二律背反に揺れるロゼ
結局コナン王子は息絶えて、ロゼや風の骨の復讐は終わったということにはなりますが……、コナン王子が憑魔化していたという話運びが上手いなぁ。状況証拠から間違いなく死んだはずだけど、ロゼ自身が「確かに殺した」と実感することはできませんでしたね。
馬車の中でのスレイとロゼの問答は、見ていて辛いものがありました。
スレイの言っていることは綺麗で正しいけど、それはこれまでのロゼの在り方を否定するものでもあり。でもそれは導師として世界を見つめてきたからこそ言えることだったし、何より、スレイはロゼのことを思って言っているのでした。
いったん道端で休憩しているときの、スレイの「辛かっただろう」がすごく響いた。
ロゼが人を殺しながらも穢れなかった理由も分かりました。誰の心にもある穢れをロゼは真正面から受け止めて、きっとそれが誰かのためになるはずと思って戦ってきた……。
うつむくロゼは、何を感じていたのでしょう。
森の迂回路を走りながらのシーンは、本当に心に響きました。
穢れに触れたことにより、自身のこれまでの在り方が揺らいでしまったロゼ。自分のしてきたことは無駄だったのかとスレイに問いかける姿が、なんとも辛い……。
ロゼのしてきた殺しは、きっと無駄ではなかったはず。そこで救われた命も確かにあったかもしれない。
でもスレイは、肯定も否定もしないんですよね。
ただひとつ、殺しは駄目だと。
負の感情が穢れを生み、災厄まで引き起こしてしまうこの世界だと、「殺しは駄目」の意味がぐっと重みを増す気がします。スレイは実際、マーリンドで負の感情が連鎖するところを見ていますからね。
私は無力か、というロゼの問いに対する答えも残酷です。
ロゼは強い。
でも、穢れに満ちたこの世界では、別の強さが必要。
スレイはロゼのことが嫌いになれないから、人殺しなんて辛い道に走って欲しくないのですよね。ロゼを思うからこそ、スレイは本気の回答をぶつけてくるわけです。
でも、そうすればそうするほど、ロゼはこれまでの在り方が分からなくなってくるわけで。
ブラドとの回想がもう……。
スレイの言葉と自身の正義の間で揺れるロゼが、本当に感情を揺さぶってきますね。なんか平常心で見られませんでした。
しかもラスト、前期EDと同じタッチで描かれるロゼとブラドがニクい……!
そしてここで続きなんだもんなー!!
スレイの言葉を聞いて、ロゼがどのような答えを出すのか……というところがすっごくすっごく楽しみなんだけど、それは次回に持ち越されちゃいました。
いやー、今回のスレイはかっこよかったなー!
ロゼにかける言葉の一つひとつもそうだけど、寒そうにしているロゼに毛布かけてあげたり、ロゼに襲い掛かる穢れをあっさりたたき伏せたりと、もうかっこいいシーン連発でした。この主人公ほんと大好き。
余談
一応ペンドラゴへ向かってはいるようだけど、まだ着かない。
ロゼ編、ものすっごく楽しいからいいんだけど、全体的なストーリーは全然進みませんね……w
ここまでオリジナル展開が続くと、原作にあるストーリーに戻ってくるのかどうかも怪しいけど、それでもこれ第2期でお話まとまるのかしら。
さらに続きがあったりして……?
それならそれで嬉しいので、ちょっとその辺の続報も楽しみだったり!

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