とある科学の超電磁砲S #6「あたし…みんなのこと見えてるから」 感想!
絶望感が半端ない中に、確かに輝いている希望。
アニメ版の特長
アニメの超電磁砲の2期は難しいだろうな、って僕は放送前から思っていたのです。
僕に限らず、原作既読者のほとんどは恐らく同じことを思っていたと思います。
どういうことかというと、今やってるシスターズ編、基本的には美琴一人のお話なのですよね。原作未読者でも見ていればなんとなく分かると思いますし、禁書目録の1期を思い返せば、佐天さん春上さんはもちろん、初春や黒子すら出てきていないことが分かります。
でもアニメの超電磁砲は原作以上に4人の関係性が強調されており、1期最終回のサブタイは「Dear my friend」でした。まぁ曲名に合わせただけってこともあるけど、「友情」が根幹テーマの一つであったことは間違いないと思います(と、いうことを1期の最終回に書いたら反論を頂いたので、人によっては感じ方が違うのでしょう)。
そしてその状態で2期をやるとなると、美琴以外の3人、春上さんも合わせて4人をないがしろにするわけにはいかない。本当に美琴だけで話を進めちゃうと、「1期はなんだったの?」となるんですよね。
でも、原作通りの2期にするなら、美琴以外のキャラに出番がない。
これは難しいです。
実際、今まで美琴の奮闘の合間合間に残り4人の日常的なシーンが何回かインサートされましたが、上手く親和性が出るように気をつけていることが感じられはするものの、「浮いている」と感じる人は多いようです。
僕は上手いことやってるなぁと感心しているのですけどね。
しかし今回、「なるほど、これはいい」と感じました。
圧倒的な絶望感の中で美琴はベンチで夜明かしをし、その後、20以上ある研究施設をどうこうしようという決意を固める……
……のですが、原作とは違って、この過程にワンクッション置いてきました。
黒子や初春、ましてや佐天さん春上さんにはとてもじゃないけど話せない実験内容ですが、4人は苦しむ美琴を見て、きちんと支えてあげるのでした。
私たちがそばにいるよと。
抱えきれなくなったら相談してくれと。
結局美琴は相談しないわけですが(いくら仲のいい4人とはいえさすがに話せません)、4人の後ろ盾は確かに支えになったはず。
1人じゃない、というだけで、心持ちはだいぶ違うでしょう。
希望と言うには少し大袈裟かもしれないけど、美琴は「この件を一刻も早く片づけてこの日常に戻る」といった決意ができたのではないかな。
今回は黒子たち4人をとても上手く使えてたと思います。
次回はどうやら黒子たちが主役?になるようだし、もっともっと絡んでいってもらいたいですね。
ところで、今回のサブタイにもなってるセリフ「あたし…みんなのこと見えてるから」
これ、だれに向かって言ったセリフなんでしょ?
見る前は、当然のようにシスターズに向けて言うものだと思っていたのですけど、どうもそうではなさそうで、でも黒子たち4人に言ったのだとしても少し状況的に無理が……。
どういう意味があるんだろう? このセリフだけどうにも理解できませんでした。
(追記)
いろんなブログを回らせてもらって、素晴らしい解釈を見つけました。
アニメな日々、漫画な月日
皆が見えているからこそ皆で動けない。
僕はファミレスのシーン、「みんなが美琴を気遣うシーン」だと思っていたのですが、美琴も同じくらいにみんなを気遣っていたのですね。こんなことに気づけなかったとは、僕は原作ファン失格だな。
(追記ここまで)
感想
今回の絵コンテは福田道生、恐らく今後もあと2回くらいはやるんじゃないでしょうか。
福田道生はいろんな作品で絵コンテ切ってるスーパーコンテマンですが、僕個人の感想ですけど、彼のコンテ回ってピンからキリまであるのです。ただキャラクターが動いてしゃべってるだけのフツーの絵作りの時もあれば、バッチリ決まってて超面白い時もある。多くは前者だったりするのですが……
今回は後者でした。
むしろ初回を除けば、2期では一番よかったかもしれない。
特に美琴vsアクセラレータ、僕がアクションシーンで常に懸念しているのは「漫画通りすぎるカット割りになってしまうこと」なのですが、原作とはかなり違うバトルシーンになっていて、非常に見応えがありました。
その上で、原作のカット割りも効果的なところはきちんと使う。
素晴らしかったです。
特にレールガン撃つところは痺れました。アニメで美琴がレールガンを撃つ時の定番カメラワーク、しかしそれがバッチリ決まってました。
そうなってくると、アクセラレータの圧倒的な強さもしっかりと強調されてくるわけで……
AIMバーストを倒した時のような出力、もしかしたらそれ以上の本気を出しているかもしれないのに、アクセラレータは立ってるだけですべての攻撃を弾いてしまう。
能力の差ではなく、能力の質によるもの。
努力したって追いつけない、美琴では絶対に勝てない相手。
絶望感が半端なかったです。あの男の登場が待たれますね。
今回は布束砥信も再登場。
彼女がマネーカードをばら撒くようになった経緯がきっちりと明らかになりました。
アスペクト比を縦に狭くするあの演出、いいですね。
美琴のクローンの噂話の時にも使われたやつですが、今回はミサカが外に出た瞬間にアスペクト比が元に戻るという開放的な演出になってて、鳥肌が立ちました。
情報が感情として蓄積されないからこそ、純粋なまま世界を捉え、その世界を眩しいと表現したミサカ。
この瞬間からクローンとは思えなくなった……という布束の気持ちがよく分かります。
いやぁ、アニメ超電磁砲面白すぎてやばいです。
ストーリー的に本当に面白いのはこれからなのだから、なんかもう次回、次々回が待ちきれません。
7話か8話には、ついに……


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