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とある科学の超電磁砲S

とある科学の超電磁砲S #14「約束」 感想!

上条さんがかっこよすぎる……

 
 
 
感想
禁書の時とまったく同じシーンの連続。
なのにこんなにも見方が違うというのは、今までも感じていたことですが、今回特に感じました。

禁書の時の橋の上って、僕たち視聴者が実験のことを知るタイミングは上条さんとほぼ同じ(少しだけ早い)ですから、美琴の言ってることって、はっきり「間違っている」と感じることができたんですよね。
心は完全に上条さん側。となると、美琴が死ぬなんてのは間違った選択肢だという発想は当然のように受け入れられます。
だからこそ面白い、ということもあった。これは美琴を助ける物語であると同時に、美琴は上条さんの説教の対象でもあったわけです。

ところが今回。
僕は2人の会話を聞きながら、美琴の言ってることが間違っていると思うことが、まったくできませんでした。

僕たち視聴者は、美琴が実験に対して今まで行ってきた抵抗を知っています。
あがきを。
苦しみを。
絶望を知っています。
あれだけのことをやってきて、未だに実験は予定通りに行われている。美琴の武力介入により生じた変化なんて、実験により甘い汁をすする人間が少々変わったというだけです。天井とカイツが実験の譲渡について論争していたシーンは、なんでもない敵情に見えて、美琴の無力さを象徴するシーンでした。

そんな中。
一方通行の映像によってシスターズの死を見せつけられ。
もうあとがない美琴。
そんな時、自らが死ぬことによって実験の前提を覆し、シスターズを助けるという発想に辿り着くことが間違っているなどとは、僕にはとても思えませんでした。

もう死ぬしかない。
最初の一手で死ぬしかない。
1人が死ぬことによって10,000人の命が助かる……。
どこに間違ったところがあるというのだろう? そう思わせる説得力が、今までのエピソードにはあったと思います。

しかしそんな時に、上条さんの言葉は力強い。

「心配したに決まってんだろ」

このセリフを聞いた時、僕は思わず泣きそうになりました。
上条さんは、この男は、お節介焼きのヒーローは、実験の内容を知ってもなお、こんなに力強い言葉を美琴にかけることができる。
もちろん、彼は美琴が今まで受けてきた苦しみや絶望を知りません。状況が状況なら、ぽっと出のお前が知ったような口を利くな、と一蹴することもできたかもしれません。

だけど、美琴が死ぬ方法では「美琴」が救われないという言葉。
そんな方法では、だれも救われないという言葉。
この言葉たちに、僕はとても嬉しくなってしまいました。

美琴のことを見てくれる人がいる。
美琴のことを考えて、美琴も助けたいと思ってくれる人がいる。

なんて素敵なことでしょうか。
もちろん、黒子や初春、佐天さんだって、もし美琴の事情を知る機会があれば、美琴のことを見てくれたでしょう。
でも今回は上条さんが美琴を見つけた。まぁこれはいわゆる主人公補正というやつで、これに対してなんやかんや言うことはありませんね。

上条さんなら、美琴を救ってくれる。
みんなで笑って帰れる道を、きっと示してくれる。
実際に実験を止める方法を見つけ出し、泣くなよと美琴の頭を撫でるシーンは本当にじーんときますね。こんなの惚れるなって言う方が無理な話ですよもう。上条さんがかっこよすぎて最高です。

見方が違うと言えば、黒子もそうでした。

なんか今回、いろいろと黒子の心境も語られましたけど、「アニメでは黒子たち超重要だから……」という足かせをどうにかするために語らせた、という印象がありました。
まったく描写されないのは変ですしね。
かと言って、原作通りにやるのならガッツリ関わらせることもできない。無理すぎる条件の中上手い妥協点を見つけたな、という感じです。

しかし、禁書との比較という観点で見てみると。

禁書の時の黒子って、公園で「まぁまぁお姉さま」と登場したのが初登場で、次に登場したのが上条さんが寮に来た時で、ほとんど印象がなかったんですよね。むしろ当時のアニメブログなどの反応を思い出すと、「なにこのババァ声!」と新井里美に対するツッコミが多かったように思います。それなのに今では「この声でないと駄目」とまで言われるようになって……。

おっと、少し話がずれました。
(ちなみにアニメ禁書での黒子の本当の初登場は、一番最初のインデックスの記憶騒動、上条さんが神裂に敗北した直後ですね。神裂が斬り飛ばした風力発電のプロペラが道路に突き刺さってて、その騒ぎに黒子がいました)

ともかく、禁書の時と比べると、視聴者は黒子に関していろいろな感情があります。
そんな中、じっと待つことを決めたのにも関わらずそわそわしてしょうがない黒子の様子は、素直に胸を打ちました。美琴を見ているのは上条さんだけではない。黒子だって美琴を見ているのですから。

禁書の時の黒子は、視聴者からするとただの変態でしかありませんでしたが、今では違う。
そう思うと、ああ、それだけで黒子サイドを描いた価値はあるな、と思えました。

しかし、毎回のことだけど、作画がとんでもなく素晴らしいですねw
禁書の時だってハイレベルな作画だったんだけど、数段パワーアップしていると感じさせます。
今回の絵コンテは佐山聖子。聞いたことあるけどよく知らないぞ……?と思って調べてみると、なるほど、僕は『さくら荘』で名前を見ていたようです。僕は彼女の監督作を1つも見てないですが、監督デビューが97年のベテランですね。美琴が二撃目を放った時の引きのカメラワークは息を飲みました。

次回からは、とうとう、とうとう!
上条さんとアクセラレータの激闘が始まりますよー!!!

禁書の時の超絶作画をよく覚えています。
予告の時点でなんかもう作画がとんでもないことになってますね。VSアイテム以上に、全力を投球してくることでしょう。
大いに期待したい!

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2 Comments
通りすがりの幻想殺し ""
美琴の電撃に無抵抗で耐えながら、美琴に熱い説得の言葉をかけ、さらに意識を失う直前まで実験を止める方法を考え続けるなど、このシーンの上条さんは、いつ観ても本当に凄まじいですねw
しかも、手負いの状態で、みんなで笑って帰るために、学園都市最強の能力者とサシで戦おうとか、そりゃ惚れてしまいますよねw

黒子に関しては、美琴が頻繁に口にしている『あのバカ』について言及しなかったのが残念です。 あれは黒子のライバル心や嫉妬と期待がないまぜになった複雑な感情がこもっていて結構好きだったんですけどね。
上条さんと美琴の追いかけっこの日々については、1期を観てない方は知りませんし、今までの流れから、あの方が自然だという判断なのかもしれませんが・・・

まあ、美琴を心配し葛藤しながらも信じて待つことを選んだ今の黒子は、禁書2期の残骸事件で美琴の『巻き込みたくない』という気持ちを知った上で、それでも強引に美琴に加勢することを選んだ姿との対比になりますね。
あの時は待つことを選んだけど、今度は美琴の力になることを、美琴自身の意思に逆らってでも選んだ、という黒子の決意を感じることができるかもしれませんね。 これも見方の違いですね。
2013.07.15 21:19 | URL | #- [edit]
神酒原(みきはら) ">通りすがりの幻想殺しさん"
いやほんとに凄まじいと思いますw
そのやり方じゃ駄目だ、それでは救われない、と言いつつも、ちゃんとその代案も考え続ける。しかもきちんと答えを出す。いいですよね。普通こういう状況の時って、たいていは代案を先に考えてからやって来そうなものですが、上条さんの場合は資料の発見からここまで余裕がなかった、ということもあって「説得しながら考える」という状況がかっこよく感じます。

>それでも強引に美琴に加勢することを選んだ姿との対比になりますね。
おお、確かに。これには気づきませんでした。
このシスターズ編を見終わったあとに禁書の1期を見たら違った面白さがありそうだな、とは思っていましたが、そうなると2期も違った見え方ができそうですね。
たぶんこのシスターズ編、終わったあとに黒子や初春たちの心理描写とか増えると思うので、そちらも楽しみにしたいです。また見方が変わるかもしれない。
2013.07.15 22:45 | URL | #- [edit]
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