Wake Up, Girls! 第3話「一番優しく」 感想!
どうした『WUG』
クオリティが落ちた?
これは作画の話じゃなくて、全体的なことなんだけど、今回のエピソードは前回・前々回から明らかなクオリティダウンを感じました。
シンプルなお話で勝負していくんだな、ということは前回理解したことなんだけど、シンプルで勝負するなら裏を返せばアイディア勝負を捨てるということで、単純なクオリティが求められます。
この「クオリティ」ってのは受け取る人次第でもあって、『WUG』は特に賛否両論が激しいようですが、僕は前回とても楽しめました。クオリティがあると思ったのです。
今回は思えませんでした。
なんというか、ただシンプルなだけだったというか。
これは作画・演出の問題とも関わってくるんだけど(アニメだから当然)、シンプルなストーリーをちゃんと魅せる努力が足りてないように思いました。ついでに言うと今回はシナリオ段階からちょっと捻りがなさすぎたというか、前半をアイドル活動・後半を実波の問題、と分けてしまったせいで後半がとっ散らかったというか。
前回の未夕のお話は前半と後半がつながってて、自然だったのですが。
あと、社長の考え方……ひいては作り手の考え方ってことにもなるんだと思うんですけど、これが納得できませんでした。
今回単純に面白かったのは松田さんと社長のやり取りの数々、だったりもするんですけどw
実波がライブに来ないと言い出した時、社長は特に怒りもせずに理解を示し、6人でライブをどうにかする決断をしました。
これがよく分からない。
アイドル論なんて人それぞれだし、その上僕はアイドルについて無知に近いと言っていいんだけど、Wake Up Girlsというグループとして活動している以上、1人でも欠けたら駄目なんじゃないですかね?
あまり比べたくないと言いつつ僕もよく引き合いに出しちゃってるんだけど、例えば『アイドルマスター』でも個人や「だれだれ抜き」の仕事がよくありましたが、あれはグループを組んでいるわけじゃないからよかったのでした。765プロオールスターズということで全員での活動もあったけど、あれはあの世界独特のグループ解釈で、現実だとAKB・NMB・SKEが一緒にステージに立つ、みたいなのと近いものだと思っています。
WUGの場合はグループなんだし、しかもまだ駆け出しの状態、最初の方で1人欠けてステージしちゃうと「あ、6人でもいいんじゃね」となってしまうのでは。
KAT-TUNから赤西が抜けた時にKT-TUN(クトゥーン)って馬鹿にされたのは、当初のコンセプトからズレてしまっていたからで。
これはアイドルじゃないけど、ファンキーモンキーベイビーズが解散したのは「1人欠けるとファンモンじゃないから」で。
この7人じゃないといけない、というところを事務所としては推していかないと駄目なんじゃないですかね?
でないと、せっかく実波はメンバー中一番評価されているというのに、「あの子はドタキャンをする」と業界に認識されてしまうかもしれない。
話は最初に戻って、社長は実波を説得するべきだったんじゃないでしょうか。
説得した上で実波がダダをこねるなら、実波がまだ幼くて社会的な責任というものが分かっていないというのはなんとなく分かりますから、まだ納得できます。(ただ、この幼さもちゃんと理由づけして描写しないとワガママなガキに見えかねないですが)
未夕がいないと分かった時に「連れ戻してきなさい!」と叱咤した前回の丹下社長ともなんだか少し食い違い。
恐らく作り手の意図としては、実波はおばあちゃんにこそ説得させたい、実波とおばあちゃんの交流を大切にしたい……ということなんだと思うけど、そして被災地のお年寄りたちのお日様になっている実波ちゃんというのは確かに素晴らしい描写だと思うけど、優先順位を間違えてはいけない。
これは被災地のお年寄りと交流していくアニメではないはずです。
それはあくまでサブストーリーくらいに留めておいて、実波がWUGの中でなにを考え、みんなとどう接し、いかに仕事をこなしていくか……これを描いていくのが『WUG』のコンセプトなのではないんですかね。少なくとも僕はそう受け取っているのだけど。
結局実波は間に合ったからよかったけど、遅れたことによりかけた迷惑の描写もほとんどなかったし、今回に限って言えば、「Wake Up Girlsが大切にされてないなー」と感じざるを得ませんでした。
……あとやっぱり言及しておきたいんだけど、作画、やばいですね。
ただ崩れてるんじゃなくて、脚本・絵コンテの意図をちっとも伝え切れていないだろう残念映像になっておりました。
第1話のダンスに超絶感動した身としては由々しき事態。クレジットを見ると、今回はゴンゾが作っていたようですね。Orbetとタケノコ、頑張れー。
期待したいこと
とまぁ文句しか書いてませんけど、まだまだ期待できることはあります。
島田真夢ですね。
予想通りっちゃ予想通りなんだけど、思っていた通りの展開に収まった快感もあります。I-1時代のスキャンダル問題!
今回は母親も出てきて当時相当ひどいことがあったんだなと感じさせますが、ついに来ました。元トップアイドルという真夢の設定はオリジナリティあっていくらでも面白くできそうなので、是非期待したいところです。


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