中二病でも恋がしたい!戀 Episode VI「すれ違いの・・・心模様(ヴォルケーノ・トライアングル)」 感想!
泣いた……
七宮の恋事情
京アニはなんだか、フラグをわざわざ折るのが好きですね。
『CLANNAD』の話なんですけど、何話だったかな、1期後半の智代の生徒会長選挙の時期のテニス試合にて、渚以外の失恋が描かれました。
それまでの話を見たって視聴者からは渚の勝ちが確定なんだけど、アニメは原作ゲームと違って全ヒロインが普通に集結しているので、明確にフラグを折っておく必要がありました。「だからってそんな精一杯折らなくても……!」ってくらいのバッキバキぶりでしたが、その方法は、渚とその他の違いを見せつけるというもの。
岡崎は渚が怪我した時、心配したテニス部員が渚の肩に触れるのも無意識に拒絶しました。それを見た智代や杏、椋は思い知らされるのです。岡崎の隣にいるのは渚しかいない……と。
方法は違いましたけど、なんだか七宮も似たような手法でフラグを折られてしまって僕は泣きました。
状況は似てるんですよね。丹生谷たちは賑やかしのヒロインだけど、七宮はどう考えても恋愛関係のヒロイン。だけど勇太の嫁は六花であり、正直破局なんて想像もつかない状態。
だから七宮に勝ち目がないことなんて分かり切っているんですけど、京アニはそこで七宮にどうにかチャンスを作ってあげるんじゃなくて、その逆をしてくれたのでした。
七宮も勇太のことが好き。恐らく今でも変わらないでしょう。
でも中学時代、その気持ちに気づいてしまうと、ソフィアとしての自分が薄れてしまうのを感じた。勇太のフリにも対応できなくなってしまっている。
前回、見事に比較になる表現がありましたね。六花は自分の恋愛感情と中二病に折り合いがつかなくなっている……と。
七宮もそんな状態だったんでしょう。
だからソフィアの象徴であるマフラーを取り、女の子としての自分を意識してみると、そこにはソフィアがいないことに気づいて絶望した。
中二病と恋愛感情は両立できない。
描写はなかったですけど、たぶん七宮は考えたと思います。これからも勇者のそばに居続けるにはどうしたらいいか。
どうすれば、今まで通り楽しく遊んでいられるか。
天秤にかけたはずです。中二病と恋愛感情、両立できないならどちらかを捨てるしかない。
そこで七宮は恋愛感情を捨てたのですね。だって、中二病の方を捨てると、勇者がどんな反応を見せるのかちっとも想像できないから。きっと戸惑うだろうし、今までの関係は崩れるし、もしかしたら離れて行ってしまうかもしれない。
七宮は停滞を求めてしまった。
「変わらないだけ」と自分を肯定していましたけど、これは七宮の弱さです。現状に甘んじて自ら進むことをやめてしまった七宮の弱さ。
まぁそれも、ただそれだけなら「そういう選択をした」というだけなんだけど、六花と比較してしまうとそうもいかなくて。
七宮は聞いてしまったんですよね、まだ邪王真眼を続けるのかと。本当に暗炎竜を呼び覚ますのかと。
なにを思って聞いたんだろう。自分ではできなかったことをしている邪王真眼に純粋に聞いてみたかったのか、そんなことはきっとできないから中二病を捨てろと言いたかったのか。
どちらにせよ、こう聞いてしまったことで、敗北を認めてしまったようなもの。
私はできなかった、ということを公言しているようなものですから。
そして六花は、六花と勇太はできるわけです。
いつまで中二病を続けるのか……、まぁいずれは六花も大人しくなるのかもしれないけど、少なくとも今は、中二病と恋愛感情の両立ができている。
勇太が見事に肯定してくれましたね。
自分の中にはなにもないと決めつけるのが自然なんだろうけど、なにかあるかもしれないと思うのも悪くない。
六花のことをありのまま受け入れる勇太が超かっこいいと同時に、七宮と六花の違いがますます浮き彫りになって、僕は泣けてきました。
ほぼ素の状態で中二病の世界観を構築できてしまう七宮は、確かに中二病度では六花の上を行っているかもしれない。
でもそれは中二病の自分を守るために恋愛感情を切り捨ててしまっているから。ある種の強さを手に入れるために、七宮は別の弱さも内包してしまったんですね。
2期の内容は1期と違ってかなり原作を意識していて(今回の六花の「勇太は契約のことを忘れている!」も原作からだったり)、七宮に関してはほぼ原作通りだったんだけど、今回の展開はアニオリ。
もちろん、意識しているからいい、アニオリだからいい、という話をしているんではなくて。
素晴らしい解釈と構成だなぁとすごく感心してしまいました。
素晴らしいと同時に七宮好きの僕には大打撃だったわけですが……!
その他
その他、って思わずまとめてしまったけど、まぁ主役は六花ですよね。
ラストの「す、き♡」の破壊力……!
これには勝てない……。
六花って超可愛いんだけど、それでも「あれ、こんな可愛かったっけ……?」となんだか自分の感覚がおかしくなってしまうくらいの可憐さに思わず顔を覆ってしまいました。駄目だもう。なんか立ち直れない……。
今回の絵コンテ・演出は山村卓也、2期Lite版担当の人ですな。テレビ本編で絵コンテ切るのは確か初めてのはず。
子会社アニメーションDoの人で、作監も3人中2人はDoの人でしたが今回は京アニとDoのスタッフが入り混じってますな。『Free!』みたいにDoだけで作るってことはまぁないか。
今回は六花と七宮のお話だったんだけど、ちらほらと別の話も進行中。
モリサマ軍団が面白いw 脇が面白いと内容がぐっと引き締まりますね。
一色については、「そこ! 一色outで風鈴ちゃんinだろ!」とか思っちゃったけど、班とはぐれた一色をちゃんと気遣うクラスメイトちゃん優しい! そしてケータイで連絡を取るという手段を忘れていた一色……w
凸ちゃんは試験休みで朝寝坊。
相変わらずいがみ合う凸守と丹生谷だけど、「凸守の声を聞きたくなった」とか「元気してるか」とかそんな言葉を期待してたんかこの子はw
ナチュラルに森凸っぷりを見せてくれますねー。ごちそうさまです。
そして密かに進行していた謎ページ騒動は、サイトの主がマビノギオンのマニアックな質問にもどうやら答えられたらしいという超展開にw
地味に気になるぜこれ。いったいどうお話に絡んでくるんだろう……w


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