fc2ブログ

MENU
考察シリーズ

考察シリーズ14 ライトノベル考察

このシリーズでは、俺が日ごろ思った事感じた事をつらつらと書き連ねていきます。
コメントなどして管理人と語り合おう!

ちょいと真面目な話? ネタバレはなし。

 
 
ラノベを数多く読んで来た俺ですが、また自らも小説を書いている俺ですが、実は「小説」について文学的にあまり知らないんですよね。

そこでこの前、大学で面白い講義を受けたので、それをラノベに転用して考察。
講義内容は英米文学ですが気にしない。


えー、小説の形式は大きく分けて四つあるそうです。
とりあえずそれらを紹介。

視点の話をしますが、小説のナレーターをN、キャラクターをA、B、C…とします。

First person narrater
訳すのメンドイんで訳さずに。

これはいわゆる一人称ですね。私、僕、などの一人称が使われます。

記号で表すと、N=A
つまりナレーターと主人公が同一人物という訳ですね。

Omniscient narrater
これはいわゆる三人称
私、などは使わずキャラクターの名前を使います。

記号で表すと、N≠A、B、C… N→A、B、C…
ナレーターが物語の外から眺めている感じです。この場合ナレーターは登場人物全ての心に干渉できます。

Limited omniscient narrater
これは制限された三人称
基本的にはOmniscient narraterと同じですが、

記号で表すと、N≠A、B、C… N→A N→×B、C…
となり、ナレーターは主人公以外の心に干渉しません。First person narraterを客観的にした感じでしょうか?

Objective narrater
これも一応三人称です。

記号で表すと、N≠A、B、C… N→×A、B、C…
つまり、ナレーターは誰の心にも干渉しません。状況描写のみの小説になりますね。



さて俺がやろうとしているのは、ラノベをこいつらに当てはめたらどうなるかなという事。
という訳で行きましょう。

First person narrater
一般文学と比べて、ラノベはこの形式が少ないように感じます。
と言っても俺は一般文学全然詳しくないですけどね。

涼宮ハルヒシリーズが典型かな?
他のラノベだったら複数視点で展開しそうなお話を、ナレーターのキョンのみの視点に固執しているFirst person narraterの典型。
でもモノローグやらセリフやらまで地の文にあるので、その点では異端ですね。

意外と他で有名どころを思い付かない……やはり少ないな。
俺に言わせてもらうと、この形式はとても書きやすいんだけどな。

Omniscient narrater
はい、ラノベのほとんどがコレです。
八割以上がこの形式なんじゃなかろうか。
それくらい多いですな。

これの有名どころはブギーポップシリーズですね。
主人公がいないので視点がばんばん切り変わります。ただ困った事に、ブギーポップはFirst person narraterと被るところもあるんですねぇ

有名じゃないところでこれの典型は哀しみキメラだな。
主人公以外の視点がすごい明確。

Limited omniscient narrater
ほとんどないですね。
でもない訳じゃない。

狼と香辛料が有名ですな。
視点がロレンスからまず動きません。

ああ、ラノベ関係ないけどエロゲやギャルゲはほとんどこの形式になるんかね。いや、First person narraterか?

Objective narrater
これはほんとんどないというか、ラノベでこの形式使うってのは無理があるんじゃないか?

俺はキノの旅しか知らない。ただし、シズの話になるとFirst person narraterになるけどね。

近い文章だとイリヤの空、UFOの夏も入るのかな?
厳しいか。



とまぁここまで書いて思ったのだが、これUnlimited persons narraterも追加した方がいいんじゃね?
でもこの四つを定義したのなんか偉い先生らしいので文句は言わないけどね。

やっぱりOmniscient narraterが多いですねー
改めて見ると大発見?でもないか。

という訳で、大して結論も出ないままいつも通り〆ます(ぇ
関連記事
7 Comments
鈴神楽 "ラノベだとミックスもあるんですけどね"
毎度お世話になっています鈴神楽です。

この人称表現ですが、特別な例があって、一人称と三人称のミックスって奴もあります。
有名なところでは、宇宙戦艦ヤマモトヨーコ。
主人公の一人称と三人称を途中途中切り替えて話を進めるタイプです。

ついでに言うと、主人公の考えていることが「」をつけていないの喋った事になる変な表現がありますが、あれって相手が表情から読んでいる訳でもないので、不自然な表現にしか思えないのは、私だけでしょうか?
心理描写と発言を明確に切り分けないのは、筆者まで読者かし、自分の創造した世界に入り込めてない気がしてしかたありません。

他にも、台詞だけ連続するシーンがありますが、下手な書き手がやると、キャラ分けが出来ていないので誰が喋ったのか解らなくなる場合があるのも困り者です。


因みに一人称と三人称には、大きな使い分け(使いやすさ)があるみたいです。
謎解きをメインにする時は、基本的には、一人称(または、一人称に近い三人称ここで言う所のLimited omniscient narrater)が主に使われます。

戦記など、大きな戦いを描いた話では、逆に三人称が使用されます。
この場合は、主だったキャラの心情を描く場合とそれを一切省いた二パターンありますね。

スポーツや勝負事をメインの場合は、三人称ですが、ここの場合は、各キャラにスポットを当ててその時の心理描写を行い、お互いの気持ちの高ぶりを表現する場合が多いみたいです。

ここら辺は、単なる傾向レベルですが。

この手の話は、好きなのでこれからもよろしくお願いします。
2009.01.23 14:18 | URL | #sqviq2OY [edit]
鈴神楽 "補足"
謎解きメインって言っても、推理物だけでなくスレイヤーズみたいなタイプも入ると思います。
基本的には、主人公が相手の技の弱点を探り出して倒す形の戦闘物もある意味謎解きがメインだと思う時がありますね。
スレイヤーズなんて特に相手の悪巧みとかも解き明かしていきますから。
2009.01.23 14:24 | URL | #sqviq2OY [edit]
神酒原(みきはら) ">鈴神楽さん"
もちろんミックスもありますな。
記事でも言ってるけどブギーポップがそれです。実際に書いてる僕から言うとミックスはどう考えても難しいので、この書き方が出来る人はかなり文才があるんだと思います。

>主人公の考えていることが「」をつけていないの喋った事になる変な表現がありますが
これはハルヒですよね?
確かに最初はびっくりしますが、キョンが「」なしで発言した際必ず誰かが答えているので、ハルヒの「色」になってるんじゃないでしょうか。
僕は面白いと思います。

執筆的な話をしても、一人称は地の文だけで勝手に騒ぐ事が多いので、ハルヒのこの書き方は地の文と会話文の温度差を縮めるいい方法だと思いますよ。

>台詞だけ連続するシーン
三人以上でそうなると難しいですね。口調に特徴があればいいですが、確かにそうでもなくて筆者があまり上手くなければ難解です。

>大きな使い分け(使いやすさ)
これはわざわざ僕に言う事じゃないですよw
他にも一人称は、主人公の心境の変化などが重要なファクターになる場合好まれますね。
これは僕の場合ですが、謎解きのような話を書く時、あえて三人称を使って多角的に書きますね。ブギーポップの一巻みたいに。

使い方はいろいろです。

>この手の話は、好きなのでこれからもよろしくお願いします。
頑張ります。
誰か釣れないかなーとか思いながら書きましたw
2009.01.23 16:51 | URL | #- [edit]
鈴神楽 "釣られました"
思惑とおり釣られた鈴神楽です。

>実際に書いてる僕から言うとミックスはどう考えても難しいので、この書き方が出来る人はかなり文才があるんだと思います。
同感です。
昔は、あこがれて何度かやろうとしましたが、全然上手くまとまりませんでした。

>これはハルヒですよね?
そうかハルヒが流行らせたのか。
どの作品かまでは、一々覚えていませんが、時々みるもんで。
ハルヒに限らず、そこそここの形式が有るんです。

そういえば、昔、三人称ぽい語りだったけど、実は、違ったって話がありました。
神様みたいなキャラが最後に語る形だったと思いますが、詳細は、出てきません。

過去の出来事を語る老人が話す形式のSFぽい話でありましたが、これは、三人称になるんでしょうか?
難しい区分ですね。

小説を書いている人間としてやはり気になるのは、仮面ライダーキバみたいな時間を行き来して書くやり方は、どう思いますか?
富士見ファンタジア文庫で大賞を取った作品では、現在と状況がそっくりな過去の話を割り込ませるなんて高度な事をやった人が居ましたが、読み手としては、面白いですが、書き手としては、時系列がグチャグチャになって大変ですよね。
2009.01.23 18:07 | URL | #sqviq2OY [edit]
神酒原(みきはら) ">鈴神楽さん"
まぁミックスは難しいから進んでやろうとは思いませんけどね。

>時々みるもんで。
僕はハルヒしか見た事ないですねぇ
確かにみんながみんなやったら困る文体ではありますが。

>過去の出来事を語る老人が話す形式のSFぽい話
N=AでないFirst person narraterといったところでしょうか?
まぁこれは大きな区分なので例外はもちろんあるでしょうね。

キバは見てませんが、時系列がバラバラという事ですか?
表現技法として考えるなら、それほど難しくありませんよ。確かに読むだけの人なら「これ書くの難しそう」と思うかも知れませんが、こういうのを書くためにプロットというものがあるんです。
プロットの段階で時系列がこうなってああなると決めておけば、普通に書くのと大して変わりません。

ただそういうのは、面白いストーリーを考えるところで難しいですね。話が複雑になるのでその分構成が大変になります。
2009.01.23 23:58 | URL | #- [edit]
ヨーク ""
私も話に参加していい?

書かないけど少しは読むので、なんか授業を受けているみたいで新鮮でした。なんか、本当に考察っぽくて、頭の悪いおいらはちんぷんかんぷん。

要はナレーションが誰になるか、誰と関わるかなんでしょうかね。書く側のハードルや読み側の新鮮さとか、そういった面で表れてくるようで、結構楽しめました。

First person narraterでは、「扉の外」なんかは、これなのかな。おいらも思いつかないや。もうちょっと詳しく分析できたら、論文が出来そうですね。

個人的に思ったのは、一般作品では、First person narraterが多くて、ラノベが、Omniscient narraterが多いのかなと推測したり。

ということは、ラノベで賞を獲るには、この形式で書くのが一番受賞しやすいってことなんでしょうか。きっと、読者層がその形式に慣れているので、無理やり変えてしまうと、拒絶反応を起こしてしまうのかもしれないですね。他のも面白い試みだと思うのですが。

なんか素人が適当言ってすみません。小説完成期待していますよー。フレーヾ(゚ー゚ゞ)( 尸ー゚)尸_フレー
2009.01.24 03:18 | URL | #- [edit]
神酒原(みきはら) ">ヨークさん"
参加していいよw

授業ですかww
授業で習った事を使った考察ですけどね。確かに考察シリーズの中でも考察してる方かな。

First person narraterは一番分かりやすいと思いますよ
僕、私、俺、などが地の文で使われてたらこれです。扉の外は読んでないから分かんないです。
論文は……このトピックじゃきついっすよw

>一般作品では、First person narraterが多くて、ラノベが、Omniscient narraterが多いのかな
一般でもFirst~が多いとは言えないんじゃないですかね?
比率がラノベよりは多いというだけで。
ラノベは明らかにOmniscient~が多いですね。

>ラノベで賞を獲るには
多分それは違います。ラノベ業界は急成長した分マンネリを恐れているので、多分形式はほとんど見ないと思いますよ
どのレーベルも新しい風を求めてますからね。まぁ新しいのを求めすぎて失敗したのが「ルカ」ですが(ぇ

僕だって素人ですがなw
小説、今から短編童話書きますノシ
2009.01.24 05:27 | URL | #- [edit]
Leave a reply






管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks
trackbackURL:http://mikihara.blog70.fc2.com/tb.php/880-91654126
該当の記事は見つかりませんでした。