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Wake Up, Girls!

劇場版『Wake Up, Girls! 7人のアイドル』 感想!

起きろ女の子! 面白かったけどいろいろもったいない……!
なお、神酒原はテレビシリーズの第8話までを見ております。

 
 
 
全体感想
やっと見ることができました、『WUG』の劇場版。
最初に言いたいことがひとつ。

……一番最初に見るんだったっ!

いやぁ、激しく後悔しましたよ。この映画はテレビシリーズの前に見た方が絶対に面白かったと思うのです。
確かに面白かったんだけど、僕は見る前、前日譚を想像していたんですね。漫画本編の過去を描いた『喰霊』のアニメ版とか、主人公の2年前を描いた『テイルズオブヴェスペリア』の劇場版とか、僕は読んだことないけど『化物語』に対する『傷物語』とかもそうなるのかな。そういう類の、あくまで本編の補完としての番外編。
ところがこれ、前日譚ではなく「第1話」でした。

まっとうに続きモノ。
なぜ劇場版として切り離してしまったのか、不思議でなりませんでした。

劇場版って、テレビシリーズに比べてどうしても敷居が高いんですよね。だから「見て得した」っていうオマケ感と、「見なくてもそれほど損はしない」という妥協点が必要だと思うのです。

あ、余談だけど「敷居が高い」って↑みたいな使い方は誤用なんですけどね。自分が悪いことして気まずい時に使う慣用句なんです。正しくはなんて言うんだろう。「アクセシビリティが悪い」? いい日本語はないかねー。
閑話休題。

『WUG』の劇場版は間違いなく「見ないと損する」もの。しかもこれはクオリティが高いから見ておけ、「ナポリを見て死ね」みたいなものではなく、見ておかないとテレビシリーズの理解度すら落ちてしまうもの。
だから、内容は面白かったのに、僕は「見て得した」ってよりは「見てやっとスタートラインに立てた」って感じがしました。しかも厳密にはスタートラインですらなく、「先に見ておけばよかった」という後悔つき。

そこは確実に評価を下げるポイントですねぇ。
面白いことをやろうとして完全に裏目に出た形。

……と、文句はここまでにしておいて。

この映画単体では間違いなく面白かったです。
テレビシリーズでは残念すぎる作画もなかなかのものですし、ラストのダンスはやはり感動しました。テレビシリーズですでに見ていても、ね。いい作画でいいシーンを作ると何度見ても楽しいものです。

松田さんもスキルがないわりにきちんと仕事してるし、最後に発表の舞台を用意してくれたのもかっこいいと感じました。これこそマネージャーの仕事! テレビシリーズでゴロツキPが「マネージャーはアイドルをステージに立たせるのが仕事」って言ってましたけど、ちゃんと仕事してるじゃないですか松田さん! 学生メタルバンドの対バンイベントの飛び入りという残念仕様なのはご愛嬌。不満は吐いてもステージへのやる気は消さない、そんなアイドルたちの姿勢も松田さんの頑張りを労っています。

そして劇場版はWUGの結成秘話。
秘話じゃなくて第1話だろ!ってのはさっきの突っ込みだとして、バラバラの理由で集まっていくメンバーってのは見ていて面白かったし、主題の「島田真夢の加入」もとてもいいドラマでした。

僕が注目したいのは、松田さんが買ってきたI-1のDVD。
かつての真夢がそこには映っていたんですけど、これが別人かと見紛うほどに輝いていて、僕は感動してしまったのです。

また作画の話なんだけど、この「別人かと」っていうのは別人レベルで変貌しているということじゃなくて、確かに島田真夢本人だって分かるんだけど、アイドルを辞めてしまった今とは輝きが段違いだということ。
前髪が短い、というのはいいアイディアですよね。
この時の真夢は本当に輝いていて、笑顔が可愛くて、「ああ、ファンの人たちを幸せにしているんだろうなぁ」と素直に思うことができました。
これを作画できちんと表現できるのはすごいことだと思うのです。まぁこの「すごい」は、あくまで僕の主観なんですけどね。

松田さんはその真夢を見て、彼女には人を幸せにする力があると確信した。
だからアタックを続けたのですね。優柔不断な彼にとって、あれだけの猛攻は後にも先にもないかもしれません。

そして「自分を幸せにするために」再びアイドルをやろうと決意した真夢はWUGへ駆け込み加入。
真夢の加入に慎重になる佳乃など、個々の反応もちゃんとテーマがしっかりしていて、とにかく見ていて楽しかったです。
このドラマがしっかりいていたからこそ、初ライブにも感動できました。

……普通にテレビアニメとして作ってくれれば、と思わずにはいられないw
こんなに面白い劇場版『WUG』も続きありきですからね。本当にもったいない。

映像表現
……ヤマカンが、ヤマカンが帰ってきたぞー!

って叫びたくなるくらい素晴らしい出来でしたw

この作品はヤマカンこと山本寛が監督なので、監督が絵コンテを切るってのは当然考えられることなんだけど、この劇場版は全編にわたってヤマカンらしさが全開でした。案の定、クレジットでは絵コンテにヤマカン1人。

ヤマカンって京アニを出てから、どうにも作り方のスタイルをガラッと変えていたんですよね。
彼の絵作りって特徴的だったからすぐに分かりました。『かんなぎ』、『フラクタル』、どれも好きな作品ですけどヤマカンの表現力としては確実に落ちていると僕は感じていました。

しかし今回はヤマカンらしさが大爆発!
いやぁよかったです。ラストのダンスもそうですけど、本編各所、とにかくフィックスが多かったですね。このカメラ固定はヤマカンが京アニ時代に多用してたやつなんだけど、京アニを出てからは封印していたもの。WUGとして結成した6人の帰り道のシーンなどに使われてましたが、それぞれのキャラクターの演技がしっかり描写されていて最高の映像でしたよ。

テレビシリーズで絵コンテ切ってないのを不思議に思ってたんだけど、劇場版の方をやってたからなんですね。
あとはたぶん、彼自身会社の社長だし、スケジュール調整に追われているとか。テレビシリーズでも彼の絵コンテ回を見たいなぁ。

社長が不満
社長の描写がね、ちょっと意味不明すぎてw

松田さんについては、前述の通りちゃんとした活躍が描かれていて好印象だったんですけどね。だからこそテレビシリーズでは第8話になってもマジで役立たずなのが「うーん……」なんだけど、まぁそれは別の問題。

社長ですよ社長。

突然資金持ち逃げをした……っていうのはテレビシリーズ見てても分かることですけど、テレビシリーズでは「ちゃんと仕事を取ってきてチャラ」という描き方にしていたんですよね。そして僕は、その描き方に満足しました。やったことはやったことだけど、信用を取り戻すには仕事で結果を出すこと。丹下社長はちゃんと結果を出したと思ったのです。

ところが実際に資金持ち逃げをしたシーンを見てみると、なんとまぁ、本当に理由が不明じゃないですか!
しかも言い逃れができないレベルの悪事。CD作ってプレスまで終わってるとか、迷惑ってレベルじゃないですよ。
これ、仕事で挽回したからって許していいの? となってしまいました。仕事で結果を出している、それはいいんだけど、このままだとこの人、また逃げますよ。

WUGのデビューがピンチに追い込まれる、という状況を作るためにしても上手くない。結局社長が逃げた理由が分からないんじゃ視聴者としては彼女をどう捉えていいか分かりません。いや、事務所のメンバーも簡単に信用しちゃいけなくなるんだけど、そうなっていないのは作り手の意識の低さかなぁ。テレビシリーズにおける「早坂にすべて任せる」という展開も僕は評価していません。いったい社長がなにを期待しているのかがまったく見えないからです。

もしかしたら今後の展開でなにかフォローが……という可能性もあるけど、とにかくここだけ突っかかってしまいました。

キャラクター
少しだけ個別に。

第7話「素晴らしき仲間たち」で、僕は夏夜のことがお気に入りになりました。茶髪でワンレングスの子。未夕と共に年長者で一番大きい。
それまでも一番冷静な子って感じはしていたけど、第7話ではまさに冷静だったんですね。お腹が空いたとしゃがみ込んだ実波のためにカロリーメイトを分けてあげたり、「私たち焦らされてない?」と早坂の思惑を見抜いてみたり。みんなのよきお姉さんという感じがしました。

ところが彼女、第8話では「頑張ってるのに」とボヤいて早坂に怒られてしまいましたね。
これは間違いなく夏夜が悪い。頑張ってるのはみんな同じ、結果を出すしかない。ここは早坂の言っていることが正しくて、僕は少しだけショックでした。よりによって夏夜がなんで……っていう。こんなボヤキをするような子だとは思っていなかったので。

それを「もしかしたらキャラのブレなのかな」と危惧していたんだけど、劇場版を見て氷解しました。

彼女、具体的な環境は分からないけど、たぶん学校(進路?)関係か家族関係であまりよくない状況にあるのでしょうね。とにかくアルバイトをして稼がなきゃ、という感じが見えました。
そしてラーメン店で。客に尻を触られたから殴り、それで怒られたから辞めた……という状況のようでしたが、見たところ、店側から解雇した感じはしませんでした。それだけで辞めさせるってのもおかしいですしね。

となると、夏夜の方から「こんな店もういい」と逃げたのでしょう。尻を触られたことを「それくらい」と言う店長の人柄も問題だとは思うけど、夏夜は間違いなく「逃げ」の姿勢でした。
申込書もとんでもないテキトー仕様w アイドルの申込書なのに履歴書用の写真を使うとか、他のアルバイトと同じ感覚で申込みしたんでしょう。志望動機からもやる気が感じられませんでした。

ここから読み取れるのは、彼女は、恐らく環境のせいで腐ったり逃げたりしてしまう癖がついているんだけど、本来は気遣いのできるお姉さん気質。実波へカロリーメイトをあげたところを見ると、もしかしたら実際に下の兄弟がいるかも。
腐ったり逃げたりしてしまう癖があるんだけど、WUGには本当の居場所としての価値を見出していましたね。だから最後のライブも「やろう」と乗り気でした。

……とまぁ、これに照らし合わせると、第7話の夏夜も第8話の夏夜も「確かに夏夜らしい」と言えることができるんですね。
決してブレがあるわけではないのです。
いいところもあれば欠点もある、実に人間味のあるキャラクターじゃないですか。僕は劇場版を見て夏夜のことがますます好きになりました。

えーつまり、なにが言いたいのかというと、やはり劇場版として切り離してしまったのは間違いだった!w
キャラの見分けがつかないなんて文句を言わせないくらい、ちゃんと魅力的にキャラを描けているのに、それを自ら殺しているわけですからね。

他のキャラも特徴がよく現れる描き方されていて、実波や未夕などテレビシリーズでもキャラが立ってる子たちはもちろん、他の子たちもきちんと性格が見えました。
ただこれは、僕がすでにテレビシリーズを8話も見ているからそう思う可能性があって、それも含めて後悔なんですけどね。

あとは歌かな。
真夢の歌は映画のテーマにもなっているので、本当に上手くないと興醒めなんだけど、これは確かに上手かったです。
音楽シーンを牽引する歌手のような圧倒的な歌声ではもちろんないけど、「透き通った歌声」を作れていたので、アイドルとしては十分すぎるほどと言っていいと思います。

……ただ、実波の方が上手くて笑ってしまいましたw
のど自慢大会から引っ張ってきた、ってのはテレビシリーズでもチラッと言ってましたけど、マジでコブシの入ったいい演歌で驚き。アイドル7人の声優はオーディションで決めた完全ド新人ですけど、よくこんな子いましたね。7人の中では演技も一番上手いし、この7人の声優はちっとも興味なかったけど、この人だけは要チェックかなー。

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