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禁書目録原作

『新約とある魔術の禁書目録7/8』/鎌池和馬 感想!

9巻を読む前に書いておきますよ、っと。

 
 
 
7巻も8巻も感想を書いておりませんでした。
別に書きたくなったわけではなくて、読んだ直後は忙しくてタイミング取れなかったんだけど、時期すぎるとなんか今さら書いてもなぁ……感ばかりが募って、結局9巻が発売されるという。
禁書目録の原作はすべて感想書こうって思ってるけどだいたいこんな感じで遅れたり書かなかったりが多いんですけどね、ワタシ。

本当だったらもう9巻読んで9巻の感想書きたいのですが、8巻ラストの展開がアレだっただけに、さすがに一筆残しておきたいなと思いまして、今さらながら書いてみます。
読んだ直後でないから、細かいところをいろいろ忘れてると思いますが。

7巻
まとめ感想なので、今までは超詳しく語ってたんだけど、今回は簡易気味に。

なんだか久しぶりのような気もする科学サイドのお話、面白かった!
……んだけど、前巻が面白すぎた反動なのかなんなのか、パンチが足りない印象はありました。

一番納得いってないのは序盤の学び舎の園侵入事件ですね。
いや、これはこれで面白かったんだけど、そのあとに起こるシリアス展開と完全に水と油になっているというか。ようは土御門が上条さんを事件から遠ざけるために学び舎の園に送り込んだわけですけど、土御門の今回の行動原理は「義妹を殺された復讐」であり、なんか、「それで上条さんにいつものドタバタ展開させるのは違うなぁ……」と感じてしまいました。

舞夏が死んだ、ってなった時は血の気がサーッと引きましたけどね。
なんだかんだ死人の少ない禁書目録シリーズ、ここのインパクトはとにかく絶大でした。
……結局は死んでないわけですけどw
この落ちで僕はよかったと思いました。死人が出るのはいいんだけど、本当に戦いとはまったく関係ない舞夏のようなキャラが死ぬような悲劇はこのシリーズには似つかわしくないなと思うので。

土御門はかっこよかった!
いつか絶対、この男にはかっこいいエピソードが用意される、とは思ってたけど、ここでしたか。

その他には、「ヒーロー」というワードを中心にしっちゃかめっちゃかになる展開がありましたが、この辺は少しとっ散らかってしまった印象。
アクセラレータ、きれいなていとくん、美琴、むぎのん、みさきち、削板、もしかしたら第6位もいたかもしれない……というレベル5大集合は面白かったですけどね。「みさきちはこういう混戦に強いけど混戦すぎると逆に弱くなるんじゃね……?」なんて思っていたらガチの大ピンチに陥ったりと、細かいシチュエーション作りは安定の面白さでした。このシーンはぜひアニメで見たいね。

浜面と黒夜、上条さんとていとくん、などなど、新しい組み合わせが見られたのも収穫だったかも。
……と、思い返してみると面白かったポイントがけっこう多いんだけど、読み終わった時は若干「うーん……?」だったんだよなぁw 他になにが不満だったんだろう。読了直後に書いておくんだったな。

8巻
全体的なことを最初で言っておくと、続きが気になる度は圧倒的なんだけど、満足度はそれほど……という感じ。

ついにオティヌスの野望が……!
という緊張感はよかったし、なんともまとまり切れない味方側が着々とグレムリンに押されていく過程なんかは手に汗握ったけど、読み終わった時の気持ちは「中身必要か……?」でした。

例えば、フレイヤとの戦闘。
グレムリンはサルガッソーにだれも立ち入らせたくないわけだから、そこへ向かおうという上条さんたちには当然妨害があるわけですけど、フレイヤのドラマは必要だったんか……?と思ってしまいまして。
酷い言い方をしてしまうと、個々のドラマが薄い、というのかな。特に今回は上条さんたちの目的が「サルガッソーへ辿り着く」とかなり明確だったため、どうしても「通過点」という印象がぬぐえず。

他にもいろいろな場所で戦いがあったわけですけど、特にステイルの戦いは序盤しか描かれてないし、総じて「必要か……?」という感じでした。
やたらページも太いし、これだったら無駄を省いて新約2巻くらいの厚さでも満足できるのではと思うのです。9巻に続くわけですしね。

ただ、その「9巻に続く」というところがあるので、この時点ではまだ強くは言えないわけですけど。
サルガッソーには辿り着いたが一歩及ばず、世界を破壊したオティヌス。このせいですんごく「終わった」感があるんだけど、当然終わるわけにはいかないので、なんらかの形で面白くなる仕掛けがあるはずですからね。

その辺、不満が強く残った巻なんですけど、そればかりではもちろんありません。
マジでオティヌスの思い通りになってしまったラストはかなりの衝撃でしたし、なにより前半は文句なしに面白かった!

今回のラブコメ担当はバードウェイとレッサー。
当然ラッキースケベを起こしてしまう上条さんなんだけど、今回の担当2人がスケベされても平気なので実に斬新でした。いや、バードウェイはスケベ気にするんだけど、なんというかな、2人とも堂々としてるよね。時差ボケで眠くてバスタブで一緒に寝ちゃうところとか、ベンチでの一幕とか、超好きです。ベンチでの一幕は美琴の乱入も面白いw

バードウェイやレッサーが出張ってきてもちゃんとインデックスと美琴が活躍する、ってところも好きですね。
特に美琴は新約に入ってから優遇されまくってますのう。人気のあるキャラを多く活躍させる、っていう商業的な理由もあるんでしょうけど。
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2 Comments
蓮の杖 "タイトルなし"
>学び舎の園侵入事件

これはみさきちを書きたかったから1章も使っちゃったんですかね、そうでなければ上条さんがみさきち(inおかっぱちゃん)に会う所で「上条当麻には知る由もなかったが、第七学区に短いニュースが流れていた」で1章終わりにして、つっちーと貝積の対面時に上条さんが到着するまで描写をしないことも出来ましたから。

>読み終わった時は若干「うーん……?」だったんだよなぁw 他になにが不満だったんだろう。

話が二転三転し過ぎたのが原因でしょうか。学び舎の園、つっちーの復讐、そして人的資源計画、登場するキャラも目まぐるしく変わり各キャラには事件の全貌が把握できない群像劇的構造になっているのに、上条さんが担当する部分のウェイトが大きすぎてバランスが悪く感じたのかもしれません。

>グレムリンはサルガッソーにだれも立ち入らせたくないわけだから、そこへ向かおうという上条さんたちには当然妨害があるわけですけど、フレイヤのドラマは必要だったんか……?と思ってしまいまして。
酷い言い方をしてしまうと、個々のドラマが薄い、というのかな。特に今回は上条さんたちの目的が「サルガッソーへ辿り着く」とかなり明確だったため、どうしても「通過点」という印象がぬぐえず。

これには一言申し上げないと。「サルガッソーへ辿り着く」は「オルソラをローマ正教に引き渡す」と同じで、レイヴィニアや連合のお偉いさんが御膳立てをした作戦の駒としての目的に過ぎません。上条さんにとってはナマの実感こそが最重要であり、フレイヤのドラマがたとえ通過点であっても決して蔑ろにしない展開こそ、むしろらしいと思います。
2014.01.18 10:37 | URL | #qBg15wGA [edit]
神酒原(みきはら) ">蓮の杖さん"
>これはみさきちを書きたかったから1章も使っちゃったんですかね
かもしれません。内容は内容で面白かったので、もう少し完全に切り離してもよかったんじゃないかと思ってしまいます。

>話が二転三転し過ぎたのが原因でしょうか。
あー、それかも。だから「とっ散らかってる」って感じたのでしょうかね。
確かに、上条さんのウェイト大きかったですもんね。あとから思い出して「新約7巻はどういうお話だったか」となると、一言では難しいかも。

>上条さんにとってはナマの実感こそが最重要であり
なるほど、これは納得です。

でも、オルソラの件とはまた違うようにも思います。結局オルソラは「ローマ正教に引き渡してはいけない」という、ナマの実感を伴う展開になったわけですが、駒として動いている間も上条さん自身の意思で方針を変更した時も対象はオルソラじゃないですか。当初の目的を曲げたわけですから、通過点ではないわけです。
今回の「サルガッソーへ辿り着く」はフレイヤのドラマと直接的な関係性はなくて、言ってしまえば、まったく違うドラマでもよかった。せっかく鞠亜を連れてるので、加群関係のエピソードを強化してもよかったかも。

フレイヤ戦の中身自体は面白かったですよ。彼女のドラマもなかなか感動できましたし。
でもそうだな、ナマの実感が大事ってところに立ち返ると、「到達目的がしっかりしすぎている」点の方が問題なのかもしれません。
2014.01.18 14:34 | URL | #- [edit]
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