Fate/Zero 第二十話「暗殺者の帰還」 感想!
令呪のシーンがかっけぇ。
一つだけ分からない
舞弥の「昔の顔に戻りましたね」というセリフ。
どういう意味かと必死こいて考えながら見ていましたが、ついぞ分かりませんでした。「暗殺者の帰還」というからには、切嗣が完全に無情だった頃に戻った……みたいな意味だとも思いましたが。その涙は奥様のために、というセリフとも合致するし。
しかし、切嗣の表情が切り替わる何かがあっただろうか、と考えてしまう。これの直前って、景気よくランサー勢を全滅せしめたところだよね? 十分無情だった気が。
考えられる可能性は4つ。
1、原作を端折りすぎて意味が分からなくなっている。
2、原作からすでに正しい文脈じゃない。
3、切嗣がこのタイミングで2話に渡る過去編を回想し、「無情にならなければ」と再決意した。
4、僕が大事な描写を見落としている。
とりあえず4ということにして、感想ブログ回るのを楽しみにします。
動く戦局
新たに誕生した綺礼&アーチャー組は、今回なんの動きも見せず。気味の悪いことですが、不思議なのは、遠坂の屋敷になんの仕掛けもしていなかったところ。切嗣を釣るにはちょうどいい場所だっただろうに、時臣の死を知られては対策を練られてしまう。
それとも、何か別の準備があったのだろうか。なんにせよ怖いです。
アイリと切嗣の会話、そしてアイリと舞弥の会話は毎度ながらいいですね。血生臭い聖杯戦争の中、アイリのまっすぐで眩しいセリフが輝きます。我々視聴者も癒されるけど、切嗣にとってはどれだけ助けになっているだろうか。
舞弥は切嗣のことを「弱い」と言っていましたが、それは違います。仲間が、人が死ぬ事態に涙を流すことがそのまま強い・弱いに直結するわけではない。切嗣は強いです。前回もそうだったけど、もうこの世から争いが消えるように、冬木での戦いが最後になるように、この聖杯戦争に身を投じている。最愛の妻・アイリの死が確定しているというのに。
自ら苦しみを背負う切嗣は、前回も今回も泣いたように、すぐ涙を流す。それは一見弱く見えるけど、本当に弱かったら、こんな苦しみを背負うところから挫折するでしょう。聖杯戦争なんかやってられるはずがない。
強いから泣くんです。切嗣がもし泣かない男だったら、それは「より強い」のではなく、ナタリアの言葉を借りて、「ただの現象」でしょう。
はてさて女同士の語らいを邪魔する無粋な客人はなんとライダー。
ドアを蹴破ったあとはちゃんと直していきなさいよ。え? 俺はハグリッドじゃないって? すまない、風体が似ているもので。
って、そんな冗談を言っている場合ではなく。
いや、怪しいものですね。彼が本当にライダーなのかどうか。
ライダー組は夜まで回復に専念しているはずであり、夕刻に動くとは思えない。まだ回復も完全じゃないだろうし、その状態で敵地に乗り込もうなど、そこにセイバーがいたらどうすんだという話。
視聴者に疑いを持ってもらうために、わざわざ顔を映さず終わったところがいやらしい。こいつはライダーじゃないですよと言っているようなものではないか。ミスリードにしてはお粗末だし。
他にもいろいろと反証やら何やらがあるけど、どれもこれも真偽をあやふやにするものばかりなので素直に次回を待つとしますか。
とにかく、ライダーが闖入。すぐさま銃と携帯を取る舞弥の対応が素晴らしいですが、生憎と英霊に銃器の攻撃は無意味で……
迷いもせずに令呪を使ってセイバーを遣わす切嗣がかっこよすぎます。令呪をケチろうとして使いどころを間違えた時臣やケイネスとは違い、使いどころを迷いませんね。
しかし電光石火の瞬間移動も一歩遅く、セイバーが駆け付けた時には時すでに遅し。
舞弥のことは状態だけ確認してさっさと外に出ればいいのに「だがそれでは」じゃねぇよと少しセイバーにイライラしつつ、いざ出てみるとライダーは十分に視認できるので追撃は間に合う距離か。
ともかく、次回ですね。
さらったのがライダーだろうがその他だろうが、さらったということは目的は人質。命だけは大丈夫なはず……と思いたいところだけど、面倒くさいことにセイバーのマスターはアイリということになってんだよねぇ。
マスターとなると、さっさと殺しちゃってもいいわけで。ここは逆に嘘がバレていて欲しいと願わずにはいられません。
頑張れセイバー! アイリがその余生を切嗣を想って死ねるように、絶対に助けてくれ!
小粒化したライダーに現代社会への風刺を見る
こっから若干余談。
いやはや、ウェイバーとライダーの会話には相変わらずニヤニヤさせられっ放しですが、今回僕はそれ以外の感想も抱きました。
ライダーがだいぶ小粒化しているなぁ、と。
見もしないオケアノスの存在を信じ、地球の果てを目指した。自分の語る理想を信じ、命を散らした仲間がたくさんいた。
しかし現世に現界して、地球が丸く閉じていると知ってショックを受けた。
なるほどそれはそうでしょう。切望し、配下をたくさん死なせてまで追い求めたものが「ない」となると誰だって絶望の一つもしたくなる。
しかしそのせいで、ライダーは聖杯の存在にも懐疑的になっているようです。
確かに、目に見えませんからね。例えば聖堂教会の中に神々しく飾られでもしていればよかったのでしょうが、そうではなく、どんな形、大きさ、色をしているのか、まったく分からない。
願いを一つ叶えるというのも眉唾ものですね。
他ならぬライダーはその聖杯に招かれて召喚されたサーヴァントですが、聖杯に招かれた「ということになっている」だけで、その実別のカラクリがあるのかも知れない。
そう、疑ってしまう。
その疑問はもっともですが、かつて大地の果てを追い求めた征服王とは思えない、小さい考え方です。
イスカンダルなら、「聖杯? 世が存在しているのだからあるに決まっているだろう! 聖杯は世がいただく! 受肉したい!」って豪快に突き進んで欲しいところ。また、ウェイバーもそれを望んでいるでしょう。
現世に現界して、ライダーは小粒になった。
でもまぁ、それもしょうがないと言えます。なんでも科学で理屈がついて証明できてしまう時代、形の定かでない曖昧なものに希望を抱ける人間がいくらもいるだろうか。
若者の語る夢も現実的な範囲を逸脱しない。
そんな時代性にライダーが当てられたのだとしたら、これは面白い風刺ですね。意図的にやったのだとしたら、虚淵玄の人生観みたいなものも見えてくるのかも知れない。
まぁこんな時代だからこそ、我々はフィクション(アニメ)に夢を求めるわけですけどね。
最後に一つ。
日本の食文化も底が知れるとは、ブリティッシュにだけは言われたくないですw
つぶやき
最近、睡眠時間はちゃんと取っているはずなのに疲れがまったく取れない。
どうしたことだろう。疲れ以外は、体の調子も良好なのだけど。
ユンケル飲むか。


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