TARI TARI 第2話「集ったり あがいたり」 感想!
下ハモリがよく似合う早見沙織。アルト確定か
素っ頓狂な脚本
シリアスな中にも清涼剤としての笑いを……と、言うほどのものではないですかね。シリアスと言えるようなシリアスにはなってないし、今後もならない可能性の方が高い。
『輪廻のラグランジェ』と似た雰囲気を感じたのですが、この点において差別化されます。ラグりんは真面目にシリアスですから。
でも、ときどき挟まれる素っ頓狂な脚本がなんとも心地よいです。
前回だと、勢いよく教頭に食ってかかったかと思いきや水を張った洗面器の中で叫んでいるだけだった、とか。
今回だと、OP明けの会話。5人がそれぞれ好き勝手に喋り散らして面白いのなんのw こんなことをすると「セリフが聞こえない!」ってことで不評を買ったりするものですが、僕の場合だと、不思議と全部聞こえました。全部聞こえると本当に面白い。
他には、紗羽と来夏が電話でどこで落ち合うか話していると同じ病院にいた、とか。ここかよ!
こういうシチュエーション作りが本当に上手いのだけど、さらには会話劇そのものにも素っ頓狂さがありますね。
例えば、紗羽が家に2人を招いた時、馬小屋での「オマエモナ!」「なんだと」とか。
こういう、ともすれば「人を食ったような」とも形容できそうな脚本が地味な物語に彩りを与えてくれている感じがします。だから面白いのだなぁ。
そしてこういうシチュエーション、会話を形成するのはだいたいが紗羽や来夏。今のところこの子らが作品を支えているということですかね。男ども2人はまだまともな出番がないですしね。
作画について
前回の感想を見て回ると、「やっぱりP.A.すげぇぇぇ」という感想が多い傍ら、P.A.の他のアニメに比べてそうでもないような、という意見を見かけました。
実は僕も同じ意見を抱いていて、感想ブログを回って「僕だけじゃないんだなー」と安心したのです。
たぶんですが、前までの作品を作っていた主力ではない人たちが作画しているのではないかなぁ、と思っています。クレジットを見比べたわけではないので、完全に妄想ですが。
その根拠というには弱いかもだけど、今のところキャラデザの関口可奈味の名前を見ません。『Another』の石井百合子はOP原画にいましたが、彼女の名前は他社アニメで最近見た記憶が。新人育成? 確か以前、I.Gの『ワールド・デストラクション』が新人育成のためのアニメだったんだとかなんとか。僕見てないですけど。
TARI TARIの作画のどこが他作品に劣るのかというと、たぶん「キレ」ですね。
すごくいい作画なのには間違いがないですが、OPでさえも動きにキレがありません。その代わりレイアウトが素晴らしいので、そこでフォローできちゃっているのですけど。
これはこれで味がありますけどね。
今回のお話
ウィーンはウィーンの発音にこだわりたい模様。ちなみにウィーンって、確か公式サイトでも名前明かされてないですけど、本名出てますね。
前田敦博。
自己紹介の時に黒板に書いてありました。OP明けのシーンで、「みんなを下の名前で呼びたいな。できれば僕のことも下の名前で」うんぬん言っていたので、敦博くんと呼んであげましょう。でもウィーンで定着しちゃってる悲劇。
来夏が和奏勧誘に失敗して落ち込んでいるのをフォローする意図があったのでしょう、紗羽が和奏を家に誘いました。この強引な話運び、ステキすぎる。馬小屋での「オマエモナ!」など、やはりどこか人とズレています。やっぱり僕はこの子がお気に入りだ。
来夏の失敗談を和奏に見せて……と、第1話でボカしたわりにあっさり解禁しましたね。たぶん、終始こういう作劇になるんでしょう。タメはあまり使わず、あくまで自然な流れをそのまま作る感じ。
その内容は、歌唱が終わったあとに一人だけ「ヤッ!」と掛け声を入れてしまうというもの。これは恥ずかしすぎる。しかも他の人は「ヤッ!」って言ってないから、これ音をずらしてしまったというよりは他の曲とごちゃごちゃになったなw
「ヤッ!」で終わる曲と言えば、僕がすぐに思いつくのは「怪獣のバラード」。来夏が好きそうな曲です。
これで再び「名前貸すだけ」という条件付きで誘ってみると、なんと承諾!
前回の怒りようはなんだったのだろうか。まぁたぶん、和奏がなにか問題を抱えているとして、自分の中で決着がついていない問題なのでしょう。転科しちゃったけど、まだくすぶっている、みたいな。
だから前回は来夏の本気さに当てられて大声を出したけど、「名前を貸すだけ」ならまぁいいかなと思えて、結局はピアノ弾いたり合唱部の出番を遅らせてもらえるよう教頭に頭下げたりと協力的。
深刻な理由があって音楽を離れたというよりは、単に和奏の心の中の問題なだけであって、そう大したことではないのかもしれません。だから高橋先生も、「化学反応が起こるかも」と少し楽観的な期待を持ったのかも。
合唱部は……意外に人が集まったなw
でも名物ヴァイオリニストで釣ったようなものか。こりゃあたぶん、この発表会のあとに大量に退部されて再びピンチ、だな。……たぶん。だから太一を部員に入れようと、次回なんらかの勝負を持ちかけるのでしょう。
とまぁ、これだけいれば合唱ができますね。
でも、結果的に5人に落ち着くのだとすると、5人しかいないから合唱ではなく重唱になってしまう。五重唱(クインテット)ってのはあまりないはず。和奏を伴奏担当にするとして、四重唱(カルテット)?
合唱コンクール出られるんだろうか。
……と思ったら、今回のイベントは「合同音楽発表会」でした。なにも問題ないやん。
発表会に行こうという流れは、少し分かりづらかったですが、
校長がいない、責任者いないからバスが出せない!
↓
授業戻りなさい
↓
でも……
↓
校長か高橋先生がつかまるまでだれか1人を声楽部が連れていって午前中のリハを見ていてもらいます(合唱部のだれもが流れを確認していないというのは拙いため)
↓
楽譜読める人がいいわ
↓
和奏ちゃんケーキ2つね!
こうですね。体育中に連行される和奏さんお疲れ様です。
余談ですが、制服はブレザーとスカートが一緒になっているタイプで、わき下にチャックがついていて『true tears』の制服と似てますね。
紆余曲折を経てどうにかみんなが会場に向かえる運びになったが、時間に間に合わず。
「帰る……」と言い出す来夏のケツを引っ叩く紗羽がステキすぎます。
そして恥の上塗り。これで「ヤッ!」はチャラだぜ!
和奏が伴奏をやってくれたりと非常にいい流れで終わりましたが、教頭が校長代理を務めるという不穏な動きが。
今回の歌
物語の鍵にもなりそうな、「心の旋律」
作ったのは和奏のお母さんで、教頭は友人かなにかだった……とか、そんなところでしょうか。
当然、番組オリジナル曲。劇伴の浜口史郎が作っているようです。
今のところの感想は、ピアノ伴奏がすごくいいなぁ、ですかね。歌もいいですけど、まともに聞けたのはEDの二重唱だけだからなぁ。
今後、歌われる機会は多いでしょうかね。
ところで、そのED。来夏と紗羽、つまり瀬戸麻沙美と早見沙織の二重唱(デュオ)だったわけですが、瀬戸麻沙美が高音パート、早見沙織が低音パートでした。
瀬戸麻沙美の歌声は高いところで綺麗に伸びますね。ソプラノにぴったりです。『ちはやふる』の「そしていま」で素晴らしい歌唱力を見せてくれています。
早見沙織は、アルトにぴったりすぎます。高い声を出してもあまり高い音にならないですから。『そらのおとしもの』の主題歌を担当したデュオグループblue dropsでは、早見沙織が主旋律を歌うバージョンと吉田仁美が主旋律を歌うバージョンがありましたが、僕の感想ですけど、後者の方が圧倒的にいい音楽になっていました。1人で歌わないのなら、早見沙織の歌は下ハモリにぴったりです。
それと、発見してしまったのですが、EDクレジットによると、去年の発表会で声楽部が歌っていたのは「goin' my way!!」だったようです。そう、第1話の終盤で来夏が街中で歌っていた曲ですね。ただ歌の練習をしていただけではなく、失敗した曲を練習していたのでした。
でも、曲名ならまだしも、あれ歌詞に英語が入ってたぞ。駄目というルールはたぶんないはずですが、英語詞が入ると合唱としての完成度が低くなりがちなので、好まれません。まぁでも、「Oh My Soldier」なんて有名な合唱曲もあるし、一概には言えないのですけど。
つぶやき
飲酒運転を「よくないもの」だとちゃんと分かっていない子どもな大人って本当にいるんだ……と感じた今日この頃。こりゃあなかなか減らないわけだ。賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ、ってすごい言葉だよね。


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