『新約とある魔術の禁書目録9』/鎌池和馬 感想!
シリーズ最大級の盛り上がり。
……禁書目録の感想は、書こう書こうと思ってもなぜかいつも発売からかなり経ってから書いてるんですよね。
なんでだろう。
このブログの半分は禁書目録でできてるのに……(大袈裟
というわけで、9巻です。
世間でもあれですね、大好評ですよね。
ええ、僕もとてつもなく面白かったです。一番最近読んだから、っていうのもあるかもだけど、恐らく今までで一番面白いんじゃないでしょうかね、新約9巻。
このお話をアニメで見たい、とか思ってしまうのはさすがに難しい期待ですかね。
そうそう、アニメと言えば、この記事を書いている4月12日現在、かまちーの10周年プロジェクトが発表されていますな。
あれからもう10年か……、つっても、僕が禁書目録読み始めたのは10巻くらい出た頃からなんですけどね。
10のプロジェクトが用意されてるんだけど、まだすべては発表されておらず、「その中にはきっとアニメ第3期も含まれているはず……!」という期待が広がっておりますな。
ええ、この僕も大いに期待していますよ。10周年記念でしょ? メッセージコメントの寄稿で監督の錦織博やキャラデザの田中雄一まで書いているんだし、ほぼ確定路線だとは思うのです。超電磁砲シリーズ構成の水上清資や伊藤美智子、砂山蔵澄、吉野弘幸までいて禁書目録シリーズ構成の赤星政尚がいないのはちょっと不思議だけどw
まぁでも、発表がない以上は下手に騒げませんね。超電磁砲3期決定、なんてデマも流れたようですが、冷静に状況を見守りたいものです。
ヒロイン交替
いつもだったら、キャラクターごとに分けて感想書いてるんですけどね。
7巻と8巻はまとめてしまいましたが。
この9巻に限っては、キャラクターごとになんて言ってられませんよね。
オティヌスが正ヒロインすぎてヤバい……!!
いやもうね、圧巻でしたよ。最後の展開。
8巻のラストで世界が終わってしまった時、「これオティヌスどうやって倒すんだ……?」ってめっちゃ不思議だったし、9巻読み始めてもちぃっとも勝てる気しなかったんだけど、まさか史上最悪の敵が守るべきヒロインになってしまうとはなぁ。
あらすじに「上条当麻の心を挫く物語」ってある通り、最初はオティヌスが上条の精神を折りにくるんですよね。
ただ殺すだけなら簡単、だけどそうするとイマジンブレーカーがどっか別のところに宿ってしまうから。
そしてオティヌスはグングニルの力で上条にさまざまな試練を与えるんだけど、どれもこれもが本当に辛すぎてヤバかった……。
個人的に一番効いたのは、最初の「全員が敵」の世界。
吹寄、青髪ピアス、小萌先生に恨まれて殺されかけるんだけど、もうね、「いったいなにがあったのか」ってのがまったく気にならないくらい、ショックでね。
特にきつかったのが青髪ピアス。
吹寄とか小萌先生は、もちろんきつかったんだけど、どちらかというと「こういうシーンでまさに出てきそう」なキャラ。でも青髪ピアスはシリアスに絡んできたことが一度もない、ただの悪友……こいつが憎しみを向けてきたってのが、世界の異常性をよく表していて、一番きつかったです。
もちろん、上条が挫けるためのきっかけとなった「すべて平和な世界」も、辛かったですね。
みんな平和に暮らしていて、しかしそこには上条当麻だけいない。
インデックスも神裂やステイルと一緒に平和に生きている。
うーん……。これは本当に強力だったなぁ。
あ、そうそう、この平和な世界の中で超電磁砲メンバーが出てきたけど、アリサの名前が出てきましたね!
びっくりしたなぁ。
でもまぁ、2人がひとつになったパーフェクトバージョンって、たぶんこの世界だからこそ存在できてるんですよね。そう思うと逆に少し悲しいかもなぁ。
そして、死に場所を探してフラフラしていた上条の目の前に現れたのは、上条の他には唯一グングニルの影響を受けていないミサカの総体!
いやぁこれには驚いたw
確かに説明を聞いていると、なるほど総体だけは壊れた世界の中でも動けるんだ……って納得できてしまったりね。
読んでるこっちの身もけっこうズタボロになってる時にドロップキックで登場、なんて感じに一気に場が和んだのもすごかった。ぶんぶん手を振るイラストが可愛いw
そして、上条と総体のシーンがまたいいのですよ。
総体には2つの選択肢があった。それは、今まで通り「私を助けて」と言う方法と、「自分を一番にしろ」と言う方法。
前者でも上条は復活しただろう。
けど、それでは繰り返しにしかならないから、根本的な解決にはならないから、総体は後者を選んだ。
……炊きつけた私も一緒に、ってところは実によかったなぁ。たとえすべてが壊れても、とりあえずはまた2人から始めよう。
実にいいシーンでした。
オティヌスとの決戦も、もちろん燃えました。
いったいどんだけ繰り返すんだ……って感じだったけど、だからこそ、上条にはオティヌスの苦悩が伝わってきたんですよね。
ただ、理解者が欲しかったオティヌス。
オティヌスのいた世界に理解者はいなかった。オッレルスでさえも違った。
だけど、上条なら……。
鳥肌が立ったのは、世界が元に戻ってから。
オティヌスへ対峙し、啖呵を切るインデックス、美琴、レッサー、バードウェイ。世界が壊れる前とあとで、彼女らへの印象がここまで変わるなんて……!
8巻では頼もしい仲間だったものが、いきなり、最大の敵になっていたという強烈な配置の転換。
もちろん、インデックスたちが悪いというわけではないし、むしろ世界が元に戻ったからといってオティヌスが敵であることには間違いがないはずなんだけど、オティヌスの最大の理解者・上条当麻には見え方がまったく変わってしまっているんですよね。
相手は世界。
こちらは、上条とオティヌスだけ。
……くーっ、なにこの状況面白すぎる!
さしずめ、守るべきヒロインがオティヌスに、共に並び立つヒロインがミサカ総体になった、という感じでしょうか。
インデックスと美琴はお役御免……なんて言ってしまっても過言ではなさそうなくらい、圧倒的な展開でした。
そろそろ、10巻が発売されます。
……あらすじを見てさらにワクワク! オティヌスを守るために上条vs世界の全面戦争じゃあああ!
9巻、10巻を合わせて「シリーズ最大の山場」になりそうな感じがしますよ。楽しみすぎます。
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