響け!ユーフォニアム 第七回「なきむしサクソフォン」 感想!
それだけ勇気があったってこと。そしてそのことを、少なくとも上級生はみんな分かってる。
感想
いやぁ。
なんとも心臓に悪いお話でしたね……。
でも、このギスギス感もこの作品の大切な一面にしてよいところ。とてもよく描かれていたと思います。
今回はいろいろなキャラクターの人間模様も見えてきたし、1人ずつ分けて感想書いてみようかな。
斎藤葵
「さいとう」ってやたらめったら漢字たくさんあるよね。「さいとう」さんの名前を書き写す時はいつも画面や紙と睨めっこだよね。
葵ちゃん……辞めてもうた……。
なんだろう。去年の事件があったせいでひどく仰々しい感じになってしまったけど、実際、葵ちゃんは辞めてよかったのかなと感じました。
葵ちゃんの人生にとって、優先すべきは吹奏楽ではなく、行きたい大学だったというだけのこと。
今のままでは勉強が間に合わないから辞める。これだけ見れば、至極まっとうなことだと思います。
しかも、あれだけ辞められない空気がある中で辞められたのは、香織先輩の言葉を借りるなら「勇気があった」と言えるんじゃないかな、とも思いました。
全体的にはいい方向へ進んでいるのかもしれない。でも、去年の事件が起きたあとの空気のままなら引退まで在籍しててもいいかな、と思っていた葵ちゃんにとってはそうもいかなかったわけで。
葵ちゃん自身が言ってたけど、吹奏楽もそれほど好きではなかったのでしょうね。ただ、「吹奏楽が」というよりは、「この部が」だったと思うのですけど。たぶん吹奏楽は普通に好きなんじゃないですかね……。
葵ちゃんが辞めるって言った時、誰か分からないけど「葵先輩辞めないでください!」って言ってた子がいたのがすごく寂しかったなぁ。
葵ちゃんにだって、慕ってくれる後輩がいた。嫌なばかりの部活でもなかったはずです。
でも、その子の存在がむしろ葵ちゃんの存在を苦しめていたのだとしたら……。なんて、ぐるぐると考えてしまいます。今年は久美子や秀一も入ってきましたしね。
まぁでも、辞めたものは仕方がない。
とはいえ、これで葵ちゃんはフェードアウトなのだろうか。苦いなぁ……。
小笠原晴香
部長。部屋がめっちゃオシャレで可愛い。
フツーの悩める高校生だったなぁ。そこがいいと思いました。
部長になったのは、あすか先輩が部長に推薦されたのを蹴って、お鉢が回ってきたからのようでした。部長は自分にそれほど自信がなくて、実際、ごたごたを抱えている大人数の部活動を一手にまとめるだけの実力はない。だからまぁ、部長という立場についていることに後ろめたさというか、劣等感があったのですね。
それが爆発したのが今回。葵ちゃんを止められなかったのは自分のせい、だと思ったようでした。
そこをあすか先輩にバッサリと切られてしまい、次の日は休んでしましましたが……。
香織先輩のおかげで復活してきましたね。
あの状況で部長を引き受けたのは、すごく勇気の要ること。まぁ、勇気も行きすぎれば無謀ですが……、実際、部長はよくやっていたと思いますね。数々の問題を裁き切れなかったのは、さすがにこの人じゃなくても無理だったろうよ。恐らく、あすか先輩にも。
今回、部長が一度休んでから復活してきたこと、部にとってはいいことだったのではないかと思いました。
というのも、葵ちゃんが辞めた直後に部長が休んだわけですから、事情を知らない1年生にすら、「部長は部活に出るのが辛くて休んだ」ということに察しがつくでしょう。
でも、次の日見事に復活してみせた。
かなり引き締まったのではないですかね。雨降って地固まる、とはまさにこのこと!
でも、その日の夜に葵ちゃんを呼び出して交わした会話の内容がまだ気になっているようです。
田中あすか
この人だけは最後の良心であって欲しい……と思っていましたが、どうやらそうではありませんでした。いい意味で。
あすかは頭がいいから、いろいろなことを計算して、自分にはできないと思ったから引き受けられなかった……。
加えて、責任を負うことが嫌いなのかな、と思いました。一応パートリーダーだけど、どちらかというと平でちょろちょろやっている方が好きなのではないですかね。
部長に泣きつかれた時も、慰めたりなだめたりするのではなく、「じゃあ晴香も断ればよかったんだよ」と見事な切りっぷり。非情さを見せつけました。
まぁこれは、部長が復活してくれるのを期待してのセリフだったように思うんですけどね。
あと、秀一は苦手に感じているようでした。その理由を聞くと、久美子も理解できなくはないという反応。
いい人なのは分かるけど、それで全員と馬が合うわけではない……ということですかね。ムードメーカーで、いかにもみんなの中心にいるようでも、実はそうではない。人間関係のリアルを見たような気分になりました。
中世古香織
この人が最後の良心だった。
後輩や同輩からよく慕われている。
後輩のことが気に入らない吉川優子のことを上手くなだめる。
部長と一緒になって葵ちゃんのことを心配し、話を聞いていた。
去年の事件の時は葵ちゃんと一緒に、中立の立場に立って部をまとめようとした。
落ち込んでしまった部長のことを心配し、家まで駆けつけて励ます。
優子のことは適度に放置プレイ。
吹部のマドンナ。
マドンナだけど芋を食う。
完璧。
今回は香織先輩に惚れました。
滝昇
非常に珍しいことに、今回は苦い顔を見ました。
葵ちゃんのことを指導している時の様子を見る限りだと、葵ちゃんの事情は知らなかったようですね……。これまで見てきて、やる気はない方だ、くらいには感じていたかもしれませんが。
何か、悔しい気持ちがあったのでしょうね。何もできない自分の不甲斐なさを痛感していたのかもしれない。
これまで強烈なリーダーシップを発揮してきた滝先生だけど、彼も人間。
もう少し彼の心情に寄り添った展開が、今後あるといいなぁと思いました。
中川夏紀
可愛い。
よくしゃべる可愛い。
吉川優子と犬猿の仲可愛い。
久美子の先輩で、本人も先輩として接してるつもりだけど、なぜか久美子に懐いているように見えてしまう可愛い。
いつもの3人
今回久美子は、何もできませんでしたね……。
幼馴染みといっても、昔よく公園で遊んでいた程度の仲。葵ちゃんを止められなかったことよりも、葵ちゃんの退部騒動で何もできなかったことの方が辛かったのではないでしょうか。
……と思ってたら葉月がまさかの宣戦布告キター!!
展開速いすなぁw
いつか何か起こるだろうとは思ってたけど、そうか、もう第7話だもんな。いやぁ、ワクワクしてきた!w
ただ、この3人がギスギスしちゃうのはちょっとさすがに辛い。まぁその辺はいい塩梅に調整してくれるでしょうけどね。
あと、ちゃっかり葉月の気持ちに気づいていたらしいみどりに笑った。可愛いツラして抜け目ないわね。
最後に
久美子と秀一が雨宿りしてるシーンの、水たまりの水面の描写が圧巻でした。雨が水面で跳ねているだけなのに圧倒的な立体感。京アニ恐ろしい。


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