中二病でも恋がしたい! Episode X「聖母の・・・弁当箱(パンドラ・ボックス)」 感想!
今日の神酒原は本気モードDEATH。
ついに恋人同士に!
中二病でも恋がしたい、今までもとても面白かったですが、ここに来て神回到来です。
僕が「神回」という言葉を使うのは、非常に珍しいのです。それくらい、今回は面白かった。
ついに。
ついに!
勇太と六花が、恋人同士になりましたよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!
この瞬間をどれだけ待ちわびたことか。一番楽しみにしていたシーンを、最高の演出で最大限に楽しませてもらいました!
前回、吊り橋効果も相まって勇太への気持ちを明確に意識した六花。
前回だけでは分かりかねましたが、勇太も同じだったようです。思わず「六花ぁ……」と呟いて一色に聞かれるアバンが面白かったw
今まで六花を「中二病患者」としてしか見ていなかったからこそ、六花を抱きしめた時の感触に衝撃を受けたのでしょうね。
すぐにでも折れそうな、細い体。
どうしようもなく、女の子の体。
今まで意識していなかったからこそ、異性としての意識が爆発的に上がってしまった。
くぅぅ~っ、甘いなぁ。甘酸っぱいなぁ。青春だなぁ。恋っていいなぁ。
……甘いなぁとか言ってるけど、女の子の体の感触なんて知らないですけどねw
妹は抱き締めたことあるけど(みんなが想像するアレコレじゃないからね!ガチの危険な状況で咄嗟になんだからね!)、あいつ僕と身長同じだから全然折れそうじゃなかったぜ。
って、僕の話はどうでもいいのだ。
勇太は一色に、六花は凸守に相談する流れは対照的でよかったです。
前回あんなに尽力してくれた丹生谷がちょっと可哀想ではありますが、まぁ六花が心を許すといったら凸守だもんねー。まさかの百合展開キター!(来てません)からのアドバイスシーンへのシークエンスは見応えがありました。たぶんここがシリーズ通しての凸守のハイライト。六花の方に頭を預ける凸守が切ない……。
ちょっと凸守の話をしたいのですが、頭を預けているシーン、これはマスターを取られる寂しさを表していると見てたぶん間違いないですよね。
本当に百合だったとかそんなことはないと思うけど、六花の恋は本当に衝撃的だったはず。「このマスターに限ってそんな」とか思っていただろうし。
しかし凸守としては、祝福したい気持ちが第一。なによりも大事なマスター、六花の想いなのだから、大切にしたい。幸せになって欲しい。でもちょっと寂しいな……という、微妙な乙女心。
すごくいい子だな、と思いました。
丹生谷の招集をほっぽり出して2人で帰路につく勇太と六花ですが、ここからはもうニヤニヤの連続で、連続しすぎて、もうほっぺの筋肉がどうにかなりそうでしたw
前回に引き続き、やはりスライディングの切れが悪い六花、2人とも転んで傘が2人の顔を覆い隠して……というシチュエーションがやばすぎます。どこぞのおっぱいダイブなんかより遥かにドキドキする! どこのとは言わないけど!
そして告白シーン。
都市明かりをバックにした橋の下の告白は、とても美麗な映像も相まってすごく素敵でした。
それ以上に言葉はありません。恥ずかしそうに、でも素直に自分の気持ちを言う六花も、少し手探りながらも真剣に六花に向き合う勇太も、最高でした。輝いて見えました。
心から祝福したいです。
告白する前、六花の言った「光が走ってる……」
この時の明かりは、たぶんパパの死の時に見た不可視境界線のように見えたのでしょうね。
だから六花は、淀みなくするりと告白の言葉を言えた。
六花がパパから力をもらっていたのだとしたらさらに素敵だなぁ、と思いました。
どうなる邪王真眼
ファミレスのケーキを「また味が落ちた」と一蹴する十花さん。イギリスの本店から修行に来ないかと言われたということで、マジのマジにすごい人なのでした。僕もちょっと、料理が上手いだけでその辺の飲食店で働いているものだと思ってました、すみません。
おや、こんな夜中にお玉の鳴る音が。これはもしやリリス!(ぇー
さてさて、勇太と六花が結ばれてめでたしめでたしなところ、そうは問屋が卸さないとばかりにシリアス展開リターンズです。
ママは逃げたって言ってたらかてっきり蒸発だと思ってたけど、ただ親の義務を放棄していただけのようですね。岡崎さんじゃあるまいし……。
六花のやることを肯定し続けるのか、その命題に勇太がぶち当たってしまいました。
勇太個人の考えでは、六花はあれでいいし、ああじゃないとむしろ六花ではないとも思っているようですが、今回試されたのは客観的な視点。
つまり、第3者が現れてしまったのでした。
文化祭の日に、六花のママから渡されてしまった弁当箱。
現実が詰まっていたと勇太は言っていましたが、ママという明確な第3者が入ってしまったことにより、勇太は主観的な見方を封印せざるを得なくなってしまいました。
勇太と六花、そして十花さんくらいの間の問題ならば主観的な話でどうにかなる。が、ここまで話が広がると、そうも言ってはいられない。
まるで、社会の縮図ですね。
中二病は社会的には排他的なのだから、六花はいずれは卒業しないといけないのか……というのはアニメ感想ブロガーの間でもしきりに言われていた問題ですが、ママを通してこの問いかけが行われた形になります。
なかなか酷いシナリオです。一見家庭内の問題なのにその実は社会的な問題になっていて、これではママが本当に「第3者」。このママは六花の親にはなれない、と言っているようなもの。
まぁ、夫の死があったとはいえ一度家庭を投げ出した人間なので、自業自得ではあるのですけどね。
そして勇太は、「眼帯を取れ」と言ってしまいました。
社会的には、それでいいのかもしれない。でも……。
当然、一時的に混乱状態になるわけで、パフォーマンスは丹生谷と凸守が代役で出ることに。なんで着替えのシーンで技の披露があったんだろう(なんで本番で見せてくれなかったんだろう)と思っていたのですが、まさかこんなことになるのだとは……。
でも、一番の衝撃はCパート。
な、な、なんと、六花の邪王真眼がなくなっているではないですかぁぁぁぁ!
魔力が切れたのー!?
えー!?
これの意味は、次回へ持ち越し。
いろいろな意味が考えられますが……。
くそう、気になって眠れる気がしない……。
武本演出がすごい
僕が今回「面白ぇぇぇぇぇ!」と大興奮だったのは、お話がよかったというのもありますが、映像面でも素晴らしいものを見せてもらったからでした。
今回の絵コンテ・演出は、武本康弘。
少し前まで、『氷菓』の監督をしてましたね。『氷菓』では今までの京アニにはない取り組みがいくつか見られて、武本康弘のカラーが色濃く出ていて非常によかったです。
そんな彼が演出担当ということで、僕はこの第10話を楽しみにしていたのです。
期待以上も以上、アバンの時点からビリビリ来る映像演出に僕は目が釘付けでした。
武本康弘の演出の特徴は「緩急」にある……ということは、僕はもう数え切れないくらいに言っていますが、これは言い換えればシーンとシーンのつなぎ目が自然だということ。突発的にシーンが変わっては、よい緩急にはなりません。
時には大胆にカメラの位置を振りつつ、時にはフィックスでじっくり見せつつ、俯瞰や仰視などの特殊なパースを効果的に使う……。
今回、たぶん見た目よりもシナリオの量が多かったと思うんです。よく見直してみたら短い時間にたくさんのことが起こっているシーンが多くて、巧みに演出しているからこそ、全体的な流れがとても自然だったんだなぁと。
六花が魔方陣に座っているところなんか最高でした。
あのあたりの六花と凸守のやり取りは、動きやカットの切り替わりのタイミングがいちいち絶妙で、唸らされました。『氷菓』の最終話を思い出しましたよ。
武本康弘が大好きな大振りぐるぐるカメラワーク(キャラなどを中心にしてカメラが大移動する感じ)がなかったのは残念でしたが、まぁしょうがない。
だいたいどの作品でも、武本康弘が関わった部分ではカメラがぐいんぐいん回るのですが、今回はそんな大振りの演出はいらない内容でしたからね。
『中二病』では、第6話の一色回が三好一郎演出回でやはり最高の映像を見せてくれましたが、その時はストーリーが一色ベースだったので、ストーリーの面でも大きな盛り上がりを見せた今回が最高傑作だと感じています。
もう幸せ。アニメオタクでよかった。
もう残すところ少ないですが、他はだれが演出するんだろう……。
『中二病』でまた担当してない演出家は、山田尚子、石立太一、小川太一……くらいですかね。山田尚子は次回作『たまこまーけっと』があるので『中二病』は参加しないとして、とりあえず石立太一の演出は見たい!
彼が担当した『氷菓』の第3話がすごく記憶に残っています。
ああ、高雄統子が京アニに残ってたらなぁ……なんて思ってみたりもして。彼女の演出と『中二病』はすっごく相性がよさそうなんだよなぁ。
だれが演出しようと、次回以降もきっと面白いはず!
最終回に向けて盛り上がってきました。勇太と六花の行く末を、全力で見守りたいと思います。


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