気だろうと思ってはいたものの、二人が恋仲だとすると、ハルユキの劣等感は計り知れません。
ただでさえハルユキは自分に自信がない。黒雪先輩の方はああも分かりやすく踏み込んでくるのに、素でバックステップでかわしてしまうほど。
そして、人の劣等感、はたまた優越感というものは、比較対象を得ると途端に激しさを増すのですよね。
ハルユキが自分で言った通り、タクはかっこいい。チユは可愛い。そんな二人と一緒にいるだけで、ハルユキにとっては苦しいものがあるでしょう。
しかしその程度なら、「一緒にいる辛さ」<「一緒にいる楽しさ」という図式になるはず。辛いけど、でも一緒にいると楽しいから。そういう前向き思考ができるはずです。
だが、タクとチユは恋仲。こうなると厄介ですね。↑の図式の不等号が反転してしまうのは言うまでもない。
チユの方はどうでしょう。
チユはタクと付き合っているということですが、それとは別に、3人一緒でずっと親友……という考えもずっと抱き続けているようです。
女性は男性に比べて器用なもので、複数の作業を同時にできると言われますね。余談になりますが、これは生物学的に根拠があります。文明が生まれる前、人々は狩猟や採集をして生きていましたが、狩猟は男の仕事。獲物一つに集中しなければなりません。反対に、採集は女の仕事。集落の別の女と情報交換などをしますから、同時にいろいろなことをします。これが遺伝として残り、女性は男性に比べて器用なのだと言えます。
だからと言うには少し弱いかもですが、ハルユキは二人が恋仲になった途端、「親友」という見方ができなくなったのでしょう。反対にチユは、タクと恋仲になったところで、ハルユキも含めて3人が「親友」であることには変わりがないと考えることができる。
そこに、サンドイッチ事件でのすれ違いがあったのですね。チユは今までと変わらず、ハルユキの力になれると考えていたわけです。
まぁでもこの件に関しては、それほど大きな問題ではないはず。ようは「意識のすれ違い」が起きたのが問題なのだから、すれ違いを解消するには、話せばいいのです。チユはハルユキが中学に入ってそっけなくなったと言います。お互いの考えていることを、腹を割って話す機会がなかったのですね。
奇しくも、今回その機会を得ました。
二人の関係を見たとき、改善するべきところがあるとすれば、ハルユキの方にあると僕は考えます。だって、二人は二人とも「仲よくしていたい」と考えているわけでしょ? チユはその気持ちに正直になっているだけ、逃げているのはハルユキの方。
だから、チユが心の内をハルユキに明かしたのはとてもよかったと思います。多少強引にハルユキの心に近づいた感じになりましたが、まぁハルユキに対しては少しくらい強引な方が正解です。皮肉なことに、黒雪先輩がその前例を作ってくれてるw
とにかくいいシーンでした。僕は感動しましたよ。ただ一つ残念なのは、まぁ、サブタイ通りハルユキの第一目的がInvestigationだったことですねw
そして、こうやって探索しにきた以上、何も見つからないなんて甘い展開はないわけで。せっかくの感動を野暮が塗り替えてしまいました。
まぁこれはこれで面白い、これにてハルユキとチユの関係は再びこじれるでしょうから、どう修復していくのかが楽しみになってきます。
ちなみに、タクの方はどうでしょうか。
そもそも出番が少ない上に、心理描写がゼロ。「あまり気楽に言わないでくれよ」と、少し不穏なセリフが聞こえるので、見た目通りと考えるのはよくないですね。
↑の比較ではないですが、ハルユキが抱いているのが劣等感だとしたら、タクが抱いているのは優越感だったりして。そうだとすると、シンプルですが面白い構図です。
ただまぁ、「気楽に言わないでくれよ」というのは表面だけ受け取ると劣等感の表れ。
今の時点で二人の関係を考察できるとしたら、こうなるんじゃないでしょうか。
ハルユキはタクに劣等感を抱いていますが、それ以前に、タクをいい友達だと考えています。この二つが重なると、生まれる感情は「期待」。自分にできないことをタクにやってもらいたいのでしょう。友達のことを自分のことのように喜ぶ、と言えば聞こえはいいですが、ハルユキの場合は自分への慰みが混じっていますね。
タクの方はというと、たぶん自分の実力はちゃんと把握しているのでしょう、ハルユキから大きすぎる期待を受けるのが辛い。羨望の眼差しが痛い。もしかしたら、勝手に期待をかけてくるハルユキに苛立ちを感じていることもあるかも知れません。
3人の関係を、3人の視点から見てみましたが、どうもバラバラですねぇ。ちなみにチユとタクの関係は、恋仲であるという以外には分かりようがないですね。二人の会話シーンがない。
まだまだ引っかき乱れそうです。人間模様も面白くなってきた。
(追記)
セリフ量が多くてすっかり聞き逃していました。チユとタクがつき合うように勧めたのは、どうやらハルユキのよう?
一瞬のセリフだったので、安易にそう判断するのも早計ですが、少なくとも二人が付き合い出したのは小学生時代からのようです。んで、ハルユキも中学に上がるまでは特に気にすることもなく仲良しこよしできた、と。
この時間経過も重要なポイントですね。もう少し考えたいけど、それはもう次回でいいか。
(追記終わり)
黒雪姫
3人について書きすぎたw
黒雪先輩がめちゃくちゃ強かったってのは、まぁ誰でも予想できることでした。そこからさらに、黒雪先輩がデュエルアバターを封印しているのはその醜悪な外観からではない(少なくとも理由の真ん中ではない)ということも分かっていましたが(外観が嫌で嫌で仕方ないならレベル9にまでなるほど戦闘なんてできない)、なるほど、裏切者のレベル9ということだったんですね。
ということはこの人はグローバルネットにつないでいないということで、ケータイを持ちながら電源を切っているようなものか。ハルユキもチユからのコールやメールを受け取っていませんでした。これは不便なことだ。
次回予告の、命をかけた告白、というのが気になりますね。今のところ、ブレインバーストによる生命の危機はないわけですから。
あ、いや、リアル襲撃されると危ないのか。
わたし、気になります。とにかく次回は一つのクライマックスのよう。1巻が終わるのかな?
その他
前回の記事で、「この作品の専門用語は基本的にただの英語だから字面から意味が推測できるのであまり専門用語とは言えない」ということを書いたのですが、今回新たに出てきた重要な用語「バックドア」。
……なんだこれはw
これは専門用語らしい専門用語が出てきましたよ。やはりこれも英語の組み合わせでしかないけど、意味はまったく通じません。Back Door、「裏口」という意味ですが……
と、書いているうちに意味がつかめてきましたよ。
back doorとは「裏口、裏戸」という意味から派生して「不正」という意味もあります。backdoor entranceと言うと「裏口入学」ですね。なるほど専門用語じゃなかったぜ。(※追記)IT用語だったようです? なるほどなるほど(追記終わり)
つまり、ハルユキが発見したアプリケーションなりファイルなりは、不正データだったということかな?
うーん、でもブレインバースト自体も明らかに不正アプリケーションなので、不正データだったというだけであそこまで驚愕するだろうか。
これは「不正」という以外にも意味がありそうです。
例えば、驚いたポイントは「不正」というところじゃなくて、別のところにあるとか。こいつを持っていると脳に負荷がかかるとか、それとも……
うん、なんとなくつかめてきた。ハルユキが直結してメモリを調べたということは、直結しないとその辺のメモリをいじれないということですね。問題は誰がいじったかということだけど、はは、次回は大変なことになりそうだ。
それにしてもなんだ、「したきゃすれば?」とベッドに寝転がるチユがとてつもなく可愛いですね。OPでもすでに出てきてるけど、部屋着がこれまた可愛らしい。ピンクのニーソとか狙ってんの? 狙われたオタクどもはみんなハァハァしてますよっと。
この作品は独特のエロさがあるとずっと思っていたけど、やはりというか直結シーンはすごいな。黒雪先輩が初めて仕掛けてきたときもそうだったけど、今度は寝転がりながら。うーん、脱がないのにエロい。
原作既読ブロガーさんへ
お願いだから事前言及なしの原作ネタバレはやめて!
まぁブログなんだし好きに書いていいとは思うんだけど、でも原作ネタバレするなら最初にそう書いて!
すでにいくつかネタバレを踏んでしまっているわけですが、ここからクライマックスなので、いらない先入観を入れたくないのです。
という訳で一つよろしくお願いします。
つぶやき
明日ボーリングに行きます。
ボーリングは投げに行くたびに必ず「久しぶりに投げる」のですが、明日は一ヶ月ぶり。少しはスコアが伸びるといいな。


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